2012年03月20日
積み重ね。
ちょっとPOPな色目でと思い製作した袋帯です。
(配色は妹と共同作です。。)
『作楽/雲龍錦』
経が絹糸と(光らない)金糸とを交互に並べた織物で、
経糸を大きく横に振らすことで、立体感ボリュームを付けることができます。
見た目、ボリュームがあるとどうしても重量面が問題になります。。
それでも、毎日モノづくりの際には『出来る限り』軽くしよう、
と少しずつ削ぎ落して、軽量化を考えています。
帯の軽量化といっても、なかなかイメージしにくいですが、
車の軽量化と同じで、一つ一つの部品重量を何gずつ減らして、
それを積み重ねて、総重量を減らすというイメージです。
車と違って安全面というのはありませんが、
帯も結び心地や絹の風合いがあるので、
それを全く変えずに見直していく作業は、正直とても難しいです。
ただ単に、材料を使わない・・・。というのであれば、
簡単なのですが、そういうワケにも行きませんし・・・。
今回は経糸は金糸、緯糸も相当入っている、
ボリューム出すために、素材も通常よりも太め。
という問題はありましたが、地道に糸の渡りを考えて(設計の所)、
細かいことを積み重ねて積み重ねて、風合いもそのまま、
いい感じに仕上がりました。
昔の帯はというと、帯芯を入れる前でも
1㎏を余裕で超えるのもありましたが、
今回の軽量化で、うちの総紗縫に近づく重さになりました。
その瞬間です。。。
物理的に限界近くまで軽くしている織物もありますが(紹巴織など)、
糸使いの勉強にもなりますので、軽くするという視点を主に、
モノづくりするのも、たまには良いかもしれませんね。。。