2012年03月21日
昨日の帯の裏
昨日の帯の
裏。
総紗縫の機で織った素材を変えた『ほぼ総紗縫』です。
『ほぼ』というのは、ややこしい表現ですが、この裏地を作るためには、
通常の工程よりも、いくつかの手間を掛け、違うものにしているので、
『ほぼ』を付けています。
この臈纈の時もそうでしたが・・・。
→http://www.kyo-tonami.com/godaime/2011/10/post-1513.html
実に似ていて遠く、また違う工夫をしています。
まず『総紗縫』というのは、
組織的に(面倒くさい位)繊細な織です。
そのため、染によっては生地が痛んだり、
加工方法によっては、ダメになることもあります。
(その繊細のお陰で結びやすい、シワが戻るなどの利点があるのですが・・・)
不思議なことに、作るときに手間を掛けると、掛けた分、
使うときには何かと便利になる確率が、高いような気もしますが、
この総紗縫もその例に当てはまります。
①最初は普通の総紗縫の生地に、上の写真のような染をしました。
が、縮みました。
②そして、素材を見直し、組織の検討。
③染めると、今度は、上から入れた色が綺麗にでない。。
『白だったら、綺麗に入るだろう・・・』という予測が外れ、
④そこから再び試験を繰り返し、
⑤色を入れた色糸(仄かな色です)で織ると、綺麗に色が出る。
そんなことをコツコツ足しては引いて、作り上げた裏地です。
こういう帯は、できが悪かったとしても
(これは見る人の判断にお任せします)、とってもいい帯に見えてしまいます。
今回は麻の葉文様で、しかも裏ですが、自分的には輝いて見えます。。。