2012年12月22日
久々の京小袋。
この帯のコンセプトとしては
袋帯よりも気楽に、半巾よりも幅広く、というものです。
幅も長さも半巾よりもありますので、様々な着姿にも結んでもらえますし、
TPO的には、柄にもよりますが、付下げくらいまでカバーしてしまおう、
です。
そんな京小袋ですが、柄数自体もある程度揃っていますので、
今、製作に取り掛かっているのは、もうちょっと個性的なものです。
今は三柄ほど図案作成も終わり、そのうち二柄に関しては、
紋作りも終わっています。
そして、今日、最初に上がってきたものは、試験織りですが
この『ペイズリー』(まだ配色途中)。
『京小袋/作楽『ペイズリー』』
今までの京小袋とは少し趣向を変えて、表も裏も
ある程度関連したもので両面にしています。
ちなみに、この小袋。
製作的に一番難関は写真のように裏も表も同時に織っていくことにあります。
この帯は、
一つの杼が表裏地部分を通るので、同じ色が異なる柄を織ることになります。
この辺り意匠図を製作する際には、相当頭を使わないと、
配色が無茶苦茶な帯になってしまいます。
この帯でいうと、
判り易いのは、左側の大きなペイズリーのグリーン。
普通に両面とも使うと、似た雰囲気の帯になってしまいますし、
使わないのも面白くない。ということで、左は面、右には際として、
利き色で使っています(他の配色も同じことが言えます)。
他にも、柄の丈(紋丈)なども制限を受けたり、と普段の帯とは違った
関門が沢山ありますが、その分出来上がりは楽しみな帯です。
手間から考えると、コスト的に合わない帯かもしれませんが、
作る工程としては、とても楽しい帯です(秘錦も同じ考え方)。
今回の配色は上下で2色ですが、おそらくどちらか採用して、
一本の帯として、織り上げたいと思っています。