2013年04月17日
2つの完成品。
先日、無事完成したモノを再度織り直しました(織り変えた)。
基本的に以前完成したモノなので、余分な仕事と言えば余分なのですが、
もう一つ、したかった組織実験をしています。
『作楽/カラフル唐草』
それは、『この綟織の地にどこまで『紬糸』が通るか?』というものです。
筬の打つ密度にも関連して、非常に繊細な部分です。
試している感覚的には、黒ひげの樽にナイフを刺し続けているような感覚です。
『一本増やした。織れた!』『もう一本増やした、まだ大丈夫。』
『もう一本・・・。』というような。
そんな状態で出来たものです。
実物を見てもらうと判りますが、残念ながら写真での違いは非常に判りにくいです。
(ずっと地には紬糸が通っています。)
綟り織なので、素材を僅かに変えただけで、雰囲気はコロッと変わりますし、
ましてや紬は透け感自体が変化します。
写真では、糸の白さが目立つようになったのと、
ベース部分が紬になったため、上に載る色糸の発色が本来考えていた配色に近づきました。
まだ試し締めしていないので判りませんが、恐らくさらに結びやすくなったと思います。
紬なしバージョンと紬通したバージョンと、両方作ったおかげで、
どちらが良いのか、並べてしばらく悩んでみます。
基本的に、紋柄一緒、織物一緒、配色に使う糸一緒、地の糸が変わっただけなので、
お客さんにどちらが好きですか?と聞くのもなぁ・・・。と思っています。
でも、こういう完成してから、
再びモノづくりを揺らしてみる作業も結構好きです。