となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

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2013年04月17日

2つの完成品。

 

先日、無事完成したモノを再度織り直しました(織り変えた)。

 

基本的に以前完成したモノなので、余分な仕事と言えば余分なのですが、

もう一つ、したかった組織実験をしています。

 

L1231196.jpg

『作楽/カラフル唐草』

 

それは、『この綟織の地にどこまで『紬糸』が通るか?』というものです。

筬の打つ密度にも関連して、非常に繊細な部分です。

 

試している感覚的には、黒ひげの樽にナイフを刺し続けているような感覚です。

『一本増やした。織れた!』『もう一本増やした、まだ大丈夫。』

『もう一本・・・。』というような。

 

そんな状態で出来たものです。

実物を見てもらうと判りますが、残念ながら写真での違いは非常に判りにくいです。

(ずっと地には紬糸が通っています。)

 

IMG_0691-2.jpg

 

綟り織なので、素材を僅かに変えただけで、雰囲気はコロッと変わりますし、

ましてや紬は透け感自体が変化します。

 

写真では、糸の白さが目立つようになったのと、

ベース部分が紬になったため、上に載る色糸の発色が本来考えていた配色に近づきました。

まだ試し締めしていないので判りませんが、恐らくさらに結びやすくなったと思います。

 

紬なしバージョンと紬通したバージョンと、両方作ったおかげで、

どちらが良いのか、並べてしばらく悩んでみます。

 

基本的に、紋柄一緒、織物一緒、配色に使う糸一緒、地の糸が変わっただけなので、

お客さんにどちらが好きですか?と聞くのもなぁ・・・。と思っています。

 

でも、こういう完成してから、

再びモノづくりを揺らしてみる作業も結構好きです。

 

 

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