2014年09月11日
鹿毛引き紬/着物
以前発表した通称『うらもおもて』シリーズ。
このシリーズの特徴は、シンプルな柄を紹巴織で織った帯。
両面を合わせて好きな袋帯にできる。
という帯です。
その時にこれらの帯の地に用いてた糸の使い方が、『鹿毛引き織』です。
鹿毛引き(しけびき)というと、鹿の毛で作った細い刷毛で、細かい線、
縞を刷いていくことをいいます。
この織物は、その細い線、縞、筋を織りで表現するために、2本の糸で織る所を
2つに割って、一本ずつ違う糸を織り、刷毛で刷いたような風を作っています。
その帯を元に着物で表現したのが、上がりたての『鹿毛引き紬』です。
(写真はその中でも、茶と黒の経をターコイズの緯糸で重ねていったお気に入りの色です。)
『となみ織物/鹿毛引き紬』
緯糸には紬糸を使い、紬の節と温かみを。
反対に経には使わず、紋等を駆使しながら、縞を柄と見立てて、洒落感に傾きすぎない様、
調整をはかり製作した着尺です。
紬の温かみと洒落感が出過ぎないようにという、矛盾するような無地の着物で、
今までありそうで無かった着物になっていると思います。
手間はトコトン掛けていますが無地なので、帯が映え、合わせやすい着物です。
これの上にさらに柄を入れようかという話もでましたが、この無地の完成度が
高かったので、この無地は無地でオススメしたいです。
この生地で単衣の羽織を個人用に作ろうかと検討中です〜。
タグ: 紹巴織