2014年10月29日
黒。
となみ織物では以前、
引箔を使った黒共帯を製作していました。
幾何学模様に地は錦で(黒共帯を褒めるというのは感覚的に少し変かもしれませんが)
いま見ても本当に良い帯です。
着物を着た方を見ることが、おそらく普通の方よりも多い環境にいますが、
それでもその中で喪服はあまり見ません。だから余計に『良い』黒共帯を見ることが少なく、
その流れで少しどうかな?というモノでも(多少焼けていても)ある意味で仕方がないかな。
と思ってしまいました。
そんなこともあって、どれだけ需要があるかは分かりませんが、そこばかりを考え過ぎて、
折角作れるモノづくりをしないのも、釈然としません。昔織っていた時は、その当時
一番得意な引箔を使ったもので織りましたし、今回もそれと同じく、いま一番得意な
ところの織りを使い、製織をしています。
多種多様な黒共(これも変な感じがしますね)・・・とは行きませんが、数柄おこして、
モノづくりをしようと思っています。
織りのベースは総紗縫。
それを少し素材等変えて、風合い発色面を工夫したモノです。
写真では(黒ということもあり)何とも無い様に見えてしまいますが、
総紗縫の特色を活かし特化しましたので、とても良い黒共の帯になっている
と思います。
黒、濃いグレーしか色を使わないこともあって、ある意味難しいモノづくりです。