2015年11月27日
龍紋の3分の1を織ってみました。
少し前に唐長(修学院11代目の仕事場)へお邪魔した際に(2ヶ月前のこの時です)、自分の背後にいらした龍紋。
『唐長文様/龍紋』
南蛮七宝文様の着物に合わせる帯として、製作したいと思っています。背後にある唐紙の場合は存在感は凄いのに、場の雰囲気に馴染む。落ち着きのある不思議な空気を作っています。じっと見ていると、益々その感が強くなる(主観ですが・・・。)、魅力的な文様と配色です。
唐紙のこの空気感を帯へそのまま持ってくるのは、(したいのですが・・・)素材も使うシチュエーションも違うので、同じ様な空気を纏いつつも、どちらかと言えば織物らしい柔らかな立体感を強調して、空気感を作ろうと紋づくりしました。広い空間の中の龍紋ではないので、お太鼓のスペースも考え、強すぎないような雰囲気です。ただ、地紋だけでは軽すぎる。
シンプルですが、いつも唐長さんの文様を帯にする時は、技術よりも、手元にあるモノを組み合わせて、又は、いかに使い切って表現できるか?その部分が重要です。
今回の龍紋では、試行錯誤しながら、3分の1ほどの試験を取ってみました。同じ龍を近い色で上下織っていますが、上は織り目が少し粗くボリュームがあり、色も濃く見えます。下は反対に織り目を細かく綴じ色も薄く見えます。この僅かな差でお太鼓の中心を構成します。また、お太鼓に一つの龍ではなくて、周りに同色ながら織り異なる龍を配して、極力存在感を感じつつも、広がりを想像させる。
今のところ、この3分の1ほどで考えているイメージです。写真の色でも悪くありませんが、落ち着かせるところは、まず配色は黒×墨を考えています。織り自体はシンプルなので、上がってくるまでそんなに掛からないとは思います。
とても楽しみな一本です。