となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「こうけち」と一致するもの

2013年01月10日

さらにしぼ織りも。

 

表はもちろん裏にも相当時間の掛かった『しぼ織り/こうけち』が

上がって来ました。御召緯を使い、広巾で織ってお湯の力で縮めるという

昔ながらの方法で製作しています。

 

同じ一種類の地紋で行えば、問題はないと思いますが、新しい柄を作るたびに

新しい地紋をおこすので、毎回新しい新鮮な感覚(ポジティブシンキング)で、

縮み方を研究しています(縮み方が違うので、かなり大変)。

 

昨日と同じく異様なほど時間が掛かった帯がこの帯。

 

IMGP9195.jpg

こうけち/しぼ織り』

 

シンプルな柄です。

 

個人的に、

紋を作る際には、お月さんが同士が引っ掛かった感じをイメージしていますが、

元々の図案は、社内にある昔の図案にかなりのアレンジを加えたものです。

 

また、タレの部分を無地にしようと思っていましたが、

煩くない程度に、愛嬌で、ちょこっと星系を入れておきました。

 

仕立て上がると、とても可愛さもあり、静かで落ち着きのある帯になったので、

個人的には、とても満足しています。

 

ちなみに、『作楽』は入れていませんが、隠れ作楽です。

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2012年11月01日

京都へ帰ってきました。

 

3日間、出張へ行っていて京都へ帰ってくると、

たんまりと仕事が溜まっていました。

 

書類仕事は黙々とするしかありませんが、

モノづくりはそういうわけに行かず、

特に配色をして、目出し(見本裂)を見て、

修正を加えた後に上がってきたもの、などは、

再度その時の配色した気持ちになって、裂を見る必要があります。

 

L1001649.jpg

『こうけち/(作楽)』

 

以前も少し紹介した帯ですが、最終段階でこのタレの部分で、

考えています。

 

実は配色を間違えて織られてしまったものですが

(どっちかというのは想像にお任せします)、

比べると、好みもそうですが、検討しても良いくらいの出来上がりです。

(お腹の部分もそうです)

 

この帯だけでなくて、他にもこういう状態の仕事が沢山溜まっていますので、

モノづくり当時の気持ちやコンセプトを考えながら、今日は進めていきたいですね。

 

2012年08月24日

御召緯をつかう。

 

しぼみ過ぎから一ヶ月とちょっと。

今度はできる限り優しい感じの色目を使った薄地を配色、

織り上げてみました。

 

IMG_6770.jpg

『しぼ織』

 

柄の流れを柔らかく、濃い地で織った時よりも淡く、

地の部分には、土台は白ですが、僅かに暖色系のモノを足して、

全体が優しい流れになるように、心がけました。

 

御召緯のシボがある程度コントロール出来ます(以前よりも随分)

ので、それも柔らかい流れに貢献できるように、少し工夫しています。

袋帯は多くの場合、裏を仕立てた方が帯として、まとまりが出てくるので、

この帯もそうなった時がさらに楽しみです。

 

今では生産量が随分と少なくなった御召緯です。

 

IMG_6772.jpg

『御召緯』

 

こういうシボの付いた織物では、絹ではない繊維を使って織った後、

熱を掛けて、縮ませる(ナイロンを想像するのが良いかもです)という

方法もありますが、やはり生糸に撚りを掛け、お湯で縮ませる昔ながらの

技法の方が、言いようのない味があって、面白いと思います。

 

ただ織手さんとも同じですが、どんどん少なくなっていますし、

全く何も手を打たないと、これらの帯もいずれ作れなくなってしまう・・・。

と考えると、とても悲しいですね。。

 

 

 

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