となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「なごや」と一致するもの

2012年12月10日

ただいま名古屋製作中で。

 

今までも製作してきた名古屋帯

あまり登場機会がないので、『苦手?もしかして嫌いなんですか?』

と聞かれることもたまにあります。

 

が、苦手でも嫌いでもなくて、裏も作れる袋帯にモノづくりの頭を取られていて、

そこまで気が回っていませんでした。

 

名古屋は、袋帯とは違った表現ができますし、

今までとあまり変わらないかもしれませんが、さらに柄や配色で遊ぶこともできそうです

(とうてい、袋帯では出来ないような帯とか・・・、そんなのあるかな?)

 

 

ただその好きなモノを作る前に、

『まず社内でこんなのは作れますか?』

と言われて作ったのは、柄や配色は、全然遊ばず『七宝』の柄。

 

L1180582.jpg

『名古屋帯/清泉』

 

代わりに、組織を物凄く遊んでいます。

 

基本的には、今までの織りを踏襲していますが、

中身は先日も紹介した『月読』のように、糸を半分に割って、2を掛ける、

そんな織り方をして、最後はコマの箔を通して全体安定させています。

 

おそらく完成した時、帯一本で見ると、気づく人もいるかも知れませんが、

色が裏から出てくるような不思議な濃度の帯になると思います。

 

こういう感じで始まりましたが、色々と遊びながら作って行きたいです。

2012年09月20日

(小袋ではなくて)半巾。

 

となみ織物は、半巾よりも使える幅が(TPO的に)広くて、

半巾よりも寸法的に長く、前から見た時も巾が広く、

袋帯&なごや的に使える『京小袋』が継続して人気です。

 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2011/09/post-1492.html(ミニしまうま)

 

ですが、それはそれとして、

半巾を凝って作ってみました。

 

L1000927.jpg

 

 

袋帯ですら巾は制約されていて、

その中で色柄組織でモノを作っていきますが、

半巾はさらにその半分。

 

なかなか面白いモノづくりです。

 

小袋ではなくて、半巾というところに特化して、写真のように

シンプルな柄に色の組み合わせで、遊んでみても面白そうです。

 

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2012年03月13日

仙福屋なごや。。

 

先日、少しだけ触れていた『仙福屋なごや』

紋と素材は多少変えていますが、紹巴織で極シンプルに仕上げました。

 

 

IMG_3767.jpg

『仙福屋なごや』

 

『とにかくシンプルに。』

ということをコンセプトに製作していますが、

作るとシンプルな時ほど、素が表に出てくるので、

込み入ったものと同じく、気は抜けません。

 

作ってみて仕立てして、結んでわかったのは、

こういうも好きだなぁ、ということです。

 

他にも、柄を全通にして

なごや帯でよく聞かれる『柄が出ない・・・。』

ということも考えています。

 

柄や色合い、素材の選択、コンセプト・・・

となみ織物とは少し違ったモノづくりです。

 

 

 

 

 

2012年03月07日

2009年から、製作してきた織物。

 

なかな妥協ができなくて、停止していたモノづくり。

やっと見つかりました。随分と登場が遅れましたが、完成です

(ちなみに、2009年からです)。

一度は完成と思いながら、袋帯まで3年です。

 

 

当初、袋帯にと表の意匠自体は随分と前から出来ていましたし、

目出しや見本としては織り上げた後、素材を少し変えて、なごや帯などで、

商品としていたモノです。

(今、織り上がっている柄はみなさん見られたことがある柄です。)

 

IMG_3569.jpg

『imon袋/はとば立湧』

 

袋にするため、探していたのは、裏地です。

 

いつものとなみ織物/袋帯では、たとえば紹巴織などは、表と裏は同じ織機で織り、

それを両面にして袋帯に仕立てます。

同じ機の同じ糸、同じ職人によって織り上げられるので、

兄弟姉妹のような両面袋帯になります。

 

今回の織物組織の場合、素材や組織の都合上、少々問題が生じました。

(ほとんど起きない僅かな確率なのですが、念には念を入れて。)

 

そこで、つい最近まで異なる織物をしばらく検討していました。

安易に、世間でよく見られる、よそからの仕入れ裏地ということはしたくなかったので、

織物、糸種、地紋等々から検討です。

 

糸種を変え、紬を通したりして風合いを変え、地紋を入れたりと、

様々試して、コストも時間も大幅に掛かりました。が、なかなか決定とならず。

 

最終的に、最適だったのが、身近にあった総紗縫の機で織った無地

だったのは、とても意外でした。。。

(特に自分のブログを読み返すと、すくそこに・・・。)

 

問題なのは総紗縫の製作数が増えたといっても、織上がってくるのは、

そんなに多くはないので、袋帯になるまでが、さらに時間がかかります。

ただ、その分、利点は相当出てきますので、楽しみです。

 

IMG_3565.jpg

『imon袋/千鳥に流水』

 

総紗縫の両面好きな柄を選ぶことができる。

ということは出来ませんが、その分、できない表現が織でできますので、

総紗は総紗、imonはimonというようになるのが目標です。

 

上の千鳥もそうですが、この『sekka(神坂雪佳の世界)』もそうです。

 

IMG_3567.jpg

『imon袋/sekka』

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2012年03月06日

あられかごま塩か

 

帯の柄を作ったり、配色したりしている時、(社内で)意外に大事なのは、

呼び名。

 

出来上がった時はいいのですが、呼び名か愛称を付けておかないと、

帯柄は何十年と使えるモノを考えていますので、後から製作したものに

どんどんと埋もれてしまうことがあります。

 

上手く定着している最近のモノといえば、バームクーヘンとか。

 

IMG_3538.jpg

作楽/バームクーヘン

 

この帯は裏地として作りましたが、評判が良いので、配色替えをしたりと

何種類も表に合わせて製作しています。

 

また、要望もいただいているので、紋と糸種類を変えて、

なごや帯をつくろうかな?とも考えています。

 

今日は話題になっていたのは、この柄。

 

IMG_3536.jpg

 

以前からちょこちょこと織っていたモノですが、評判も良いので、

ちょっと配色で遊んでみました。

 

裏(上の方)を見てもらうと、表面にはあまり出てこない、

結構キツイ色を入れているのが、良く分かります。

 

ちなみに、この織物は横糸の色が表に出てきます。

ですので、濃い色を横に使ったので、地色は濃いグレーに見えます。

 

ただ、面白いのはそれだけではなく、

下から(写真に見えている)黄色系の色が透けてくれるおかげで、

とても明るい濃いグレーを作り出すことができます。

(この辺りはある程度の予想でしか、最初は作り出せません。)

 

さて、この柄の(社内の)呼び名。

あられか、ごま塩かと今のところ呼ばれていますが、

どちらが定着するかは、もう数カ月様子を見る必要がありそうです。

 

定着するのは、ごま塩がいいなぁ。

 

 

 

 

 

2012年02月25日

シンプルなごや帯。

 

最近人気のなごや帯。

2012春の美しいキモノに掲載されているのと同じ、

職人さんが織った織物です(cf.p158)。

 

IMG_3293.jpg

『仙福屋なごや/はな石畳』

 

地は錦織で駒箔を使い、光らない程度の光沢を付けて、

柄にメリハリを出しています。

 

色目は、花の核部分に、薄い水色をちょんと乗せているのが、

ポイントになってて、全体的に優しい雰囲気が漂っています。

この柄は、以前他の織物で織っていて、その時は黒と銀のカッコイイと

いう感じでしたので、キーに持ってくる配色で大きく違ってきます。

 

南蛮七宝もそうですが、こういう細かい連続柄(こづき柄)は、

となみ織物でも、無数に作って、一度織ってしまうと、

それで終わりにしていましたが、最近は南蛮七宝のこともあって、

社内では少しずつ見なおして行っています。

 

昔の柄を手直してして、なごやで織り上げ、柄もコストもシンプルに。。

というモノづくりも、少しずつ手がけていきたい所です。

 

将来的には、こういうのもWebで取り扱っていきたいですね。

 

 

51oF4yyABTL._SL500_AA300_.jpg

 

種の帯締めがアクセントのコーディネートです。

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2011年10月28日

ほんとは凄いけれども、あまり表に出てこない帯。

 

ということで、この帯です。

 

IMG_0517.jpg

総紗縫

 

織りは『総紗縫』と同じく『紗』、もじり織りです。

 

この紗、織りは同じでも総紗縫の親戚のようなもので、使う素材を変えて、

幅を九寸にした、要するに『なごや帯』です。

 

総紗縫が軽い、結びやすい、合わせ易いと言ってもらえるので、さらに、

と思い、なごや帯にしましたが、まだ今のところ、爆発的。

とは、なっていません。

 

個人的には、総紗縫を好きな方で、二本目に良いと思っているのですが、

まだまだ認知度が低いのかもしれませんね。

 

と、それはそうと、今日のメインはこちら。

 

IMG_0518.jpg

 

総紗縫の出来るまでを模型で伝えることのできる、メカです。

 

オモチャみたいなものですが、頭の中にシンプルな組織構造がわかるので、

とても重宝しています。

 

これをまだよく分かっていないスタッフの前で、

『あ〜やって、こうなって、ほら出来た。』

 

と手であやとりをするように見せますが、これを織物で、ビシッとやる・・・。

相当、たいへんなことは伝わったかな?と思っています。

 

これを細かく、柄を織り出しつつ、緯をいれて表情を豊かにさせていく、

恵まれた環境にいることを感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年09月26日

南蛮七宝を

 

モノづくりの日課といえる南蛮七宝

自分の持ち物も今では、

着物全般(着物羽織角帯襦袢草履。)以外にも、

財布やカバン、名刺入れ等々、試作も含めて、自分の周りに一杯で、

目に触れない日はない程です。

 

IMGP2526.jpg

『御召南蛮七宝(男物)』

 

ここまで一つの柄を追っかけていることは、

なかなか無いことです。

周りにも増えてきました。

 

帯の場合、注文を頂いてから経糸を作って(染めて)、

定番の色を織って、少し余れば実験的な色を織る。

 

R0013498.jpg

『南蛮七宝;なごや帯』

 

無くなれば、再び織ってという帯シリーズです。

 

現在、人気のある色目は、

『濃い茶×薄茶』

『黒×墨』

『生成×ベージュ』

の三色で、途切れなく注文を頂いています。

 

 

モノを作っていて、自分の中である意味一番難しいのは、

柄の立ち位置探しみたいな所です。

 

自分の中のイメージなので、とても分かりにくいですが、

その一部として、例えば、

(柄の好き嫌いではなくて)背の小さい人には、

大柄は似合わないと言われることや、肌の色や髪の色で、

この帯が似合う似合わない、と判断されるようなことです。

 

これらはとても大事な事だと思うのですが、

この南蛮七宝は、そこから少し離れた処にあるような・・・、

真無地のように似たモノを持っている気がします。

 

まだまだ、その辺り『こうだ。』ということは言えるまで、

時間が掛かるかもしれませんが、様々やってみる価値はありそうです。

 

 

 

 

 

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2011年09月01日

数日は北海道に〜

 

しばらくは、北海道へ行っていました。

その間はモノづくりを小休止する予定でしたが、

周りの皆さんから、取っ掛かりのアイディアを頂いてきました。

(物凄くたくさんです。)

 

織りや素材、配色を考えると、『相当無理かも・・・』と思って、

しまいますが、京都へ帰ってきて、、それらを整理みると、

『やってみるか。』という気持ちになりました。

 

そういえば、まだまだ何も分かっていなかった頃に、

図案、綜絖、紋図の職人さんが言われていたことを

思い出しました。

 

それは、図案家は、心から『良い』と思う図案を書くべき。

『これ、織るの難しいかも?』と後の職人さんの仕事に気を遣うとか

『こっちの方が売れそう』と、今までの流れの継続仕事を

やりやすいようにしてしまうと、

小さくまとまり過ぎて、面白いものができなくなる。

 

それが繰り返されて、結局、毎年面白くなくなっていって、

同じようなモノばかりに・・・。

 

今月は、京都から出たり入ったりの多い月になりますが、

ちょこちょこと出てきますので、楽しみにしていて下さい。

 

 

その北海道では、目の前に帯や着物、小物が、

いつもよりも多くあったので、様々なコーディネートをしています。

 

例えば。

 

IMG_5943.jpg

伊藤若冲の世界×大島紬×純銀帯留め(千鳥、ト音記号)×カット硝子帯留め』

 

とか

 

IMG_5945.jpg

燦々(なごや帯)×仙福屋御召×モレッティ帯留め(金魚、ヒトデ)』

 

生成の地色の帯に、もう一方は明るいブルーのペイズリー柄。

対極のような帯ですが、そこに着物が入ったり、帯締めや帯留めが

入ると、優しくもなり、粋にもなり、意味有りげにも見えと、

周りの方々も頷きながら、面白いコーディネートを楽しんでいました。

 

2011年07月22日

こういう帯は好きですね〜。

 

自分で作っておいて、なんですが、ちょっとワケありの帯です。

 

IMG_5628.jpg

『でっかい雪輪』

 

理由は、色々とあるのですが、なごや帯で作っていた表地に

裏地を付けて『袋帯』にしてしまいました。。

 

柄の出方、結び心地などは全く問題ないのですが、

なごや帯を想定していた分、ちょっと不思議な気持ちです。

特に配色とかは、袋帯ではあまり無い色目だったりして、

とても面白いので、かなり自分的には気に入っています。

(糸使いも独特ですし・・・。)

 

そんなワケありの袋帯です。。

他にも、こんな柄があります。

 

IMG_5627.jpg

『渦しま』

 

IMG_5629.jpg

『紫ぺいずりー』

 

今日は、作りたくても、ある意味作れない超・レアな帯でした。。

 

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2011年07月19日

一歩目。。

 

祇園祭の巡行があり、会社も連休だったりと

 

IMG_5572.jpg

 

モノづくりの仕事自体が止まりそうになっていた、ここ数日です。

 

今日からは、再び会社も動き出して、社内にも帯の織上がりや、

見本で取った裂などが、上がって来ています。

 

この柄もその一つ。

 

IMG_5590.jpg

 

小さなロールケーキのようなものを敷き詰めています。

ちょっと朱系の色は、ジャム?

 

と、生地の試験を取るために作っていた柄が、改良を加える度に

柄になりそうです(最終は、もう一手間加えますが・・・)。

 

この帯の土台になっている織りで、作りたいモノは、

九寸のなごや帯です。ある程度思い描いていた形に近づき、

ほぼ行けるかな?というのが現状です。

 

かなり個性的なモノを色々と集めたいと思っていて、

今は、資料を集めて、柄を考えています。

 

他にも、シンプルにコーディネートしやすそうな柄も、

同時に上がっていて、

IMG_5577.jpg

 

こちらも最終の詰めをしながら、完成させていきたいです。

 

ちなみに、『作楽・九寸』と名前を付ける予定です。

 

様々な柄や色を作って、そこから、その人の好みに合わせて、

色々と結んでもらい、帯シリーズにして行きたいですね。

 

 

2011年06月28日

花・なごや

 

ほんのちょっとだけ関わった、『なごや帯』が上がってきました。

優しくて可愛い色目なので、今日周りの目を惹いた帯です。

 

IMGP5877.jpg

 

織りは皆さんご存知の『錦』で、定番中の定番だけあって、

とても安定した風合いと発色です。

 

柄自体は、復刻といっても良いほど前に織っていた柄を

アレンジしたもので、様々なモノを削ぎ落として、

極力シンプルに仕上げています。

(この方が新しい柄よりも手間が掛かりますが・・・)

 

今、製作している帯の中では、色の組み合わせや、

柄の感じは少ないので、注目を浴びそうな気がします!

 

明日は一本目の上がってきた『木花』の予定です。

 →この柄

 

2011年05月27日

久々のなごや帯。

 

新しく製作中なのは、こんな柄。

 

IMG_4947.jpg

『仙福屋:七宝(なごや帯)』

 

なごや帯。

七宝柄。

金糸銀糸入り。

 

と、こう書くとどこにでもありそうなものになりがちですが、

出来たものは、上(の左)のような配色の柄です。

 

七宝柄の円の部分が、細いクレヨンで縁取りしたような、

かすれ具合を僅かな箔で潰して、地や緯糸と馴染ましています。

縁に動きがみえるので、それが連なると、ドンドンと動きが出てきます。

 

最初は、右の目出し(試験織)のように、金銀で織ってみましたが、

同じ図案で配色だけがちがっただけなのに

不思議と、流れが留まってしまって、どこかで見た帯に・・・なってしまいます。

 

中に入っている色々tも、最初よりはわずかに濃くしましたが、

それでも、あまり主張しないような、ごく薄いグリーン色。

 

普通の七宝と比較するとよく分かりますが、やっぱり私の中でモノづくりは、

勢いに流されず、何か理由が感じられるものが好きですね〜。

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2010年11月19日

10’冬 美しいキモノ

今回の美しいキモノには・・・
『麹塵染』を掲載しています。

スクリーンショット(2010-11-19 15.07.jpg

今年の広告は、このようなイメージ重視でしたので、
実際の色目とは異なるところもあります。

今回の麹塵染もそのうちの一つですが、
今までとは、柄の趣も色目も大きく変わっていると思います。

例えば・・・

美しいキモノ06冬.jpg


美しいキモノ04秋・右.jpg


柄の変遷が分かります。

それでいて、
これらの柄は今でも人気のあるばかりです。

51+PtYFbNBL._SL500_AA300_.jpg
 →http://amzn.to/ann4NE

今回は、中になごや帯も載せています。
IMGP3375.jpg

他にも数本、記事内にも出ていますので、
ぜひ見てください。。

タグ:

2010年10月15日

シンプルに徹しました。

昨日宣言していた通り、今日は小物です。

たまに、なぜ小物の作っているのですか?
と聞かれることがあります。

聞かれ方やタイミングにもよりますが、
基本的には、『好きなので・・・』
と答えることが多いです。

どこかで書いていたような気もしますが、
帯や着物は形が決まった中で、あるいはなごや帯、半巾など
数種類の
形の中で、最大限自己表現するもので、
小物に関しては、外枠の形を作っていくもの。
と全く異なったモノづくりだと、
自分では思っています。

ですので、『こういうモノが作りたいよなぁ』
と小物のことを考えていても、
頭の使う部分が違うような気がして、
いい刺激になります。


それで、今回上がってきたのは、
バッグです。

IMGP3711.jpg
名前は、仙福屋の『仙』を取って、
今のところ、『仙トートと呼んでいます。


とにかく、バッグは草履とは比べ物にならないほど、
色んな意見を頂けます。

できるだけ取り入れて製作したものもありますが、
今回は思い切って、色々なものを捨てて、
シンプルに徹したものです。

A4サイズのものが入る。
軽い。
薄くてもバッグ自体で立つことができる。

IMGP3715.jpg
これだけに目を向けて作ったものです。


まだ、極一部の人だけに実物を見てもらいましたが、
シンプルで、荷物を沢山持つときにサブで使える。。
などなど、評判は上々です。

完成して、実物を初めて見たとき、
人に見せた時は、久々にドキドキしていました。

2010年10月07日

『しまうまのしま』

可愛いなごや帯を作って?。と知り合いから言われて
製作したなごや帯です(依頼主は小売屋さん)。

IMG_2628.jpg

『宣伝もよろしくお願いします?。』とも言われていたので、
twitter等で呟いてみました。
?→http://twitter.com/senpukuya5/

今日、本当は紗の実験について、書こうと思っていましたが、
皆さんの評判がとても良かったので、急遽登場です。

図案の段階でとても気に入ったので、『裏地にも使おうかな?』
と思い、一応依頼主に聞くと、『全然構わない。』という返事も
もらいましたので(まだその時は柄を見せてませんが・・・)、
いい表の裏地に付けるかもしれません。

完全に趣味の世界の柄で、好きな人には
とても好きになってもらえると思います。

ちなみに、最初にきた依頼を箇条書きにすると・・・
①なごや帯
②かわいい系
③ブルー系
④動物だけど生々しくない
⑤世間になさそうな柄
⑥大柄じゃない
⑦値段も控えめ
⑧できれば、名前も考えて

と、十分に八つの条件は、満たしていると思いますが、
いかがでしょうか?

こんな依頼はめったに来ないのですが、
この帯は、『自分的に結ばれた所をとても見たい!』と思う
帯の一本になりました。


名前も、『しまうまとしま』と悩んでいました。

2010年09月16日

たまには、伝える仕事も・・・

恒例の『美しいキモノ』掲載。
打ち合わせがほぼ最終段階で、ほぼ終了です。

後は、最後の大きなハードル。
色合わせだけです。

それを皮切りに、今週末出張する際に使う資料や
なごや帯の説明文を作ったりと、紙に向かう時間が多い日です。

帯を作ってた方が、自分の性に合っているとは、
思いますが、これはこれとして、じっくり頑張っています。


この日記もそうなんですが、見たものとか、イメージをこう伝えたい!
とおもって、文章にというのは、難しいなぁと・・・。
いつも思います。

雑誌の色目も、『もうちょっと明るく』とかはまだマシでも、
『ここをもう少し、優しく』とか、『パッとしないなぁ』
というのでは、目的にたどり着きにくいです。
(しかも、多用しますし・・・)


先ほどは別件で、帯について、こんなことがありました。
こんな質問です。

『この帯の良さを教えてください。』

教えるものじゃ無いと思いましたが、
・・・一瞬、考え込んでしまいました。

R0012675.jpg

自分が関わった帯で、この帯を結ばれたシーンを想像するのが、
ワクワクする帯の一本ですので、帯については話できますが、
(織や配色とかの気を使った所)

いざ、この良さというと・・・。。。
なかな書いたり、言葉で伝えるのは、難しい所です。。

他にも、電話越しに『柄』を口で伝えるのも難しいですね。
『ほら、あの柄、なんやったけ。』
とすぐになってしまいます。

今日は、そんなことが立て続けに起こる、えらくもどかしい
日になりました。。

2010年08月28日

めーいっぱいの白さ。

今日は土曜日。
西陣は静かです。

今日も新しい小物が上がってきたり、
わくわくするようなモノ(私物)も出来てきたり、
と静かなわりに盛り上がりのある日でした。


それらは後日登場する予定ですが、
今タイトルにもあるように、『めーいっぱい白く』
ということを考えてモノ作りしようと思っています。

ただし、生糸は天然のモノなので、白くすると漂白したみたいな
不自然な色になりますし、そのまま使っても、産地によりますが、
ちょっと生成り色にが入ります。

また、織物ということで緯糸と経糸との関係でも色が影響を
受けますし、さらに織物が実際に白く織れても、人の目に白く映らない
それは『白い』と言えるか、とても微妙な問題です。
(ちょっとブルー掛かった方が白く見えたりすることもありますし。。)

さらにさらに、今それをやろうとしている織物は、
かなり色んな所の影響を受けて、なんとなくですが、
周りの空気の色までも微妙に反映してしまうモノです。
(やっぱり今は燦々シリーズです。。)

そんな『めーいっぱいの白さ』ということを考える
キッカケをくれたのは、この帯
です。

IMG_1258.jpg
『燦々:なごや帯』

次に柄を作るときは、『とことん白さが際立つ』
ような柄・色を予定しています。

取り掛かっている柄が、次へ繋がることは良くあることですが、
『色からのスタート』で、それだけをキッカケにモノを作ることは、
ほとんどないので、どのように進むのか、本人もわかっていません。
(とても楽しみです。)


さてさて、そんなことを今から悩んできます。。
IMG_1240.jpg

2010年08月18日

ほんのちょっと振り返る

燦々』シリーズを作りはじめた時に、下のようなことを書いていました。
 →http://senpukuya5.seesaa.net/article/159110780.html

日記にアップしようか、どうか考えて、
結局、もう少し帯が形になってから、と延期した記事です。

数ヶ月前のものなんですが、読んでいると
遥か前のような気がするのと、この時にイメージしてきた
モノづくり道の上を進んでいるようで、ちょっと安心しました。

今作っている『なごや帯』、久しぶりにとなみ織物では
復活させましたので、気が入っています。

何種類かの織物で織っている最中なのですが、
今までの織物や、今までの延長の柄は、他スタッフに任せて、

現在、行なっているのは・・・
1、今ある柄をアレンジして、
新しい織りで織るか、
2、
全くなさそうな柄を今までの織りで織るか、
3、
柄も、織りも全然違うか。
というのを頭に置いて行なっています。

なごや帯に関しては、復活させるというのが
頭にありますので、自分のたち位置は、上のようなモノづくりになっています。


イイと言われる帯には要素があり、それは何度も書いている
『色、柄、組織』というものです。

もうそこら中に染み付いているので、それはそれとして、
一部だけ透ける織物ってどうでしょう?
という織物を作ってみました。

IMG_0726.jpg

『面白そう』という所から始まって、作ってみると、
今までよりも、立体的に奥行きが織物に付けられるので、
その分、表現方法が広がった気がします。

まだまだ、未知の部分が多く配色が決まらないのが、
かなりのクセモノになっていますが、先に挙げたようなメリットも
あって、なかなか今作るなごや帯に最適な織物です。

紋を作る時には、いつもよりも立体像を意識して、
のモノづくりになっていますので、慣れるまでは、
毎日夕方になると頭が疲れています。

と・・・

今でも、この織りに関してはまだまだ慣れていませんし、
なかなか思い通り進度では行けませんが、出来上がったものには、
満足できるようになってきました。(色はよく外しています。)

秋の発表に向けて、ゆっくりでは、
間に合いませんが、まずは確実に進むように、
やっていきたいシリーズです。

楽しみしていてください?。

2010年08月11日

力を入れている織物。 なごや帯で。。

『燦々(さんさん)』
 →http://senpukuya5.seesaa.net/article/157205791.html

新しい織物ということで、特に力を入れて、
柄づくりしています。

最初の一柄目はペイズリーの柄でした。
上げ方とか、色の出方を見るために、ブルー系、グレー系、
紫系などなど、様々試験織りを取って、織りあがりの感触を
確かめていきます。

織物自体が不思議な感じで、同じ系統の色糸を使っても、
全く感じが変わります(ボカシ加減や質感まで変化)。
IMG_0998.jpg
どっちがよりイイか悩みました。。

なかなか全体像を掴みにくい、織物ですが、
糸そのものの色と、織った時の雰囲気のギャップが
とても魅力的に感じています。


この織物で、最初に行った試し結びの写真を撮りましたので、

紹介しておきます。
IMG_0972.jpg

織り上がりたてで畳の上に置いた色目と、
お太鼓にして立てた時の色目とが、変わり、
奥行きが出てきますので、この辺りも考えつつ、
紋づくり、配色をする必要があります。

IMG_0973.jpg
角度によって、ブルーの部分が浮いたり沈んだり。

明日から会社は休みですので、休み中に色んな柄に当たって
いきたいと思います。


日記は色々と書く事があると思いますので、
よろしくお願いします?。

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