となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「夢二」と一致するもの

2015年04月27日

帯屋とは違ったモノ作り全体へのこだわりも増えてきました。

 

新潟2日目。
今日はあまり写真を撮る余裕がなかったので、この一枚。

IMG_5173.jpg


今日着ていた製作途中の襦袢です。
初登場で、初めて袖を通しました。

 

まだまだ製品には程遠く、試験織に毛が生えたモノです。
本来だったら10cm程度の目出しを織って、今後どういう素材(糸種)で筬の打ち込みは?
柄は?などと検討する段階です。

が今回は少し無理を言って、襦袢一枚分織った生地を仕立てしています。

 

今まで通りの染めの襦袢(後染め)も、もちろん良いのですが、
織屋として、しっくり来るのは先染めの織襦袢。

雪佳や若冲、夢二等の織襦袢があったら、かなり素敵だ。。。
そんな妄想も先立ったモノ作りです(笑)。

 

途中で止まっている原因の一つは柄の長さ(紋丈)をどうするか?。
長くなればそれだけ襦袢らしからぬ、膨大なコストが掛かってしまいます。
 ←とは言っても、そこまで大きな問題ではなくて、踏ん切りの問題です。

 

二つ目は大きな問題。
生地の風合いや着心地、着物を上から着たときの裾さばき等々。
その原料面。

いくら生地としてモノが良くても、着る姿と着た心地が良くないと問題です。
 ←着てもっさりした。そんなのはもってのほか。

 

今日着た限り、先染めの新しい襦袢として、かなり有望ですので、
明日も引き続き、この襦袢を敢えて着崩してみたり、無理な圧を掛けてみたりと、
生地が沿わなさそうな着物と合わせてみたり。実験は繰り返したいと考えています。

 

もう一つ大きな秘密もありますが、それは完成まで取っておきます。
そのための糸や生地の風に対するこだわりに時間を掛けていますので・・・

 

楽しみにしていてください!

2015年03月25日

視点を変えるキッカケ。

 

 

意匠は夢二モチーフ。

間の取り方、配色、織組織を作楽なりアレンジ製作した袋帯。

 

5fca45ffdf03c9edd7d08caea983e25d.jpg
作楽』袋帯

 

帯は、①目出しなどの短い試験織、②帯一本として見る完成段階、③撞木に陳列して見る
④そして結ぶ。

同じ意匠の帯でも、多くのパターンで表情を捉えることができます。

 

 

作り手が全てを把握している、そんなイメージもあるかもしれませんが、
図案から何から何まで作っても、自分たちが把握できるのは、3つ目の陳列まで。

 

4つ目の結ばれた『帯』は、お客さんに教わることが、本当に多いです。

 

その帯を好きになって購入された方の結び方を見ると、作る際に、完成→着姿を入念にイメージはしていても、
着物のコーディネートから合わせる帯締めや帯揚げ、お太鼓の大きさ、全てから学ぶことができます。

 

最近は出張へ行くことが少なくなったので、大事にしたいです。

 

 

他にも、自分で作った帯が小物になった時。

本来着姿をイメージして製作したものが、また違う人の手を経て、帯とは違った形で表現されると
これも帯を見る視点が変わり、学ぶ所は多くあります。

 

 

IMG_4434.jpg
『ダテ型バッグ』

 

たとえば、このバッグ。

お太鼓(一番上の着姿)では通常右側が重くなります(ちょうど写真が切れている部分)。

 

そこに注力して柄を置いていきますが、
下のバッグでは反対に柄がない部分に視点を置いています。

 

自分で製作したものが、帯職人とは違った職人の手が入り、裁断・縫製、
そして最終の形が変わる。


どんな僅かな部分でも、雑に作られてしまうと、本当に腹が立ち、悲しくなりますが、
どこからどう見ても、帯地へ敬意を払って頂き、丁寧に一つずつ作られた。

 

モノからそんな気持ちを感じた時は、本当に嬉しいです。

最近、学ばせてもらっています。

2013年10月05日

花火か綿毛か。

 

総紗縫・黒を生かして、思いっきてお太鼓柄にしてみました(今はまだ目出しです)。

柄は、黒を感じられるようにタンポポの綿毛が飛んでいる所。
(元は詩情 夢二より)

 

DSC00051.jpg

『総紗縫・黒/たんぽぽ』

 

季節を言われそうですが、頭のなかには線香花火をイメージしながら制作していました。
(そうなると、もしかして夏かな・・・?)

帯的には、黒の経糸に黒箔で遠くに飛んだ綿毛(もしくは花火の花)を作って、
近くの部分には、わずかにベージュが混ざった白。さらに近くには、暗い所で光る蓄光の糸を混ぜました。

今織り上がっている総紗縫の帯からすると、圧倒的にシンプル過ぎて、
目立つかもしれませんが、両面使える総紗縫からすると、片方はこの柄でもイイ!
と言って頂ける人、いるんじゃないかな?と期待しています。

見た目非常にシンプルでも、個人的にはとても満足度の高い上がりになったと思います。
もうそろそろ、一本目は上がってくると思いますので、もし見られた方、じっくりと見てくださいね。

心配は、結構地が空いている部分が多いので、経糸に無理がかかり、織りにくそうなこと。
一本織って、終了。という自体にならないように、まず後は祈るだけです。

2013年09月12日

『黒』で

 

総紗縫の中で、少しだけ新しいモノづくりを進めているのが、
総紗縫・黒』。『くろ』と言う人もいれば『ブラック』という人も。

そんな帯は、帯に織り込んでいる『箔』が特長で、『黒い箔』を使います。
その辺りは、以前の記事で書いていますので、ぜひ興味のある方はコチラへ

IMGP0475.jpg

『総紗縫・黒/丸い月』

 

織る方からすると、余分に一色掛けないと、通常の総紗縫の表現力に負けるので、
その分、手間と頭を使いますが、織り上がった帯は、他の総紗縫に混ざっても、
目立ちます。

 

今、図案を製作しているものは、『詩情 夢二』シリーズで、こんな図案を作っています。
IMG_1700.jpg

 

もう随分と前から製作に掛かっていて、もう少しで紋も完成⇒試し織りとなりますが、
黒の無地スペースの使い方で、大きく印象の変わる帯ができると思います。

これは完成したら、ぜひ見てもらいますね。

 

一番最近の上がってきた『黒』は、こんな柄。

L1710032.jpg

 

これは縦に並べた白が図案を見た段階から、頭に残っていました。
これを表現したくて、白を綴る糸を僅かに粗く、地色はグレーでなく、黒を使い表現しています。

 

総紗縫の表現が一つ広がった『黒』です。

 

『白』というのにも、挑戦したのですが、全てが白くなりすぎて、上に乗せる柄が困難です。
それも今のところですので、ボチボチと試行錯誤しながら、いいアイディアが上から落ちてくるまで、
気長に試行錯誤を続けていきたいと思います。

 

 

 

 


 

2013年02月23日

随分と離れていますが・・・。

 

ちょっと間が空きました。

今のところ、モノづくりと数字面挟まれています。

 

こういう時に動かすモノづくりは、今までのを切り替えたもの。です。

http://www.kyo-tonami.com/godaime/2013/02/post-1829.html

 

先日もこの棚卸しの時に書いていましたが(状況は今と似ています)、

お太鼓のモノづくりをしています。

 

その一部ですが、上がってきています。

 

IMG_2572.jpg

宵待草作楽』 写真はお腹部分

 

柄は夢二からです。

 

地と上の柄とが影響しあう地紋を新しく作りましたので、馴染むというか、

染み込んだようにみえる上がりになります。

 

お腹がこんな感じですので、お太鼓も当然この流れです。

 

特殊な柄になると思いますが、100人中一人、『凄く心のなかに入った』

と言われれば、満足です。

 

となみ織物の主流のモノづくりとは、随分と離れたところにはある、

モノづくりです。

 

 

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2013年01月07日

今年の一柄目は

 

まだ、微修正を行なっていますが、この柄が一本目です。

 

IMG_2031.jpg

作楽/宵待草』

 

年末、相当の時間を費やして、作っていた地紋(和紙地紋)でこの日記にも

何度か登場していましたが、やはり配色上、とても難しいので、

まだ最後まで決めきれていない状態です。

 

一番右の緑のような灰掛かった色目は、実験なので、この煉瓦色とはまた

別ですが、それ以外は、目出しを取ったり、一本で眺めたりして、

色を決める最終段階です。

 

今年はこの地紋に力を入れていきたいので、早いこと紋を作る感覚を掴みたいと

思っていますが、まだまだまだまだです。

 

この後にも、お太鼓柄で『詩情 夢二』として作ろうとしていたものを、

この和紙地紋用にして、製作したものが待機しています。

かなり個性的なものばかり上がってくると思いますので、

楽しみにしていてください。

 

ちなみに、

『作楽/宵待草』というのも『夢二』モチーフに基づいたネーミングです。

 

今年も、試行錯誤しながらモノづくりを紹介していきますね〜。

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2012年10月05日

夢二NO2

 

となみ織物では、『詩情夢二』として様々な柄を織ってきました。

 

美しいキモノ09春号−1.jpg

『美しいキモノ掲載/詩情夢二』

 

これらはとなみ織物の中でも個性的な柄揃いで、発表してからも

時間が経ちましたが、いまだにコアな人気があります。

 

その当初の選から漏れたモノ(というよりも私好み)の柄を

図案化して、帯にしようと思っています。

 

織も様々なバリエーションを作るのではなくて、

紹巴織のみでさらに少しテイストを変えて現在製作しています。

 

IMG_0204.jpg

『(夢二モチーフ)』

 

たとえば、こういう感じの目出しを取りましたが、

今までと少し違う匂いが漂っていませんか?

 

まだ目出し段階なので、帯の名前等は決まっていませんが、

おそらく新しいシリーズに入っていくと思います。

 

他にも紹巴織のイヤなクセを付いたお太鼓柄の帯など、

まだ図案途中のものですが、現在製作中なので、また紹介します。

 

写真の帯は一応イチョウなのですが、イチョウのつもりで作っていないので、

イチョウらしくない、イチョウと気付かれない上がりにしたいと思います。

 

 

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2012年09月25日

少ない糸数で、緻密に。

 

今、紹巴織で新しいシリーズを製作しています。

その道をちょっと逸れて、寄り道して目出しだけを織ったのが、

この『Celtic(ケルティック)』シリーズの帯(になる予定)。

 

L1000956.jpg

『Celtic/世界樹』

 

元々のモチーフは世界樹。

 

あまり余分なものを足さず、かなり少ない糸数を最大限、

使い切った、色数はシンプルだけれども、『意匠図』の部分で、

こねくり回して、作りました。

 

L1000962.jpg

 

本来、3本の糸を入れるところに、3本の糸を2つに割って(設計の段階で)、

6本にして、それぞれに色を持たせて(僅かに変化させる)、

重さ薄さは変わらずに色をぼかしています。

 

図案、意匠図、配色の段階、それぞれが今までとは違う手法で作っているので、

時間は掛かりますが、シンプルかつ重厚な緻密さを持ったものができます。

 

特に、立てると(結ぶと)さらに面白さが出てくる(はず)。

 

 

まだ、この帯は完成していませんが、この技法を活かして、

上にシンプルなちょっと哀愁ただよう柄を乗せてみようかな?

と、絵を作成中です。

 

折角の夢二シリーズがありますので、それをモチーフにして、

何かできそうなのですが・・・

 

 

 

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2012年08月25日

モノづくりを残さないように・・・。

 

土曜日の今日はとても静かな一日だったはずですが、

来週の前半から出張へ行きますので、その準備と、

やり切っておかないと帰って来てから大変なことになりそうな

モノづくりの詰めを行なっています。

 

一つは昨日に続き、しぼ織ですが、

少しPOPな配色を作ってみた試験織りです。

 

IMG_6777.jpg

 

もちろん、これが一本の帯ではなくて、3色織り分けた目出しです。

どの色取って、それで帯一本織っても、今まであまり触っていない色目を

使ったものですので、新鮮さは充分にありそうです。

 

おそらく、帯留めを合わせた真ん中。

の色目が最有力候補です。。。

 

IMG_6779.jpg

 

 

そして、この帯留めは夏らしいといえば、夏らしいのですが、

透明な硝子のいびつな屈折感とブルーとのバランスが好みで、

柄の少し混んだものに合わせて使えば、すっきり感が演出できて、

長い季節使っていけそうです。

 

たまに配色の際に、こうやって小物を上に乗せることがありますが、

何十回に一回かは、その小物の色がパチっとハマって、帯の中の色を

変えることもあります。

 

と、この配色が上手く決まれば、

今考えている新しい織物の柄を考えようと思っています。

 

久々に、夢二辺りから上手くシンプルなモノを作れれば、

と思っていますので、それは出張に持っていて、

移動中に穴があくまで、見ていたいと思います。

 

 

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2012年06月08日

ちょっとレアな総紗縫(名古屋帯)

 

ただいま、総紗縫を使い、帯地の『裏』を製作しています。

 例えば⇒この裏

とっても贅沢なのですが、結ぶと具合が良いので使っています。

 

今製作しているものは、一度織り上げて、上から染をかけています。

織り上げるときにも、無地ではなくて柄を織り、色を入れているので、

普通の帯と変わるところはありませんし、実際そのまま結べます。

 

その生地を出してこようと、何本か持って来ると、

そのうちの2本、上から染を掛けると困ってしまう帯が出てきました。

 

あまり紹介していないので、ちょっとレアな総紗縫です。

 

IMGP8059.jpg

『総紗縫名古屋帯/サイコロ』

 

IMGP8061.jpg

『総紗縫名古屋帯/夢二かまきり』

 

生産自体あまり行なっていないモノなので、自分でも久々に見た帯です。

 

総紗縫は今までも、袋帯や、名古屋帯、半巾、小袋、裏地、など帯だけでも、

かなり製作してきました。

 

これほどの幅を持った、こんな織物は他にはありませんし、

本当に頭が上がりません。。。

 

大事にしたいと思います。

 

2011年06月20日

蛍・・・

 

昨日の晩、京都市内を車で走ることがあったので、

ちょっと寄り道をしてきました(京都市内のど真ん中)。

 

この時期になると、『蛍見たいな〜』となって、

思い立ったら、行く場所があります。

 

京都で言うと哲学の道や上賀茂神社のように、

あたり一面、何十匹も飛んでいるのではなくて、

ホントに僅か、ポツンポツン。

飛んだら、その一匹をずっと追いかけたくなるくらいの

数匹ですが、見に来る人も少ない分、トクをした気持ちになりました。

 

IMG_5090.jpg

手の中に飛び込んできた、貴重な一匹です。

 

帯や小物でも『夢二』シリーズで製作している、蛍があります。

こちらは、光を蓄える糸を織り込んでいますので、

しかも、あたり一面に蛍の光が広がる方です。

 

IMGP5828.jpg

 

帯の場合は、一匹よりも、こちらの方が良いかな?

 

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2011年01月05日

今日も・・・


今日は新年の挨拶回りを受ける日です。

まだ、本格的には動き出さないので・・・

今日も周りの着物姿を・・・
IMGP4207.jpg
『神坂雪佳の世界』

IMGP4210.jpg
『千寿:桜に輪』


IMGP4211.jpg
『詩情夢二』


IMGP4216.jpg
『金銀花』

個性的なものが集まったので、
見る方の好き好きが出てきそうですね。

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2010年09月17日

鋭利実験中。。

ちょっとの間、この帯地を織っていた機が、

IMGP3243.jpg

http://senpukuya5.seesaa.net/article/160740507.html

他のものを織っていましたので、その際ついでに
実験しています。

IMG_2261.jpg

何の試験か?というと・・・

まず、結ぶ人の視点から見ると、
帯が完成したとして、それがどんな色か?
という所に興味を持たれると思います。

この帯の場合、裏糸が大きな影響を持つので、
どこまでの色の糸を通したら、地色が汚くなるか?
というのが、最大の問題です(幅の問題)。

簡単にいえば、『極端にしてみる。』という試験です。

結果としては、一番上の写真の帯と見比べてもらうと、
下は地の色目がくすんで見えると思います。

このままでも、『帯』としては問題ないので、
このまま完成品でも構いませんが、それよりも、
もうちょっと工夫すれば、何か面白くならないか?
ということを考えて(良いアイディアがありました。)、
一捻り、二捻りしたい、と思っています。

黒配色にして見ると、パックマンみたいです(あれは黄色ですが・・・)が、
地色もちょっとくすんで、他にも色々問題発生中です。

でも、こういう柄には愛着が湧くんですよね?。
みなさん、好きなかな?


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2010年08月27日

最近の夢二事情(私の)。

お盆/真夏モードもほんの少し薄れ、
段々と、忙しくなってきました。

IMG_1238.jpg
とは言っても、会社の近所はこんな感じです。
頭が詰まると、散歩するのには、とても気持ち良いです。

最近行なっているいくつかのモノづくりの一つ。

『詩情 夢二』があります。
久しぶりに、ここに関わったので、気持ちが新鮮で新しいものが
形になりそうです。

『詩情 夢二』というと以前は、総紗縫を中心に蛍とか、文字列帯『てけれっつのぱ』、
タンポポ等々、最初は『個性的すぎると思うよ。』といわれるモノを作っていました。
 →以前を振り返ると・・・

最近では、そういうものも人気が出て、結構定番になってしまった・・・
という状態です。

そんなこともあって、また違う角度から、柄を再構成し直しています。
テーマは、『ちょっと余裕な空気が漂うもの』という、
自分でも掴み所のないものです。

一柄ずつ出来上がってくると、『確かに、なんとなくそんな感じがする・・・』
と言ってもらえそうな自信はあるのですが、まず上がってきたのが下の写真。

あまり使わないような色目を染めて、微妙な配色と織(少し空けて)とで、
ユラユラと揺れていそうな空気感を出してみました。
IMGP3243.jpg

こんな感じでモノづくりの図案作りを進めています。。

こういう感じが好きな方、楽しみにしていてください。

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2010年08月17日

最近の夢二事情

っっs

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2009年12月28日

今日が今年最後の出勤です。

あっという間の一年でした。
今年もモノづくりをしていた、年でした。

年中、やっていることなので、
多少の進歩はあるのかなぁ?と思います。

また来年もこのペースでコツコツと
進めていきますので、よろしくお願いします。

モノづくりの他は、
個人的に進めていること、したいこと、
沢山あります。

この辺りはドンドン変わっていくと思います。
何をするかは・・・、それはまたおいおい。


ブログ1228.jpg

この写真。
モノづくり新入社員のヨリヨリの様子です。

毎年、数名の新人さんが入ってきますが、
この写真に写っている『染め上げたばかりの糸』を
小さな束にしていく仕事(ヨリヨリ)です。

糸を捩って、束ねるだけなのですが、
それだけでも手つきが危ういです。

さっと出来るようになったら、
動画でもUPしたいと思っています。

ちょっとしたことですが、
成長を楽しみにしておいてください。

それと、ギリギリ今年中に
取りかかれた図案です。
ブログ1228-2.jpg

紋⇨完成二関しては、
来年に持ち越してですが、
この辺りの八寸にしようか?等
もう少し休みのうちに、
練り上げて進めたいと思います。


文字をイメージにした、柄というと
最近では、『ケルティック』シリーズ。
IMG_1031.JPG

ちょっと前では、
詩情 夢二』シリーズ。
夢二字の帯02.jpg

と、今回のも含めて、
『文字の柄は、あんまり良くないのでは・・・』
と社内的には、言われます。
(慣れてますが・・・)

この上の二柄に関しても、
100人中5人の方からは『好き』と
言ってもらえませんが、
5人くらいの人からは絶賛されています。
(もっと少ないかもしれませんが・・・)

自分的にも、『この柄!』
と言って選んでもらえる帯づくりが
一つの目標でもあるので、
90人の人には申し訳ありませんが・・・、
また作っています。

もちろん、似たモノを作っても、
並べても面白くないですし、
自分でも満足できないので、
上のような形の図案になっています。

是非、出来上がりを楽しみにしていて
下さい!

来年は、多分、
ここからスタートです。


今日は忘年会です。

明日から、休み!と言っても、
この間に残り溜まった仕事と、
図案の整理をしているうちに、
終わってしまいそうですね~。

この日記も今年もう少し更新できれば、
更新していきます。

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2009年11月27日

『木田安彦の世界』

無数にある、となみ帯の中には、
古典柄からシンプルな幾何学柄、
かなり個性的な柄等々、様々あります。

その中で、人間国宝の作品を意匠としたものなど、
帯を目的に作られていないモノ

(図案として描かれたものでないもの)をモチーフに
製作した帯は、他とは違った存在感を持っています。

ただ、帯にするまでの段階で、相当考えます。
『そのまま使えるし、楽そう。』と言われることも
ありますが・・・、全然そんなことはないです。。。

まず構図がそのままで使えたとしても、
ピタッとくる大きさを決めるだけでも、
微調整に相当の時間がかかります。

上手くクリアしても、必ず問題になるのが、
表現の部分です。

織物ですので、普通に考えても、
色数は大きな問題です。

また、その絵の味を表現する際にも、
作者の意図・表現自体も考えて、進めないと
織物として『何となく気が抜けた』ような帯になります。
これは、完成しないと分からないこともありますし、
すぐに気が付くこともありますし、とにかく気が抜けません。

そんなこんなしながら、すべてクリアして完成した帯は、
やはり愛着がありますし、並べても個性が際立ちます。

例えば、『若冲』の亀図、蟹図、涅槃図、鸚鵡図等々
662282943943577566699541397412730d1.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105057657.html


雪佳』の金魚玉
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 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/97441850.html


詩情夢二』より、カマキリ

080617_1211~0001.jpg
http://senpukuya5.seesaa.net/article/100822713.html

となみ織物の中には、そんな柄達が相当数あります。
それらは、全部大好きな柄です。


もう一つ、
今回京都文化博物館で行われているのが、

『木田安彦の世界』

20091126_170856.jpg

帯も、一度紹介しましたが、
とにかく圧倒的な存在感です。

kida120080821174726349.jpgkida220080821174730831.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105158564.html


博物館では、木田先生の作品を見てもらいつつ
帯も見て頂けるので、ちょっと普段できな体験ができます。

もし、京都来られることがあれば、
是非足を運んでもらえれば・・・と思います。
(帯の陳列は期間限定です。)

明日この帯を製作した時の紋屋さんと
一緒に行く予定なので、詳しくは報告をします~。



61Q4mInxEQL._SL500_AA240_.jpg
木田安彦 木版画集 西国三十三所

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2009年11月27日

『木田安彦の世界』

無数にある、となみ帯の中には、
古典柄からシンプルな幾何学柄、
かなり個性的な柄等々、様々あります。

その中で、人間国宝の作品を意匠としたものなど、
帯を目的に作られていないモノ

(図案として描かれたものでないもの)をモチーフに
製作した帯は、他とは違った存在感を持っています。

ただ、帯にするまでの段階で、相当考えます。
『そのまま使えるし、楽そう。』と言われることも
ありますが・・・、全然そんなことはないです。。。

まず構図がそのままで使えたとしても、
ピタッとくる大きさを決めるだけでも、
微調整に相当の時間がかかります。

上手くクリアしても、必ず問題になるのが、
表現の部分です。

織物ですので、普通に考えても、
色数は大きな問題です。

また、その絵の味を表現する際にも、
作者の意図・表現自体も考えて、進めないと
織物として『何となく気が抜けた』ような帯になります。
これは、完成しないと分からないこともありますし、
すぐに気が付くこともありますし、とにかく気が抜けません。

そんなこんなしながら、すべてクリアして完成した帯は、
やはり愛着がありますし、並べても個性が際立ちます。

例えば、『若冲』の亀図、蟹図、涅槃図、鸚鵡図等々
662282943943577566699541397412730d1.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105057657.html


雪佳』の金魚玉
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 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/97441850.html


詩情夢二』より、カマキリ

080617_1211~0001.jpg
http://senpukuya5.seesaa.net/article/100822713.html

となみ織物の中には、そんな柄達が相当数あります。
それらは、全部大好きな柄です。


もう一つ、
今回京都文化博物館で行われているのが、

『木田安彦の世界』

20091126_170856.jpg

帯も、一度紹介しましたが、
とにかく圧倒的な存在感です。

kida120080821174726349.jpgkida220080821174730831.jpg
 ⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105158564.html


博物館では、木田先生の作品を見てもらいつつ
帯も見て頂けるので、ちょっと普段できな体験ができます。

もし、京都来られることがあれば、
是非足を運んでもらえれば・・・と思います。
(帯の陳列は期間限定です。)

明日この帯を製作した時の紋屋さんと
一緒に行く予定なので、詳しくは報告をします~。



61Q4mInxEQL._SL500_AA240_.jpg
木田安彦 木版画集 西国三十三所

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2009年02月20日

京都の下(しも)と美しいキモノ

昨日は一日、京都を回っていました。

いつも回る比較的北の北区、中京区、ではなくて、

下京区、伏見区の辺りです。

 

異業種の方と多く話す機会がありましたので、

モノづくりの話を中心にどっぷりと浸っていました。

 

『早速、あの帯地を使って、作りたいな。。。』

という話も頂いたくこともあり、現在のところ製作は可能かどうかは別として、

とてもいい刺激を受けて帰ってきました。

 

帰ってくると机の上にあった

二月二十日に発売の 『美しいきもの・09’春』がありました。

 

美しいきもの 09'春

 

再び『詩情 夢二』の登場です。 少し個性的な柄が多く載せてみました。

 

美しいキモノ09春号.jpg

  評判はこれからですが、 私的には、好きな柄ばかりです。

(カマキリにカモメ。)

 

サロン誌『百樂』はまたご紹介しますね~。

 

 

 

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2008年09月30日

9月も終わりです。

今日は、帯に関わらないかな?
と思っていた矢先に、帯が上がってきました。

記念すべき?
H20年の9月最後に誕生した帯です。
夢二
紗の中では、かなり個性的です。

表にというよりも、裏地にこの柄を持って来て、
いざ!という時に、結んでもらいたい帯です。

両面選べる帯だからこそできる、遊びです。。

次に上がってくる帯も、なかなかクセ物なので、
しばらく、織り上がりが楽しみです。

この帯で9月は終わりになりそうです。
明日から、衣更えです。

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今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

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