となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「奄美」と一致するもの

2016年10月13日

奄美大島で大島紬のモノづくり

奄美へ3日間行ってきました。
研修とモノづくりとお客さん案内、その他諸々と多目的で非常に濃い時間を過ごしたので、
今日は少し抜け殻気味で、京都にいます(笑)。


奄美で大島紬のモノづくりを見るというと、
実際にモノを作っていない観光用としての場所が多い中、

今回はお客さんも含めて実際の、生現場へ入り込みました。
(横で実際の製品作りをされている最中を、ちょっとすみません、と)
ので、わかりやすくモノづくりを理解というよりは、そんなのが今回は
分からなくても、とにかく空気感を感じる、そんな研修内容となりました。

泥染め

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織りの現場

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糸染め

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何とかお願いしたら入れるかもしれない場所と、
どんだけ頼んでも絶対に無理な企業秘密の場所(これはうちの反物を織っているところ)です。

奄美へは今年だけで3回、通算で20回近いかな?くらい行きましたが、いつ行っても、
新しい刺激をもらえますし、京都帰って、またモノづくりがんばろうー、そんな気をもらうことも
できます。今日はちょっとだけ抜け殻気味ですが、少し経ったら(苦笑)、今回の着物に関連した
帯のモノづくりをしていきたいと思っています。

がんばります〜。

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2016年09月12日

準備月に突入。

先週初め、今週末、来週末、来月初め、と何やかんやと、イベントごとが続いていきます。 そのため、準備のバタバタで、気だけが急いています。


先週は、京都の白沙村荘で、トークショーでした。

前日搬入、当日の商品搬入陳列、本番、そして撤収と、何か考える間もなく、あっという間に終わりました(笑)。慣れないことに気は使いましたが(苦笑)、皆さんの帯への反応が楽しかったです。

ここから始まって・・・。


そして来週が東京で『きものサローネ』。右も左も分からん状態での初出場。未だによく分かってません(苦笑)。『ちょっとも知らんの?』『イメージぐらいはあるやろ?』等々と周りの方々に何回言われたことか・・・(笑)

分からんなりに、スタッフと一緒にショールームで、練習展示してみたり・・・。と涙ぐましい努力はしています(笑)。ここで見せたいモノが本当に沢山あります。が、スペースは相当限られたものですので、いつもの様な大量の持ち込みは止めておこう・・・。でも・・・。そんな感じの準備中です。

また、ここではトークショーと同く、となみ帯については一からの説明になることが多い(ほとんど全部?)と思いますので、極力見て、触って感じてもらえるものを中心にと考えています(予定は唐長文様『南蛮七宝』と『CandyCircus』)。


この週はどうなるんでしょうね?

そして、その次の週末は本社で『CandyCircus』の発表会。展示は舟田潤子氏の作品をメインにして。これも初めての試みになります。試行錯誤しながら、できれば細々と長ーく続けてれるように。

これもどんな形になるのか(笑)?

来月はおそらく『奄美へ』。ある柄(初めてのもの)の途中を見に行きたいとおもいます。その他、諸々も予定していますし、天気だけ何とか保つ様に・・・。今まで何度も行っているので、このイベントが一番安心かな?
(と言っていて、そんなのが一番危ない・・・? 笑)


他にも、今月末までには異業種とコラボする生地の見本を完成させる期限があったり、結構今からの9月から10月までは、ギュウギュウの忙しい日々が続きます。

2016年06月30日

2016'6 奄美研修。

ブログは久々の更新です。その間、毎年恒例になりつつある奄美研修へ行ってきました。今回は、初奄美のスタッフも一緒に行きました。彼は、それなり勉強もして基本知識は十分にあり、商品としての大島紬に関しては、これ以上ないくらい扱ってきたスタッフです。

その彼が、実際に現地で、自分の目で見て、奄美の空気を感じて、モノづくりを体感しました。知識がある分、今まで点であった様な内容が一つずつ頭の中でくっついて、線になり、それが広がって、またくっついて面になる。そんな感じを受けて来たようです。

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また、この研修で訪れる場所は、休眠しているわけでもなく、実際に現役でバリバリと使われている工房、泥田に直接行って体験を行います。

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そこにバリバリの職人さんもおられますので、貴重な時間を割いてもらい、作業を見せてもらったり、自分でもやってみる。しかも、工房内でピリピリの緊張感の中で・・・。勉強にならないはずはありません。

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現地の方の話によると、全く普段は使っていない泥田にそのときだけ職人を呼んできて、モノづくりをここでしている様に見せかけることもあり、それを取材や撮影等で使うこともあるそうです。こういう話を聞くと、テレビや雑誌などを通して見られた方が、本物はこんなものか・・・。と思われるのではないと、本当に残念です。

唐長さんの時も書いていましたが、簡単に本物が失われてしまう時代です。その流れが一度出来てしまうと、逆らうのはとても難しいことですので、自分たちはできるだけ早めに、本物をちゃんと伝える。ということをやっていきたいと思います。

研修は奄美だけでなく、自分たちの本拠地西陣、その他の産地も行っていますので、絶やさず継続して、本物を伝える努力をしていきたいです。どの産地へ行ってもそうですが、毎回そう思います。

2016年06月23日

6月の追い込み 着物制作。

日曜日から奄美へ三日間行きますので、6月最終週の来週京都にいる日は、2日間・・・。
あまり時間がありませんので、今月中に上げていきたいモノ、次の工程に渡しておきたいものの仕上げに掛かっています。

今週初めの段階では、今月中にやらなければいけないことは、ギリギリ間に合いそう。でしたが、大変押しています(例えば、昨日だけでも二時間ほどで終わる予定の仕事が午後全部使ったり(笑うしかないです。 笑)とっても厳しい事態です(苦笑)。

それもモノづくりが壁にぶつかり悩むのではなくて、盛り上がり過ぎているためで、まあ仕方がないかな(押しているのは、なんとかします 笑)。特に若手が中心のモノづくりなので、その空気を大事に、勢いまでその中に組み込んでいければ、面白い仕上がりになりそうです。

具体的に、一つのモノづくりは、新しいコラボの立ち上げ。

一年以上モノづくりの摺り合わせ、特にベースとなる方向性の打ち合わせに時間を掛けています。
それがやっと、三柄だけですが、図⇒型が完成、素材となる生地も決まりましたので、目に見えて進みました。

そして、もう一つは秋用の御召の打ち合わせ。特に新柄出し、です。
となみ織物で作る着物の中の柱です。今までは主に私がやっていた所に、ちょっと新しい空気を入れてみます。

以前も若手との帯つくりのところで書いていたと思いますが、とにかく口を出さない。目でもモノを言わない。後からも何も言わない(笑)、仕上がりとお客さんからの感想ぐらいは聞く。

それを強く強く意識して、同行しています。大変難しいですが・・・(笑)。

たまに違うなぁと思うときは、この感じが良いんじゃないか?
という反物を気づくように流してみたり・・・(笑)。

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『仙福屋の御召/輪宝文』
  ←こんな織物の上げ方が良いのになぁと無言で横に置くとか・・・笑

まだまだ、言いたくなるので、ダメですね〜(苦笑)。

2016年05月07日

南蛮七宝文様/夏大島・藍の一反目織り上がり。

 

奄美の職人さんから『原料あるけど、織ってみる?』と話を頂いてから(返事は『もちろん、お願いします!』)、数ヶ月。完全に忘れきった頃に(苦笑)上がってきた南蛮七宝文様/夏大島紬、の正藍です。

 

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(どうも写真では上手く伝わりませんので、またこれに関してはチャレンジしますね。)

 

夏の場合、糸が通常のものと異なり、いつも通り織れないため、奄美大島では夏の織り手さんがほとんどおられない。今では『幻の大島』と言っても良い着物です。南蛮七宝文様では、以前『白』を織ったこともありますが、一経を織り切るのに、優に一年は超えていました。今回もそれと同じか、それ以上の手間を掛けてのモノづくりのスタートです。

 

この南蛮七宝文様の大島紬シリーズは全て限定での製織(4もしくは8反)で、人気があるから再び製作をする。そういうことは全く無い(というよりも出来ない)ので全て売れてしまうと、手元には写真しか残りません(やはり写真頑張らないとダメですね 笑)。個人としては、一反ずつくらいは資料として残しておきたいですが、着物は、やはり手を通してもらってこその着物です。

 

この藍に関しては、もしかして一疋(2反)のみしか製織できないかもしれません。
今までのモノもそうですが、この藍は、どんな方が着られるのか?できれば、着姿の写真を撮らせてもらいたいなぁ・・・。と想像しながら、反物を巻いていました。

 

Facebookへは反物の上に帯をのせて、またUPしたいと思います。

2016年03月01日

継続するかは検討中です。

 

東郷織物のみじん格子の上に、型で南蛮七宝文様を置いた着物です。

 

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『実験』と書いてしまうと製品(着物にはあまりしたくない表現ですが)として大丈夫?と思われそうですが、何度も試験を繰り返し、繰り返し行って、完成までこぎ着けた着物です。では、この反物作ったけれども、続けていくのか?色を変えてやってみるのか?南蛮七宝以外のモノは?などの検討は、まだまだこれからです。

 

東郷さんと言えば『大島紬』、今までも南蛮七宝で大島紬はやってきました。泥、白、藍、夏、割り込み。
産地へ行って、試行錯誤して、今現在考えられるモノづくりを行いました。まだ少しはありますが、数量は全部限定のモノです。まだ、もうちょっとは大丈夫だけれども・・・、『じゃ、次は?』となった時に戸惑って、面白くない、あまり気のりのしないモノづくりをしないためにも、こういう実験はとても大切です

 

でも、完成品です(笑)。

 

 

 

2016年02月09日

りんぐ大島を使って、白✕白。

 

織り手が少ない、と書いてしまうと、まだありそう。
そんな雰囲気が漂ってきますが、ホントに織られていなくて、うちでも少し困っている『りんぐ大島紬』。

今までFacebookでもブログでも少し紹介していましたが、うちが独占しようとしているわけではなく、結果そんな形になってきました。たまたまでしたが、奄美で仲良くお付き合いをさせて頂いている機屋さんが、このリング大島を織られていて、その色が雰囲気がとなみの帯に合う。優しく、綺麗で、美味しそうな色目がなんとも言えない良さです。

 

今、製作中と考えているのは、ここにある草木染めで・・・。
ですが、上記の通り、帯づくりの様には(最近こちらもスピードの面では随分と落ちてきました。)行きません。

 

そんな貴重な『りんぐ大島』(社内でも見かけることも少ない)を白生地と見立て、間に割り込む様に(すみません)織ってもらいました。白無地のりんぐ(厳密には絣入)。そして、その生地の上に南蛮七宝文様の型を置いて(頭のなかでは、めちゃくちゃ勿体無い✕3と鳴っていました)、反物を作りました。

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当然、こんなことをする所はありませんし、リング糸が型を浮かせて色が入らないし・・・。等々問題は噴出していましたが、何とか染め上がったのが、この一反です。通常、表にリング糸が立っているのも、染料が入る部分では沈みますので、柄の濃淡+生地の濃淡も出て、陰影の付いた非常に奥行きのあるモノに仕上がっています。

 

今は白✕白です。
今度は色にすれば、また新たな壁も出てくると思います。お客さんに着て頂く着物作りがもちろん本業ですが、南蛮七宝文様を使って、異なる角度から、表現していく。それもまた今後のモノづくりに繋がっていきそうです。

 

とりあえず、時間は掛かりましたがホッとしています。

2016年02月07日

大島紬に囲まれる最終日。

今日はお客さんが京都本社へ来店され朝から夕方まで、モノづくりや帯、今回は大島紬を見て頂きました。普段とは入口正面からして、雰囲気は違いました(100周年記念の大きなPOP?のぼり?がドンと)。この三日間、となみ織物は半分大島紬、半分は西陣織、そんな割合でした。

 

去年、今年は特に早々、奄美へ行き、現地を見ながら、モノづくりを進めています。またここ数日は奄美から、職人兼機屋さんが来られていますのえ、お客さんの反応を生で受けてもらいながら(あまり機会はないそうです)、それをベースに思い切ってジャンプしたモノづくりの打ち合わせを進めることができました。

 

まだまだ、実現できるかわかりませんので、詳しくは書くことはできませんが、『えっ、そんなことしてもらえるの?』とこちらが驚いた、大島紬で織る唐長文様。こちらはこちらで、八割五分ほどイメージ通りに形になった、りんぐ大島で行う表現方法。『それって考え付かんかった・・・。』と職人さんに感心されたモノ。

 

自分たちが作るとなみ帯の可能性を広げるために、手を出し広げた、着物作り。最初は助っ人に近かった関係が段々とお互いから近づいて、となみの中の大きなモノづくりの一つになってきました。これらも、一方的なモノづくりではなくて、双方が提案し、改善して良いもんを作り出せる形を模索していきたいです。

 

本社3fの帯を一旦全部撤収して、明日はそれを元に展示し直す、大変な日になりそうですが、今回は三日間大島紬を帯と同じかそれ以上並べ展示したこと、本当に良かったと思います。日曜日にも関わらず出社した、となみスタッフの皆さんもお疲れ様でしたm(_ _)m

2016年01月30日

京都に帰ってきました。

 

奄美から今日へ戻ってきました。
帰りは奄美空港→伊丹空港まであっという間の1時間20分。(新幹線で京都→じるし東京よりも近いですね・・・。)明日は棚卸し、そして本決算です。。急速にグッと現実に引き戻されました(苦笑)。今頭のなかにある温かいアイデアとイメージを2,3日のうちにまとめて、大島のモノづくりを進めていきたいです。奄美初スタッフも2人いましたので、いい刺激になって、大島に限らず、帯も御召も盛り上がるようにしたいです。

 

下の写真は大島紬の糊張り。絣を作る工程の一つで海草糊を使って数本の糸をまとめる作業。糊を乾かすために天気が良くて、糸同士が擦れて切れないように風が弱い日にしかできないため、この場所では今年初めての作業日だったそうです。この日も天気予報的には雨・くもりで、多分だめだろうなぁと言われていましたので、嬉しいサプライズでした。

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そういえば自分も今まで7回行った奄美で見れたのが2回目。そんな幸運も含め、今後のモノづくりは楽しみです。

 

2月から新しい期が始まります。また一年よろしくお願いいたします。

 

 

 

2016年01月29日

極めて充実の奄美研修。

 

昨日から奄美大島にいます。初奄美のスタッフも含めて研修、一方でモノづくりの詰めも順調に進んでいます。今回のメインは大島の特徴『絣』ではなく、染め分野。そこを徹底して拘ろう、原料集めから染料作り、染めまで全て行ってきました。

反物を見る前に、京都に原材料を送ってもらうことも可能ですが、やはりモノづくりの現場はちゃんと足を運んで一度でも見ておかないと、作るのも、お客さんや社内スタッフへ説明をするのも軽くなってしまいます。だから、今回の研修は今後とても役に立ちます。

ここ奄美には十数年間、となみ織物の帯や色を見て、大島を作って下さる職人&メーカーさんがいはります。うちの社内の空気も良く知って頂いていますので、その帯に合わせる着物の色、ほとんど口を出すことはなく、意見交換だけで済みました。新しい試みも『これどうやろ?』。と幾つか提案を頂いていますので、さらに意見を交わしつつ、ブラッシュアップしたモノづくりができそうです。今年中盤以降、上がりを楽しみにしていて下さい。

熟練の職人技を見つつ、自分たちもやってみる。どれだけ大変か骨身に沁みてきたので、うちは帯屋ということを忘れないように(苦笑)、今後の帯作りにも活かしていけると思います。

 

ほんのちょっと、何気ない流れで行う作業ですら、自分でやると苦労します。産地独自の技術やこだわり、工程がありますが、無くすわけには行かないモノです。

 

2016年01月27日

京都では今期終了です。

 

明日からは奄美大島への出張です(〜30日)。となみ織物はこの1月で決算となりますので、今期社内でモノづくりできるのは、今日で最後です。

年末にまた来年と言って、今月もここが区切り。毎年のこと、日にち的には区切りはありませんが、年末よりも区切り感は強いです。また、新しいモノづくり、企画、展開、新しい期から、コツコツとモノづくり、積み上げていきたいと思います。

 

明日からの奄美は、初奄美のスタッフが数多いので、研修も含みつつ、モノづくりを進めていきたいと思います。

おそらく、明日は奄美から何かしら報告ができると思います〜。

 

 

よくお客さんから聞かれるのが『なぜ西陣の帯メーカーが大島紬?』。
それに関して、その都度にお応えしていますが、今回はモノづくりを交えて、その返答ができればいいな、と思っています。偉そうなことを言っていて、大丈夫かな?と思いますが、明日から行ってきます〜!

2016年01月20日

京都の雪はこれでも大変。

 

朝は雪も凄いし(京都にしては、です。)今日は来客はなくて、資料集めと整理。目出し(試験織)を見ながら配色チェックをかためてできる日、と出社途中、雪を見ながら心に決めて行ったら、終わって振り返ると・・・。結果なんやかんやとバタバタの日になりました。

 

防寒草履が冬には欠かせない地域の方々からすると、『これくらいは雪じゃない。』と言われると思いますが、一応こんな感じです。

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(京都で言う、よく降った雪です。)

車はノロノロ、道でコケる方、頑張って頑張って作ったと思われる、小さな雪だるま。

 

 

来週は奄美へ(もちろん仕事です。。。)行きますので、今のうちにと進めている幾つかのモノづくり。その一つが、初登場の唐長文様『角花文様』。12代目から頂いた宿題として、今意匠図を製作しています。

 

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文様を作る2色が表情に繊細な色なので、上手く撮れたとしても雰囲気が異なり・・・。さらにモニターでの色表現は難しい(ですので、白黒でとも思いましたが、せめて色の持つ雰囲気だけでも。届くかな?)。

この意匠、今のところまだ帯にするとは決めていません。ただ、地に入った雲母(きら)を織物でどこまで表現できるか?それの実験をしようと意匠図を製作中です。先日、紹介した南蛮七宝文様で使った技術を改良して使いながら、とイメージして職人と打ち合わせを繰り返しています。

 

来週の今頃までには、これで紋を掘って下さい。そう言えるように頑張ります〜。

 

 

他にも久々に作楽の新柄。ケルティックも図案を作ったり、ここでのUPは最近偏りがありますが、順調にモノづくり、進んでいます!
 

 

2015年12月16日

しーぎの色にため息。

 

昨日、モノづくりの打ち合わせをしていました。となみ織物でも帯との相性を考えて、近頃益々力を入れている『大島紬』。もうこう書かなくてもご存知の方も多いと思います。西陣としての『御召』。それに加えて他産地のオシャレを中心とした大島紬。ここが今のとなみ帯を活かすために、モノづくりする着物です。

 

奄美から持ってこられた試作、試験を中心に打ち合わせで出てきたのは、染めの話。

最初の大島紬との関わりは、10年以上昔に遡って、まだその頃多くあった反物から、自分所の帯に合わせる着物を選ぶ、そんな普通の浅い関わりからでした。産地も奄美に限って言えば、1年間生産量が3万反近くから(10年前)から今は5千反。その中で合わせるものが減り、結果自社の帯に合う着物を作る、意匠や色のモノづくりに参加する、深いかかわりになってきました。

 

私は意匠から色までキッチリ関わったのは、南蛮七宝文様の大島。泥、藍、白等は各8反限定で、それ以上は再度作ることも無い、とても希少なモノづくりです。その中の一つが、昨日話題に上がっていた『しーぎ染め』。

 

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南蛮七宝文様/しーぎ大島紬(絣白)】

 

昔はあったそうですが、現在では聞かない、見ていない、昔もあったっけ?それぐらいモノとして世間に無いものです。このその染をして頂いている方も、非常に手間が掛かるから、そら続かないわ。と言われています。この南蛮七宝文様以外でも紋も作りましたし、無地物もあります。

 

この染め色は明るめのグレーをベースに僅かに時々グリーンがのぞいたり、光によっては少し薄いグレーが照ったりして複雑な表情を見せてくれます。その一つ一つがとにかく優しい色で、とくにこの優しさは羽織った時に顔を明るく見せる効果もあり、本当にいい色です。

 

南蛮七宝文様でのしーぎは、8本のみの製織です。そのことを知っている、みんなは『もっと織りたいなぁ。』ともどかしさを感じながら、良いため息みたいなモノをついていました。この前向きな空気を次のモノづくりへ活かしていきたいです。

 

2015年11月20日

奄美での戦利品?

 

奄美での戦利品が届きました。

産地へ行って、締機、泥染め等々一つずつの工程を辿り、最終反物として上がってくるのを見れば、そら欲しくなります(何度目でも(笑))。しかも、目の前にあるのは、最終検反で尺が足りず短尺、正規流通には流せないもので、つい最近の上がりたて。

さらに、これから力を入れて行こう、そう思っていた『りんぐ大島』に『ある草木染め』。これだけ重なると、買って着ないわけには行きません。

 

多少、寸法に不安はあるものの、仕立て屋さんと話を詰めたいと思います。ギリギリ大丈夫そうなので、気楽に思っていますが、どうでしょう?

 

一元(ヒトモト)絣なので、とても綺麗です。

 

2015年11月13日

御召緯は細かい地紋でどこまでボリュームを作ってくれるのか?

本物の御召緯(風が多い)を帯の地全体に使って製織する『しぼ織』。今まで、これで良いと思っていたところにある打ち合わせの最中、パッとでてきたアイデアがあります。

いま、しぼ織の中で一番多いのはこの様な地紋による隆起。それが柄によって少し変化が付いたモノ。

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帯一本を通して、上から下に流れるように織り込んでいます。今考えているのは、このしぼ自体を①さらに細かく②しぼだけで柄を形成することができないか?という2点です。それを実験するに当たっての前実験では、細かく織ること自体は可能。その後の御召緯で織った生地を、湯に通し、全体を縮めた際、どこまで縮んでしぼが作れるのか?そこが大きな問題です。

細かく柄を綴じると、お湯に通し時に、その綴じた糸が御召緯の邪魔をして、縮まないのではないか?等々、想像できますが、その程度は予測できず、実際にやってみないと分かりません。そのため、今日は、お湯に付けるための紋を作るところまで、進めました。

 

理科の実験の様なモノづくりになっています(笑)が、もしかして『しぼ織』の次の大きなモノづくりへのキッカケになるかもしれませんし、ここでは充分な試行錯誤を繰り返して、横道に逸れながら、しぼの細かさの限界点を探りたいと思っています。

紋が上がり次第、その2で報告しますね。

 

 

明日からは奄美大島(←仕事です。)へ。目的は、奄美大島の職人さんと一緒にモノづくりをしている『りんぐ大島紬』について。となみで製織する帯のためにも、もっともっと力を入れていきたいです。それはご報告できると思います。ここ一ヶ月で沖縄⇒鹿児島⇒奄美と3つ続けて南国です。『南国風の良いデザインが上から舞い降りてこないかなぁ?』と、そんな期待も持って行ってきます。ちなみにまだ風邪は治っていません〜

 

2015年05月04日

 

GW2日目。

持って帰ってきた資料の整理をしようと、ザーッと写真を開けると・・・。
(Macの『写真』です。)

 

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『南蛮七宝大島紬+漢錦(経錦)』

 

まずこれに目が行きました。

おそらく南蛮七宝、最後の大島紬『割り込み』バージョンです。

絣が特長になり、様々素晴らしいところがありますが、
この着物はトントンと織っているリズムもイイ(とても分かり難くて、すみません。。。)です。

 

全て織り終わるまで、まだ一年は掛かるので、それまでに奄美へ行って
製織を音とともに撮らせて頂きたいと考えています。

 

それは置いておいて、上の写真はこの反物が上がってきた際に
何色を合わせよう⇒この着物をイメージしてどんな色の帯を作ろう?と
撮ったモノです。

 

それで選んだのは、紹巴織でも二重織でも、総紗縫でも無くて、
経錦の緑。経て出しの織物ですので、色が緯で織ったものよりも生に近い、
新鮮な?緑色です。

 

もちろん、これ以外にいろんな色味にコーディネートできますが、
敢えて、ムリしてでも自分が合わせてみたかったモノです。

スッと馴染んでくれたので、色に関しては問題なく、この反物からキッカケもらった、
イメージを膨らませて、そんな柄を考えて行きたいです。

 

筬を打つ音を聞きに行けばイイ図案ができるかもしれませんね~。

 

そんなわけで、ほとんど入り口で止まった整理でした(笑)。

2014年10月23日

久々に完成品を。。

 

最近帯をアップする際、ここでは製作途中のモノばかりでしたので、
一番最近完成した『BOTANICA』シリーズの帯を紹介します。

 

IMG_1002.jpg
BOTANICA

 

図案はありましたが、それよりも紋を作る際に気をつけたのは、色を重ねること。
紹巴織が得意とする、『染み込み』『ミックス』という技法を最大限に利用して
(そういう設計で)とことん糸の生の色が出ないように、しています。

 

実物を見てもらうのが一番ですが、最近の中間色を多用する配色からしても、中間色同士を
重ね重ね色を置いているので、どの色一色とっても、なかなか『何色』と言えない帯です。

 

さらに、というか最近自分のモノづくりの中でよくする、無地部分にも単なる無地ではなく、
ベージュに白にもう一色グレーを足して、三色で無地一色に見えるように作りましたので、
多分、着物と合わされるときには、吸い付くように着物の色を拾ってくれると思います。

 

これらの色は先日奄美に行った時、曇り空に色味がボヤかされながら、下から力強く
でてきた色が自分の頭の中にイメージとして残っていましたので、それをベースに
配色されています。

 

もちろん、織りの袋帯です。

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2014年07月03日

奄美へ。

まだ、少し夏バテ気味ですが、週末に奄美大島へモノづくり&研修へ行ってきました。
(たぶん、その奄美バテかもしれませんね)

 

こちらから、色々と無理な話をしていることが、毎度ですので、今回も上手く行くか、
分かりませんが、一つは南蛮七宝の夏物を織って頂いている職人さんの所へ。

 

DSC02298.jpg

 

やはり自分は南蛮七宝文様が好きなので、織られている所を近くで見ているだけで、
ドキドキしながら、楽しんでしまいました。

一日、約10cm。。。

また、西陣とは違った大変さを改めて味わってきました。

 

その他には、現地の人からモノづくりに役に立つ、と言われながら、
見に連れて行ってもらった、自然、自然、自然。

 

DSC02456.png

 

DSC02377.jpg

 

今、ちょうどBotanicaシリーズを製作していましたので、資料になりそうな景色や草木を
大量にカメラへ収めることができました。

 

非常に為になったモノづくり研修でしたので、きっちりとモノづくりでお返しできるように、
して行きたいと思います。

 

 

 

 

2014年01月21日

『しーぎ』南蛮七宝/大島紬。

 

予定であれば、取り掛かるだけでも随分と先になるはず(夏予定)だった、
モノづくりが、『しーぎ』という染糸の調子を見るためにも、ということで、

他の仕事を全てすっ飛ばして、こちらから進めて頂いています。
(本当に本当に有難いです)。

ちなみに、『しーぎ』完成形の一色はこんな色です。

IMG_0390.jpg

 

纏まると温かな色味、一本ずつだと静かな色になったと思います。

 

この元の素材を探すのに、奄美の山奥に入っていて、色々なこともありましたが、
職人さんの大きな大きな助けを頂いて、ここまでは順調すぎるくらい上手くいきました。
(染めはじめから、振り返ると約4ヶ月ほどです。)

 

ここからは織りの工程です。
柄はもちろん南蛮七宝。

IMG_0989.png

 

 

まだ織り出したばかり、なので柄部分は僅かです。
ここまで来ると、あとは上がってくるのを待つのみです。

今からとても楽しみです。

 

以前に織った『泥と白大島紬』は、原材料がありませんので、今後は織れません。
この『しーぎ』染の大島に関しても、糸の染めの量、その他の原材料からしても、
数反織って、終わりの商品になると思います。

 

とても贅沢で、常に頭のどこかに残っていたモノづくりでしたので、
これでやっと、ちょっとホッとできそうです。

 

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『意匠図と絣糸』

 

自分の誕生日に、この着物の途中報告ができて良かったです。
 

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2014年01月07日

今年前半には。

 

今日のとなみ織物のFacebookにもアップしていますが、
南蛮七宝の大島紬、(茶)泥から始まり、白を極少数織りました。

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Facebook記事へ

 

それも後一反のみになってしまいました。

 

これを残しておくか、気に入って頂いた方に着てもらうか、はまだ悩んでいますが、
それはまず横に置いておいて、今は次のモノづくりに掛かっています。

 

以前から実験、試験を繰り返しながら、形を少しずつ作ってきた、
『しーぎ染め』の南蛮七宝。

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『ブログへ』

糸はFacebookにも載せていました。

 

奄美大島の山奥まで、原材料を探し検討しているモノづくりですが、
ある程度、染の形(技法)や織手さんがおぼろげに、見えてきましたので、
ちょこっと報告です。

 

DSC_0393-2.jpg

 

ちょっと無理にでも進めないと、こういう仕事は全く進まないので、一応目処は、
今年前半にと思っていて、染が固まってからは、他の仕事を置いておいても・・・、
というくらいの優先順位で進めてもらっています。

 

昨日、無地『しーぎ染め』の色を見ましたが、本当に柔らかい色目で、
柄が入るのを思い浮かべると、鳥肌が立ちそうになりました。

 

 

 

 

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今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

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