となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「紹巴織」と一致するもの

2016年12月21日

不思議な魅力を持つ猫つなぎでモノづくり。


今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。

帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。


IMG_9420.jpgのサムネイル画像

ここから型を起こして、その間に配色を決めたり、白生地を選択・・・。
それらが合わさって、帯揚げとなります。

先日も紹介していまいしたが帯の意匠はこちら
『猫つなぎ』
 →http://www.kyo-tonami.com/godaime/2016/10/post-2436.html

帯の意匠は、違う織物へ変更して作ることもあります。
たとえば、紹巴織バージョンは袷の着物用で制作、そこからもっとシンプルにして、
夏中心の総紗縫に変更するなど・・・。

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(不思議な魅力の猫つなぎ)

この『猫つなぎ』は、同じ柄に見えないほど修正しましたが、最初の紹巴織から始まって
②紬や③総紗縫と、織組織を3種類も作った珍しいデザインです。

そして、今回の帯揚げ・・・(合わせて4種類、凄いなぁ・・・)。

となみ織物が新しく意匠を作っていない訳ではなく(笑)、過去のモノでも、
なぜか作りたくなってしまう、意匠というのは、たまにあります。

また、他スタッフが制作した自分の好きな意匠を織物を変えて、
自分の意思を入れて再度、作り変える(ただこの場合は大きく手を入れることが多い)。

と新しいモノづくりとはちょっと違いますが、今までとなみ織物が何万と制作してきた柄です、
今一から作るよりも、いいモノ作りができるのであれば、今後も並行して作りたいです。

個人的にはこの帯揚げ作りにハマっています。
型を使う意味では同じの襦袢制作も同様、来年は名古屋帯作りととも、面白いモノが皆さんに
紹介できると思いますよ〜。

もちろん、となみ織物としては、新しいモノづくり、袋帯中心ですので、
少しそれとは異なる動きになると思いますが、それはいつものこと、ご心配なく(笑)。

2016年11月17日

堀川通のイチョウ並木

今年も恒例、会社近所の堀川通のイチョウです。

いつもと様子が違うのは、
現在、水道工事中ということで赤いコーンとイチョウがずらーっと並んでいます。


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『なんでイチョウが黄色くなかというと、元々葉の中ある緑と黄色の物質のバランスが崩れて、
本来強いはずの緑が薄くなって、黄色が表に出てくるんやで。』と、
こないだ聞いた知識を確認しに(笑)イチョウの中を散歩していました。

そして、ちゃんと、じっと、よくイチョウを見みると、
黄色で地を染め、上から緑を置いた反物の様に下から黄色が滲み出てきたかの様に
表に来ようとしています。

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そんな時考えることは、紹巴織で織るんだったら・・・とか、

そう言えば、麹塵染めをした糸も、元々色はあるけれども光の波長で見える色が・・・。
等々書いてしまうと『帯関係の話で、何かを例えてばっかりやな。』とまた言われてしまうので、
止めておきます(苦笑)。

そういえば、唐長さんのはんなりとした色づくりの話も、
何色かを混ぜて、色通しのバランスで表現すると言われていました。

自然の色は配色時には、いつも意識して取り入れる様にしていますが、
新しい知識を入れて見てみると、新しい表現が作れそうな気がしてきますね。

また、頑張ります〜。

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2016年10月31日

伝統産業×イノベーション  西陣の匠の技等を建築・インテリアに!プロジェクト第二弾 三井ホーム「禅の家」内覧会@相国寺門前町




『西陣織、清水焼、京漆、京銘竹、京唐紙、丹後ちりめん、京杣木等』をインテリアなどに採用。その中の『西陣織』として選ばれ、地袋(一番下の棚)部分の襖に帯地を使って頂きました。

意匠は、唐長文様『光琳大波』。
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『地袋の部分に帯地』

帯部分のちょうど真上に、唐長一二代目が制作された唐紙の『光琳大波』があって、
見ていて、ほっとする様な『イイ感じ』の空気を流れています。

去年の古川美術館で行われた『唐長の世界』と似た、同じ空間に配された、唐紙と帯。
思った以上に、コラボとしても、今回行われた形は良かったんじゃないかな、と思います。

そして、今回の帯の織組織は、『紹巴織』。

襖に貼る話を伺っていたので、帯地の裏側(織り糸が見える方)の綴じを最大限細かくし、貼りやすくしています。そのための新たに設計をしました。また、襖に貼ると、帯地の居場所は、お太鼓以上に平面部分ですので、陰影を意識した織りに。文様のシンプルさに気を付けながら、損なうこと無く、仕上がったと思います。また、本来はこのためだけに作った意匠図でしたが、意図は全くしなかったけれど、帯地としても面白そうなことも見つかりましたし、今後に色々と発展させていけそうです。

今回は正確を期するため、引用だらけになっています(笑)。
まずは報告まで・・・。

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2016年10月29日

『CandyCircus4』 マンゴスチン

舟田潤子氏とのコラボシリーズ『CandyCircus』。
今、制作中なのは4柄目。今までも十分個性的な意匠が多い中、今回も面白い帯になりそうです。


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『CandyCircus/マンゴスチン』(試験織ver2)』

新しい試みとして、今回は紹巴織に紬糸を入れること。
それ自体は他の柄でやったことはありますが、今度は舟田さんの色を保ちながら、
紬の節も上手く利用したい、そんな試み。

柄を出すために、
糸の通す順番、場所を考え意匠図を作り、紬糸を通すと、
節が立ち色が濁るところを、糸本数でカバー、
(織物の限界はあっても)できるだけ地色を最大限『白く』したい。

意匠図(設計図)を作る際、漠然としたイメージだけ取り掛かるのではなくて、
自分がイメージすることを、ちゃんと言葉&文字にして、モノづくりに誤解が生じないよう、
気をつけること、今までやってなかったことを明確にして、取り組みました。

どっからどう見ても、何かの打ち合わせに見えて、
帯づくり、という感じは全くしない、制作現場でしたが(笑)。

紋は終わり、今は最後の詰めの配色段階ですが、困ったことに悩んでいるのは、
そもそも、『この帯を袋帯にするのか?名古屋帯にするのか?』の部分です。

先日制作した紬糸を通した紹巴織の八寸名古屋帯(『Henna』)が、
いい具合に織り上がっていますので、余計に悩むところです。
(本来、はるか手前で決めておかなくては行けない所なのですが・・・ 苦笑)

このCandyCircusシリーズ、帯だけでも、3柄(水花、舟、蝶々)の袋帯。
しぼ織(アネモネ)名古屋帯。
この後に、もう数柄名古屋帯を加えても・・・。

CandyCircus3 蝶々

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 →『Candycircus3完成

CandyCircus2 舟

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 →『Candycircus2 仕上げ最終。

CandyCircus1水花

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2016年10月28日

『作楽シリーズ/Henna』

新しい帯が出来ました。
この帯について、書くことが沢山あります。


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まず一つ目、相当久々の新作の作楽シリーズ。
しばらくは、唐長・CandyCircus、着物、小物のモノづくりにほとんどの時間を振っていました。
今回は土台仕様から作るために、多くの時間を使い、長期間試行錯誤の上、制作しました。

この帯意匠のモチーフは『Henna(ヘナ)』。
このヘナという名前はインド、中近東に数千年前も昔からある、ヘナという植物を使って肌に紋様を書く、ヘナアートから来ています。婚礼や様々な儀式に行われて、描かれる意匠には幸せや吉祥、魔除けの効果をもたらすとされています。

このHennaの帯は、ヘナアートの作家さんに一からデザイン、それを元に制作したものです。
市松を構成する一つ一つの柄に意味があり、祈りがこもっています。

そして、織組織は紹巴織+紬の『紹巴紬』。通常の紹巴織の緯糸に紬を加えて製織。
さらに通常の絹糸も合わせる本数を変え(約1.3倍増)しなやかさを残しながら厚みを持たせています。

生地の想定としては、八寸名古屋として結んでもらうこと。


デザイン、紋を最大限シンプルにして、原料、質、織りは変えることなく、(裏地も要らない分)
価格はお手頃なところまで・・・。と思っています。


個人的にはしばらく、そんなモノづくりにも力を入れていきます。


※ちなみに、帯の前にこれと同じ図案を使い、貴久樹さんとのコラボで制作した小紋もあります。
(そこから今回は帯用として、柄のサイズ・配色に修正を加えて制作したもの。)

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『小紋(タッサーシルク使用)』

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2016年10月01日

唐長文様「光琳大波」帯、完成

唐長文様「光琳大波」袋帯を作るキッカケ
となったのは、結ぶための帯じゃない、ところからでした。


帯屋としては珍しいスタート(笑)で、そらそうだ、突っ込まれそうですが、
おそらくこんなキッカケは初めてです。

この光琳大波の意匠は以前、引箔を2丁使って織り上げていました。
(2色の箔が帯の中に入るイメージで、考えて下さい。。。)
地と波を金銀の箔だけで織り上げた、豪華な帯でした。
そこから考えると、今回の紹巴織で織るのは、色んなモノを削ぎ落とした、
かなりシンプルなモノづくりになります。


今回は今回で大変な要素もあります。
まず第一に帯が前提じゃない(苦笑)
第二に、そもそもシンプルなので、削ぎ落としが難しい。
第三に、だからといって、そのままやると、ほぼ裏無地になってしまう。

と、大きく分けて3つの山を超えながらのモノづくりでした。


意匠に関しては紋作りの段階で、穴が空くほど、この大波の唐紙を見て、
作り、配色に関しては12代目から頂いた今回指定の色を何度も試験で
織っては修正、織っては修正して、近づました。


ちなみに、その指定色の到着までは、自分の好きな色で配色したりして、
これはFBに掲載)、この柄の特性を掴みことを考えてモノづくりしていました。

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南蛮七宝文様と同じく、この柄も色で随分と雰囲気が変わるので、様々な配色が
できる。また、織組織を変えても全く変わるはずなので、今後やっていきたいです。


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「唐長文様/光琳大波(紹巴織袋帯)」

ざんねんながら、まだ指定色は紹介できませんので、雰囲気だけですが帯になった
光琳大波を載せておきますね。発表できるまで、もうしばしお待ち下さい。

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2016年08月26日

Candy Circus 3柄目

やっと完成しました。舟田さんとのコラボレーション『CandyCircus』。

四柄目『アネモネ』の方が先に完成し、どちらが三柄目か(苦笑)わかりまりませんが、
なんとか表地の完成です。


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気を付けたことは一つ。

一もニも三もなくて、色の発色だけ。
そこに気を付けて、すべてを向けたモノづくりです。


この紹巴織のモノづくりは、ベース部分三色の使い方が最終の出来を大きく左右します。
そこをいかに選択するのか?が、その人のモノづくりのセンスが出てくる部分です。


とどこかにも書いていましたし、まだそう思っています。
が、このCandyCircusの三柄目に関しては、その公式は当てはまらず、糸の色同士が
滲んでくすまない様に、祈る気持ちで、頭の中で色を混ぜながら、紋図を作りました。


そこに最大限意識を払いましたので、色数、色を混ぜた(染み込み)箇所、発色の面に
おいて凄く満足度の高い仕上がりになっています。


まだ裏地を作らないと、袋帯にはなりませんので、完成ではありませんが、
それを作って、袋帯にしてから、もう一度登場させたい帯です。

2016年07月29日

輪宝文で紗を織ってみました。

帯にするかは、ちょっと横に置いておいて、まず色んな試験を取ってみました。

輪宝文』の総紗縫です。

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唐長11代目奥様好みとして、最近物凄く注目されている意匠。
最初の帯は紹巴織で織りました。

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この帯は、南蛮七宝を陳列する際には常に一緒に持って行きます。
唐長文様同士をコーディネートしたりもしますが、この輪宝文、
気がつけば自然に他の着物の上にコーディネートされ、上手く着姿の顔になっています。

その様子はかなり自然に。
文様としての主張はあるのに、どこでも馴染んでしまう。
唐紙で頂いた異なる配色もありますが、全部そんな感じ、ホントに不思議な柄です。

今回は一番上の写真。
総紗縫の輪宝文の試験です。目出し(試験織)で取ったのは6つ、横段になっている部分です。
色と素材を変化させて、柄の見え方、色の出方、素材によっての帯巾は?透け感は?
等々、1つずつ様子が違うので、チェックしていきます。

生地として織り上がっているので、モノづくりの終盤に見えるかもしれませんが、
全体を100とすると55〜60くらいの中盤です。

最初に織った紹巴織とは違い、各織物には表現力に限界、得手不得手があります。
今回の仕上がりを見て判断するつもりでしたが、この総紗縫の帯に関しては、今のところ無地に近い感覚で、
全体の色目を今まで無いような【青】を使って、モノづくりする。そちらへ持っていくつもりです。

おそらく帯まで持っていけると思いますので、仕上がりを楽しみにしていてくださいね。

2016年06月07日

第一段階通過中/Candy Circus3

完成まで遠いので、まだ全体のUPは遠慮させてもらいます(楽しみはもう少し先に・・・ 笑)。紋作り(意匠図づくり)に『もう大変やわ。』と何回言ったか分からない(苦笑)、苦労した柄です。なんとかまず形になったのが、嬉しくて一部ですがUPしてみます。

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『Candy Circus3』

織物は、自分がよく使うお馴染みの『紹巴織』。となみの中でも細密さと色の発色が綺麗。表現力も抜群。図案から帯にする際、イメージし易い。十何年ずっと毎日の様に作ってきましたので、性も合って、好きな織組織です。

(昔から)『この織物は凄い完成度やけど、もうこれ以上(新しいモノを作るのは)無理じゃない?』と言われ続けてきましたが(多分初めて、それを聞いた時から10年は経ってます 笑)、今でも毎年新しい手法・技法を作っては、既存のモノとくっつけて、新しいモノづくりにしています。

今回の意匠(後日織物で紹介しますね)を紹巴織で織った理由は、特長と同じで、発色や多様な色を作れること、緻密さ(何回も繰り返すほど、凄いレベルのことが出来ます)、本当に武器です。これらを他の織物で似せようと、と思っても、その差は大きいです。

今回はその武器に振り回されました。糸同士を混ぜ、沢山の中間色を作ろうとしたため、収集が付かなくなり、時間ばかり掛かる。元々の意匠の色数を忠実に作ろうと、頭の中でこねくり回して、紙の上で試行錯誤の繰り返しでした。

まあ、どれだけ時間を掛けて万全を期して挑んでも、第一回目の試験織を見るまでは、失敗することは大いにあります。今回は、最大限力を尽くして、それ以上はどうしようもないので、後は待つ。そういう心境でのモノづくりでした。だから、試織が上がってきて、まずはホッとしています。

さらに思ったよりも、色が濁らず、修正は必要にしても、『あ・・・。ヤバイ・・・。』ともなりませんでした。心は折れず(苦笑)、明日早速修正だ、と思えましたので、この帯の完成は意外に早いかもしれません。

とは言っても、形になり始めたのは、まずお太鼓だけですが・・・(笑)

2016年05月04日

CandyCircus3 お太鼓の意匠図です。

 

まずは、お太鼓の見通しのついた意匠図。
銅版画作家の舟田潤子さんとのコラボレーション、『CandyCircus』、苦戦中の三柄目(この柄よりも先に四柄目が先に完成しそうです。苦笑)

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写真は意匠図の写しです。

 

紋屋さんとの打ち合わせの際に、ここに色々と書き込んで、織り上がりのイメージをお互い擦り合わせて行きます。モノづくり若手が一番失敗し易いのは、このすぐ隣に帯や意匠図の元となる図案を置かないこと。慣れてしまうと、なんとなく意匠図の写しで図案の代わりにもなりそう(実際色も近づけて出すので)ですが、それが間違いの元。

経験を積むほど、手元には必ず図案を置いて、打ち合わせ、モノづくりに挑みます。

 

そうするのは作る人によって、いろんな理由はあると思います。自分の場合は①作り慣れたやり方にしてしまわないこと=織り易いモノにしてしまうこと、②イメージが膨らみすぎて、手を加え過ぎないこと、③出来上がりの帯に、極力作家さんの空気感を纏わせること、を意識しています。

 

今回もこの3つは、もちろん同じで、図案は横に置きながら、にらめっこしています。いつもと違うのは、何倍も時間が掛かっていること(苦笑)。となみ織物では一番緻密に織れる紹巴織ですが、それでも今回に関しては相当沢山の色を一つずつ取捨選択をしています。また糸同士を混ぜて(例えば、白と黒でグレー)作る色も、作品の中から色を抜いて、紋図の中で出来上がる色が発色的に使えるか?を検討していきます。今回は結果として、実際に通す色数は増えたのに、目に見える色は減りそうな、珍しいモノづくりになっています。これからは、修正、試し織、また検討、修正を繰り返しです。

 

 

今のところ、お太鼓の意匠図段階で、お腹、その他の部分と、完成するのが怖いような楽しみなような、面白いものづくりをさせてもらっています。

 

糸を入れる配色で修正できることも多いので、意匠図を見て、休み明け配色していくのをイメージしています。大変は大変ですが、これで良い帯になって、『この帯だったら着物を着て、ワクワクして外へ出ていけそう!』そんな風に思ってもらえるように。最後の詰め頑張ります〜。

2016年04月11日

『アンティークと唐長の世界』展

 

9日(土曜日)には、京都の『ギャルリー田澤』さんへ。
唐長11代目のギャラリートークへお邪魔してきました。

 

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『アンティークと唐長の世界 4月7日〜22日』

 

ギャラリートークでは11代目から、
ケルト・アイルランドから始まる文様が時間を掛けてユーラシア大陸を渡り、日本へ。
日本とアイルランドには1万キロ以上の距離が離れているが、ほぼ同様の文様がある。
アンティークと唐紙との相性の良さ。
唐紙を感じるのに、必要な光の話、等々。

今まで何回か聞かせて頂いたことのある話もありましたが、実際に唐紙とアンティークがコラボとして形になった姿を見ながら、唐長や唐紙に対して多大な興味を持たれている方々が30名集まり、一緒に聞く、その空気感は格別に良かったです。これはついでですが、自分も南蛮七宝の御召(薄ベージュ)を着ていたせいもあって、作品にはなれないまでも(笑)、他の方よりも作品に近づくことができた、ちょっと特別な時間を体験してきました。

 

今回の11代目の話にも出てきたこと。また自分の唐長さんでのモノづくりで意識していることがあります。

それは、季節や光、調度品などを含めたその場の空気感を唐紙に映すこと、です。

 

例えば、今の時期であれば、襖に入っている唐紙が、その季節の空気や射してくる光、周りの調度品を映して、4月らしい色目になる。5月だったら5月、秋であれば秋・・・。そういう色使いを常に意識すること。

きものに置き換えると、帯だったら帯の色目がその時の季節や着る人の雰囲気、着物の色に応じて、雰囲気を映してくれる。
もちろん、コーディネートは必要にしても、その帯を結んだときには、それらを越えて何かいい感じを与えてくれる。そんな帯作り、を意識しています。

 

最近、上がってきたのはこの『角花文様』の帯。
意匠的には、日本が文明開化期に入って、洋が流入、急に変化するその時代の空気感も受け入れて、消化できる、そんな雰囲気を持っている文様です。

 

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【角花/紹巴織】

 

いくつかの配色替えも意識して意匠図を製作していますので、もう数色は織りたいと思っています。ただ、どうしても一番目に作りたかったのが、この配色。地色は柔らかなベージュに胡粉をくすませた白、また柄部分の緯糸は絹と箔を使い、素材感の差、異素材のメリハリを利用して柄を浮き上がらせました。裏地はまだですので、袋帯として完成するのはもう少し先ですが、おそらく周りの空気感を拾いながら、着物や小物とコーディネートしていくと、上手く馴染んでくれる帯になったと思います。

 

この文様でも、沢山試作は取りましたが、まだまだ素材部分やってみたいことはあります。また、文様が変わるとそれに応じて、したいことも変わります。それに応じて、倍々と試験織も考えて、試し織りもやっていかなくてはいけませんが、一番シンプルな文様で、色んな話やモノを見て、色や文様の表現にプラスすることができる環境、なかなかありません。最大限、活かしたいと思います。

 

 

ギャルリー田澤さんでの唐長の世界展は、22日まで。もう少し会期があります。
もし、お時間と興味のある方は是非、訪れてみてください。

桜が終わった京都は少し空いてくるかもしれませんので・・・、ぜひ。

 

 

 

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2016年03月28日

お月。本仕立も上がってきました。

 

南蛮七宝文様以上に好き嫌いが分かれてしまうかもしれない【唐長文様・光悦月】。(初めお客さんに説明するときは、光悦月(こうえつづき)とちゃんと呼んでいますが、気がつけば馴れ馴れしく『お月』と呼んでしまう個人的にも好きな帯です)。

 

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『唐長文様/光悦月』この帯は唐長11代目の作品を元に製作させて頂いています。

 

この帯のことを『もう抜群に良い!』と褒めて頂く方の意見を、よく聞いていると大きく2つのこと『色目と雰囲気』を気に入って頂いています。これをもう一度、異なる意匠の中に再現、というのは難しいです(ほとんどの場合、やっぱり前の方が好きと言われます。)。また、この帯と同じ意匠で、配色を変えるだけで、おそらく空気感は崩れてしまうと思います。

とは言っても、それが分かりながら行うのがモノづくりです。可能性が高そうだけど、実は失敗する可能性が一番高い、同じことをするのか、反対に元の空気だけ大事にして全く異なるアプローチを掛けるのか、色々と試行錯誤やっていきたいと思います。気持ちは、『一柄うまいこと行ったから、できるはず。』それを励みに(苦笑)。

 

この帯の良い所(色目と雰囲気)は、おそらく紹巴織に通す紬糸の使い方だと思います。色をくっきり出さず、紬の節で少し柔らかくする。お太鼓のお月柄が周り全体を少しずつ紬の節に侵食されて、実際に作った月の大きさよりも小さく、しかもホワっとしたおぼろげさが出てきている。意匠図の際に、狙ってはいなかった偶然性も大きいですが、それも含めたいい帯です。

 

 

そして、先日この帯に芯を入れ本仕立したものが上がってきました。
やっぱり、帯は仕立て上がった袋帯がイイです。薄く織り上げた帯地が芯の分だけ、厚みが持ち上がります。それと一緒に紬の節もホワっと立つ。それに合わせてお月にも、さらにおぼろさが出る。芯の分だけ、わずかに重量は増えましたが、手に持つと仕立て前の紬の節とは比較にならない手触りの良さ、紹巴織が活かしてくれる風合い、それが全部揃うと、結んで外に出たい、そんな帯です。

 

この帯の色違い、9:1くらいの分が悪い勝負だと思いますが、新しい配色も作ってみたくなりました。

2016年03月17日

少し新しいことをした南蛮七宝。いよいよ。

 

2016春夏『きものSalon』の左下。

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『きものSalon春夏 p130』

 

『きものSalon編集長好み』の南蛮七宝の袋帯。
初めの一本が仕立て上がってきました。今日、結んでもらうべく発送しました。

仕立て上げると、芯の厚みで表地が僅かに持ち上がり、ふっくらとして、反物の時よりも遥かによく見えます。
(でも、写真を撮るのを忘れてしまった・・・。すみません。)

 

そう書いておいて、今日の所はこの丸巻きの写真で・・・。
(裏地は初お目見えです。)

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紹巴織ではあまりしない(特に最近では見ない)、金糸を全面に通しています。正確には金糸と通常の糸を混ぜ、糸に光沢を与えつつ、光らせ過ぎないように、抑えることをしています。金も銀も同じことを行っていますので、奥から輝きが出てくるような上品さに仕上がっています。


ただ、目出し段階での試験はしているものの、全面に金糸が通っています。そのため、糸のみで製織するよりも結ぶ際に、帯が滑りやすいかもしれません。金糸に混合させた糸でその辺りもバランスを取っていますが、最後は結んで見ないとわからない部分があります(そんなこともあって今回結んでいただくことに)。それに加え、裏地には紬糸を通し織った裏地を採用。考えつく、出来る限りのことは行いましたので、あとは問題なかったくらい、結びやすさに触れられないか。改善が実を結び、結びやすかったよ、と言って頂けるか。それても、もうちょっとと言われるか。

どれを取っても、次のモノづくりへポジティブに活かせると思います。
もちろん、社内でも繰り返して結ぶことを行っていますが、新しい考えで作った帯が社外で初めて結ばれる場合、いつもこうやってドキドキしています。

 

全てクリアした後は、まず唐長三条店で販売開始を予定しています。

 

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2016’春夏 きものSalon

2016年03月05日

【角花】つくり 2

 

ここから登場した【角花/唐長文様】。
 http://www.kyo-tonami.com/godaime/2016/01/post-2324.html

 

12代目からの宿題として、前に進めています。以前、お借りした唐紙を図案にし、意匠図へ。そして製織。が帯作りの流れで、今はそのうちの意匠図制作後、製織の前段階です。これで本当に帯を織って良いのか?それをチェックするための、目出しを取る、試験織りをしています。

 

今回は唐紙によく見られる『共色』を特に意識し過ぎなくらい意識をしています。唐紙の共色はどんな表現をしたら伝わるか、難しいところではありますが、自分の中で消化しているのは、地色と上に乗る色とが近い色なので、気付かない人もいるかもしれないけれども、あるのとないのとでは全然違う、そこにちゃんとある配色。ややこしですが、そんな風に理解しています。

 

織物でするには、とても難しくて、何も考えずに紋を作って織ると、おそらく数ある中の地紋の一つになってしまいます。そのときは柄を強調するため、対極のあるような2色、3色を入れて配色。それはそれで配色での悩み、柄のバランスなどを考えますので、簡単な仕事ではないのですが、今回はそれとは異なり、似た共感にある色を使っての魅せる帯づくりです。

 

織組織は紹巴織、平らな頑張っても指が引っかかる所のない織物です。その織物の組織を少しイジって、僅かな隆起を作り、そこに入れる素材と地の生糸との差で違いを見せれないか?そんな検討を現在しています。

 

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『角花/目出し』

 

この目出し(試験織)段階では、織りに問題が無いのか?の確認のため、織られる2色は、敢えて離してあります。今回、大きな問題はありませんでしたので、ここからそれぞれの2色を近づけて行きます。最終は同じ色を素材違いで織る。後は織組織の違い(高低差)で見せる、ですが、そこまですると無地に見えてしまいそうなので、試験を繰り返したいです。

 

周りからは写真の段階で特に一番上の配色が良い、結びたいと言われています。それはそれで織るとしても、やはりその先の今まであまりやらなかったこと、避けてきた部分にも力をいれて取り組みたい、今はそんなモノづくりを心がけています。場合によっては、南蛮七宝の様に、何年その柄追っかけるの?と言われる柄になるかもしれません。そうなる様にもしたいです。

 

2016年02月26日

この目で絶対に確認しなくてはいけないモノづくり

人生初の高松にいます。

先週末から今週初めまで出ていたんので、モノづくりが本社からメールで飛んできます。

 

そのうちの一つがこの柄。

『紹巴織の目出し』

 

詳細は改めてしたいと思っていますが、オフホワイトに白で配色したもの。写真では全然分かりません。もちろん、どんなモノも自分の目で確認しますが、これに関しては絶対に直接見ないと、感覚も分かりません・・・。そんな試験織りでした。

 

出張へ出て、しばらくモノづくりが止まっています。珍しく〆切のあるモノづくりもあったりしますので少々焦りつつ、ホテルへ帰った夜は気を紛らわすためコツコツと図案整理をしています(苦笑)。

 

 

 

2015年12月22日

しぼ織も備忘録が必要です。

 

ずっと課題だった『しぼ織でやりたいこと。』これで解決とまではいきませんが、随分進んだかもしれません。今日も来年に向けての備忘録的に・・・。しぼ織で課題もしくは掘り下げられていないのは(自分の中で)、①細かさの限界と②しぼ目のコントロールです。しぼ織自体、会社的にはそこまで柄数が作れていない中、個人的には紹巴織に続く製作をしています。今までの技法を踏襲しても、まだまだ新しいモノづくりはできますが、一方で、完成したとしても使われるか分からない、でも有用そうな技法の可能性を探ることも大事です。そのためには上に挙げた①②は試しておきたいことです。

 

ちなみに、しぼ織を作り始めの頃、金唐革をイメージ、手探りの紋作りをしていました。織り上がってから、気が付いた偶然の要素の要素もありましたが、しぼ織の新しい指標となった帯がこれ。

 

 

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『Rococo/しぼ織

 

 

 

今度は偶然には期待しない様に、ちょっとずつ積み上げていきます。

 

 

写真ではまだ最初の試験段階ですが、試験を織り、生地をお湯に通し、しぼを付けた。その段階で上記①②をチェックしていきます。

 

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ここから、意匠の大きさ、糸の使い方(今のところ同じ)、素材。微修正に掛かり、図案を作って、本番の帯へとなります。この技術を使って何をするか?まだスタートでもありませんが、今日のところはそこへ行くための第一歩。備忘録です。

 

 

2015年12月20日

サイズ感。勉強します。

南蛮七宝文様の帯地を使って製作したバッグの新作が上がってきました。商品写真だけでは、サイズ感を掴みにくいので、実際にもってもらいました。製作のイメージとしては、少しカジュアルなクラッチバッグ。

 

 

せっかくサイズ感を伝えようとしたのに、写真を見るとじっさいよりも少々大きく見えています(笑)。かなり小振りで可愛いのに、やはり実際に見てもらわないとアカンなぁ。。。と思います(苦笑)。

 

このバッグに使う帯地は基本的に紹巴織+紬糸。遠くからだと、紬を感じない程度に細かく細密に織りながらも節の味は主張する。最近、人気の風合いです。

 

実際に、早く見て頂きたいのですが、しばらく京都に入る予定ですので、そこで陳列しています。今後は革と帯地との配色を考えて、続けてモノづくりを行っていきますね。

 

2015年12月15日

龍紋;試しの初反。

 

11月27日に途中経過を上げていた『唐長文様/龍紋』。全体の流れを見るためにもまず一本を製織しました。この段階で南蛮七宝文様の着物と合わせるのが楽しみですが、その気持をグッと抑えつつ、配色や糸使いを中心に細部の修正をしていきたいです。

 

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【龍紋(初反)】

 

織物は紹巴織。となみ織物の得意とする織組織です。筬での打ち込みが多く細密な表現が可能です。通常は糸もしくは箔を通し、フォーマル、セミフォーマルに結ぶ帯が主体ですが、今回に関しては、緻密な隙間を縫って紬糸を通しています。それとお太鼓の真ん中に来る龍に関しては、糸の綴じ方を綾目が出て、僅かに隆起する様にしました。中心の龍と端にいる龍とはその点で色とボリュームが変わって見えます(中心の方が少し白く見える。)。

 

なぜ、こんなことをしているのか?というと全ては陰影のためです。シンプルな意匠の分、何も触らないというのは有りだと思います。ただ、できれば拘るだけこだわって、パッと見てもその拘りはわかりにくい。使っているうちに何となく味わいが出てくる。好きになる、そんな風にできれば。そう思ってこの紹巴織をこの意匠に使い、素材、糸の綴じをその方向に向けるようにしています。

 

まだ修正の余地はあるとは思います。ただ、裏も付けていない丸巻きの段階の帯を巻いているだけで、なんかいい感じ、いい雰囲気が伝わってきます。そんな空気が写真から伝わればイイなぁと思っています。

 

2015年12月13日

ブログにもふわふわバッグ登場

 

数年前、最初作るのは一回・1ロットだけのつもりで製作した『ふわふわバッグ』。

そう言いつつ、随分経っています。商売だけのことを考えると、例えばうちがメーカでなはくて、生地を仕入れて作る問屋であった場合、おそらく一番作りたくないバッグの一つです。帯で作る場合、一つ目は単純に生地を大量に使うこと。上下左右の無い全通の帯であれば、製作できるのは4つくらい。二つ目は帯巾はギリギリまで使うこと。特に紹巴織は、かがり縫いなので帯巾約31cm。この巾が偶然にもこのふわふわバッグをつくる際、限界に近い数値です。もし、織りの段階で巾に異常が出た場合、生地全部が使えなくなります。そんなことから避けたがる形です。

 

他の織物は多少広いので、巾の問題に関しては何とかなります。(紹巴織の強みである、高度な職人技がかえって裏目に出るのが、面白いといえば面白いですね。)

 

帯地を裁断する前に柄を決める、撥水の加工を施す、そして縫製と、仕上がりまで発注を掛けてから、早くても2カ月、お正月休みもありますので、実際には3月から遅くても4月前半くらいには上がってくる。今の時代だと、すこし気の長い仕事です(大体年2回の発注しかかしません。)。

 

作った当初は人気があり、じわじわ。そんな感じでした最近は、取材依頼やFacebookにUPしても評判が良いので、嬉しいです。

バッグの形によって、発注する回数時期が変わります。一度発注を掛けても、時間も掛かります。社内で生地探しは、必要となったとき、用意ドンで探すと、そういう時に限って作りたい、使いたい帯地は少ないことが多いです。また、時間も掛かって、結果とんでもなく、必要とする時期時期がズレてしまいます。今でもそういう傾向がつよいため、仕事の合間や並行して『あ、この帯地は絶対、ふわふわバッグに使える!』となれば、柄を写真に撮ったり、柄番を控え、目をつけておく必要があります。

バッグ作りだけではありませんが、このように何かに目を付ける、付けたら何時でも使えるように仕分けしておく。それが自分たちにとって、細いけど大事な仕事の一つです。

 

ただいま、こんな感じの生地で予定中です。

 

 

 

 

2015年12月07日

えらく先に見えるようですが、あっという間です。

 

来年の中盤以降に形になるかな・・・、と打ち合わせを繰り返し製作中を始めました。まだモノではなくて、こんな雰囲気の図柄、織りはこんなイメージ、色はここまでに抑える?素材は・・・、等々、意見を出し合っている状態です。となみ以外に1社と一人が加わる、計3つの出自を持ったモノづくりですので、いつもとは空気感の異なるコラボです。

ものづくりをする人がたくさん集まると、大概はまとまらない、立ち消えそうとか、上手くいかない、とマイナスな意見を言われることが多いので、そんな声に疲れないようにしながら、同じ方向を向けるように、ベース部分を作る打ち合わせには入念に時間を取り、考え方の方向性を合わせています。今回に関しては、基本的にとなみが中心となりますので、ベースの部分を議題にのせることはします。たとえば、一つの方向性として、こういう帯の感じをベースに、デザインを考え、帯を作る、着物を作る、それを意識しながら全体の調和を整えていきます。

 

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作楽

 

全員がとなみ帯の限界を知っているワケではありませんので、この帯だけで言えば、紹巴織の限界の細かさを見てもらえます。そこから、『じゃ、どこまでのデザインができるのか?』その技法をベースにデザイン、打ち合わせを繰り返し、最終一本の帯になるまで詰めていくことになります。←頭で考える理想形は・・・。

ただ、モノづくりをしている立場集まると、そう簡単に行かず『じゃ、ここまで表現をベースにやろうか。』といきなりハードルが最大限のところから話が始まって、次はもっと細かな表現がしたい。限界は既に決まっていたはずの話なのに(苦笑)、軽く超えてしまって『もっと細かく表現できるようにどうしたら良いか?』。すでにそうなりそうな気配が出ています・・・。

 

こうやって作るモノづくりですので、非常にやりがいがあります。魅力的なシリーズにするためには、他にもやることは沢山あります。ただ、作るほうが興味を持って出来るものでないと、ものにはダイレクトに響きます。多くのスタッフが関わるモノづくりですので、予定調和し過ぎず、意欲的なモノになるように、モノづくりに入って行きたいと思います。

 

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