となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「輪宝」と一致するもの

2016年11月15日

オッティ退院

帯地を全面に使って作るクマ(オッティ)。
唐長さんところに居候?している『輪宝文オッティ』がお直しから、
退院してきました。


今月17日唐長さんに帰るまで、2日間ほどショールームにいはります。


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(ちなみに、制作には表地一本丸々使っています)


となみ本社向かいのショールームでは、この超ビッグサイズが3つ(人?、匹?、頭?)
その他、中小サイズ、しゃねこ、うま、ひつじ、さる、と群れになっています(苦笑)。

干支は揃えたいと思っていますが、
そろそろ、『何屋さんですか?』と言われそうですね(笑)。

Pinterest『オッティ』
 →https://jp.pinterest.com/senpukuya5/オッティ/

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2016年10月17日

唐長さん尽くし。輪宝文の御召も

昨日一昨日とお客様が京都へ来られていました。
本社に来ていただくのが、メインイベントでしたが、その前は特別に、
工房見学等で色々と体験して頂きました。

その中の特別な一つに唐長さんの12代目の工房(修学院)へお邪魔させて
頂きました。さらに、今回は特別に唐紙の制作工程も目の前で見て頂き、
(しかも12代目自ら・・・)数名のお客さんにはミニ唐紙講習も・・・。


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事前にお客さんにはこの辺りのことはお伝えてしていませんでしたので、
大きなサプライズにもなり、良い感動を持って帰られたと思います。
(実際に、唐長さんの話はこの後ずっと話題にされていました。)


12代目、ありがとうございました。

一昨日昨日とそんなイベントがあり、さらに先ほど図ったかのようなタイミングで、
唐長文様『輪宝文』の御召の仕立も上がってきて、一日唐長気分に浸っています。

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『御召:仕立て上がり』

経糸はベージュの濃淡縞に、黄緑で文様を淡く織ったモノです。

また、この着尺を作る際にあった自分の中のイメージと見比べるために、
帯と合わせてみて・・・。

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また結ばれた所を紹介させてもらいますね。

そんな2日間でした。。

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2016年07月29日

輪宝文で紗を織ってみました。

帯にするかは、ちょっと横に置いておいて、まず色んな試験を取ってみました。

輪宝文』の総紗縫です。

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唐長11代目奥様好みとして、最近物凄く注目されている意匠。
最初の帯は紹巴織で織りました。

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この帯は、南蛮七宝を陳列する際には常に一緒に持って行きます。
唐長文様同士をコーディネートしたりもしますが、この輪宝文、
気がつけば自然に他の着物の上にコーディネートされ、上手く着姿の顔になっています。

その様子はかなり自然に。
文様としての主張はあるのに、どこでも馴染んでしまう。
唐紙で頂いた異なる配色もありますが、全部そんな感じ、ホントに不思議な柄です。

今回は一番上の写真。
総紗縫の輪宝文の試験です。目出し(試験織)で取ったのは6つ、横段になっている部分です。
色と素材を変化させて、柄の見え方、色の出方、素材によっての帯巾は?透け感は?
等々、1つずつ様子が違うので、チェックしていきます。

生地として織り上がっているので、モノづくりの終盤に見えるかもしれませんが、
全体を100とすると55〜60くらいの中盤です。

最初に織った紹巴織とは違い、各織物には表現力に限界、得手不得手があります。
今回の仕上がりを見て判断するつもりでしたが、この総紗縫の帯に関しては、今のところ無地に近い感覚で、
全体の色目を今まで無いような【青】を使って、モノづくりする。そちらへ持っていくつもりです。

おそらく帯まで持っていけると思いますので、仕上がりを楽しみにしていてくださいね。

2016年06月23日

6月の追い込み 着物制作。

日曜日から奄美へ三日間行きますので、6月最終週の来週京都にいる日は、2日間・・・。
あまり時間がありませんので、今月中に上げていきたいモノ、次の工程に渡しておきたいものの仕上げに掛かっています。

今週初めの段階では、今月中にやらなければいけないことは、ギリギリ間に合いそう。でしたが、大変押しています(例えば、昨日だけでも二時間ほどで終わる予定の仕事が午後全部使ったり(笑うしかないです。 笑)とっても厳しい事態です(苦笑)。

それもモノづくりが壁にぶつかり悩むのではなくて、盛り上がり過ぎているためで、まあ仕方がないかな(押しているのは、なんとかします 笑)。特に若手が中心のモノづくりなので、その空気を大事に、勢いまでその中に組み込んでいければ、面白い仕上がりになりそうです。

具体的に、一つのモノづくりは、新しいコラボの立ち上げ。

一年以上モノづくりの摺り合わせ、特にベースとなる方向性の打ち合わせに時間を掛けています。
それがやっと、三柄だけですが、図⇒型が完成、素材となる生地も決まりましたので、目に見えて進みました。

そして、もう一つは秋用の御召の打ち合わせ。特に新柄出し、です。
となみ織物で作る着物の中の柱です。今までは主に私がやっていた所に、ちょっと新しい空気を入れてみます。

以前も若手との帯つくりのところで書いていたと思いますが、とにかく口を出さない。目でもモノを言わない。後からも何も言わない(笑)、仕上がりとお客さんからの感想ぐらいは聞く。

それを強く強く意識して、同行しています。大変難しいですが・・・(笑)。

たまに違うなぁと思うときは、この感じが良いんじゃないか?
という反物を気づくように流してみたり・・・(笑)。

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『仙福屋の御召/輪宝文』
  ←こんな織物の上げ方が良いのになぁと無言で横に置くとか・・・笑

まだまだ、言いたくなるので、ダメですね〜(苦笑)。

2016年06月01日

左うちわ/輪宝文袋帯

本社向かいショールームの入り口には、きのう唐長さんより届けていただいた『輪宝文/左うちわ』を飾っています。

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この輪宝文は唐長さんが所蔵される650柄もの中で、最も吉祥文が集った最高に縁起の良い文様です。
また、さらに11代目奥様好みの柄でもありますし、南蛮七宝文様に近い思い入れがある意匠になってきました。

この輪宝文で帯を制作する何度も修学院へお邪魔させて頂いていましたが、その時もこの左うちわの話は何度か伺っていました。特に奥様の郁子さんが言われて印象的だったのは・・・

『このうちわを左手に持ってあおぐと風が幸せを呼ぶの。』

それが頭に残っていますので、ショールーム入り口に置き、そこから幸せを呼ぶ風が入ってくるようにしています。確かに、じっとこのうちわを見ていると・・・。眺めているだけでも、そんな気持ちになってきます(笑)。

そして、この『左うちわ』の向かい側には、うちわの唐紙を元に製織した『輪宝文』の袋帯を置き、

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入り口から入ってこられた方をこの2つで挟み込む様にしています。

相乗効果でさらに幸せを感じることのできるかな?もし、京都に来られる際には、ぜひ『うちわと帯』に挟まれて幸せを感じて頂きたいです(笑)

他にも、近々郁子さんの本も届きますので、しばらく唐長三昧になりそうです。

2016年05月11日

色の整理=廃盤作り

 

試験織(目出し)というと、初めて織る織物の具合をチェックすることです。
意匠図を作った後、それがこちらの意図通り織れているのか?を見ます。ごく稀に頭の中では全く気付かなかったこと、例えば十センチなら何とか織れても、帯一本分は織れない、ことがあることも。綺麗に織れた様に見えても、織りクセが出ていたり、と意匠図(=設計図)が出来たと安心していても、意外にチェックすることは多いです。

 

そして、この試験織のもう一つ目的は、色を見ること。意匠図作る、織りのチェックする、問題ない、じゃ次はというと・・・。
具体的に色を配置して、全体としてどういう色の雰囲気を織り出せるか?の確認で織ります。そして、帯は大抵の場合、イメージの中にある色を何色か試して、そこから1色もしくは2色くらいに絞って、最終帯を織ります。

これが織りの場合、(特にうちは文様がシンプルなモノが多いですので)10数色を織ってから、どうしてもダメなもの以外は残します。いいモノを残すか、ダメなものだけを省くのか。帯と着物の配色選択、アプローチとしてはちょうど反対です。

 

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『輪宝文様/着物試し織』

 

さらに、新しい地色の帯が出来ると、そこに合わせる着物の色を増やしまいますので(苦笑)、気がつけばエライことに・・・。例えば最初は5色でも時々の追加で、いつの間にか倍の10色になっていることもあります。

 

そんなこんなでモノづくりとして増やしていくのは良いのですが、あまりに増えすぎると『えっ、こんな色織ったかな?』になり兼ねませんので(台帳を見れば分かりますが、それではダメですし・・・)、その色数を整理をしていました(これではイカンと、かなり久しぶりに)。

 

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『濃地の選択中』

 

まずは、南蛮七宝文様から。最初に色数を決めた時から追加していく度に、真剣に選択しての20色を超える色数です。
絞る(=廃盤を作る)というのは、至難なことでしたが、結果14色(薄地7、濃地7)に。

 

また少しずつ色が増えて、それを絞る。それを繰り返して行き、その時に応じた色を常に意識して、織ってしまったものはそのまま、という惰性のモノづくりに成らないように、手を入れて行きたいです。選んだ色はまた、見て頂けるようにしますね。

2016年04月01日

仙台⇒京都へ戻ってきました。

 

仙台出張2泊。半年ぶりに行ってきました。
実質2日間だったので、あっという間に終わってしまい、今日は京都にいます。その2日間をお客さんと目一杯、雑談を交えた着物中心話をさせて頂きました。モノづくりのヒントを沢山。気付かされることも沢山。刺さることも沢山と、とても実り多い出張でした。本当にありがとうございます。今日は、その頂いたものを一日中、整理⇒紙に書き出し、また整理(ときどき電話)ということをしています。今からそれを種にして、次の大きなモノづくりへ育てていきたいです。

 

今回は南蛮七宝文様の他に少し大きく『輪宝文』の帯を持って行きました。まだ帯だけの紹介でしたが、とても評判が良く、当初想定していた南蛮七宝とのコーディネート以外でも多くの着物と合わせて頂いていました。これから御召や小物でも製作していきたい文様ですので、大事にモノづくりしていきますね。

 

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他にも、伝えたいことが多くあり、モノづくりのメモと混在してダーッと文章を書いていました。この日記に書くにはあまりに整理がつきませんでしので、まずは輪宝文だけを・・・。京都から出すぎるとモノづくりが止まり、頭も切り替わってしまって、元に戻すのが大変になりますが、月一、二回くらいは出て色んな話を聞かせて頂くほうがイイですね。モノづくりで、その時考えていたことや悩んでいたこと、帰ってきても解決はしませんが、なんとかなりそうな気がしてきました(笑)。

 

後は帯づくりでお返ししたいと思います。

 

2016年03月24日

少し遠出。輪宝文/御召

 

新作御召の打ち合わせを現場で行ってきました。
市内から少々離れていますので、営業時間内に日帰り出来る距離ですので、旅行と行かないまでも、車内でも十二分打ち合わせができます。新幹線では自分の仕事にグッと入りがちですが、車では(寝ないので)途切れずお互い話しし続けて、案が出れば、それをメモをする。図案や新しい織組織の前の前の前の・・・段階ではありますが、共通認識を作るためにも役に立ちます。これも、一つのモノづくりです。

 

さてさて、着物を作るのは、帯のモノづくりと似ている部分と、そうでないところ。もちろんあります。

みなさんの目からすると、帯と着物(織り物の場合)のモノづくりはどのように映っておられるのでしょうね?帯つくりにどっぷりと入ってる立場から見ると、さすがに客観的には見れませんので、もう分からなくなっています(苦笑)。似ている様な感覚で進めていると、さっぱり分からない所もあったり、反対に帯で当たり前に行っていることが、新鮮だったり・・・。帯あっての着物、着物あっての帯、そのあたりがモノづくりにも反映しているようです。

 

今回ここへ来るにあたって、一つの目的はこの輪宝文の御召をみること。紆余曲折がありましたので、少し心配していましたが、無事最終試験の目出しも上がっていて、いい仕上がりです。また、機に掛ける前の輪宝文の紋紙を見ることが出来たは、とても良い収穫でした(西陣では紋紙を見る機会は少ないので・・・)。

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今のところ、濃い地色よりも薄地の方が面白そうなので、これからの季節(仕立てしたら間に合うかな??)、楽しみです。自分としても、一枚羽織作りたいと思っています。また、上がり次第、紹介しますね。

 

他にも、今までのモノを風通組織に改良を加えられそうなモノ、以前11月末に紹介した木花御召の完成品直前等、充実していたと思います。今までの帯でもコーディネートできますが、新しいカタチの着物を見ると、また帯を作ろう!そんな気持ちも盛り上がりますので、また明日から頑張ります。

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2016年03月14日

唐長さん、フルコース

 

今日はほぼ一日唐長さん尽くしとなりました。なかなか味わえない、贅沢な一日です。
朝は11代目夫妻との打ち合わせ、昼からは12代目と水上殿で。モノづくりの話、次への前向きな話、8年後の400年に向けての話と、多岐に渡ってやりたいこと、進めなければいけないこと、解決すべきことが山程あります。

今は問題だとしても、それを1つずつクリアできれば・・・、8年後と言わず、2,3年もすればワクワクする事態になりそうです。そんな話も含め、今日の今日の話です。まずは自分の中でまとめて、形にしてから、また皆さんに見て頂けるようにしたいと思います。

 

そして、夕方帰った来た時に上がってきたのが、輪宝文様の御召目出し、その2。

 

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『輪宝文様/御召目出し その2』

 

モノづくりに関しては、いつもこういうピッタリのタイミングで何事も進みます(笑)。普段気づかないことも見つかり、意匠図(柄の設計)を触れるかどうかで悩む部分も明確に。唐長さんの話を聞いた流れで集中してモノづくりに掛かれることは、本当に有難いです。

 

右がその1,左がその2。結局、配色は置いておいて、その2でも再修正を掛けていきます。来週にはその修正も終わり、再度試験を取った後、本番へ向かっていきます。

 

濃い一日でした。。。

 

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2016年02月29日

ゆっくりながら再始動。輪宝文様の御召/試験織1

高松から京都へ帰ってきました。花粉症と風邪で本調子ではないのですが、溜まったモノづくりを見ると、結構元気がでてきます。いくつか並行したモノづくりはどれも一斉に手を付けていきたい気持ちもありますが、それをやってしまうと、混ざってしまいます。そうならない様に、一つずつ進めていくのが安全です。

 

今、比較的に完成/ゴールに近いものは作楽の新柄。それに今まであった紋の配色を変更するモノ。織り組織に変えてリメイクするモノ等々。量で見ると、ぞっとします(笑 出張中にはそれを整理していました。)。他には図案段階のCandyCircus3柄目、メルマガに掲載していた『しぼ織』、唐長文様の帯等も優先順位を変えながら進めています。この辺り全て引っ括めて、たのしみの宝庫です。

 

今日は、その中でも一番ゴールに近そうなモノ作りの検討を行っていました。ざっくりとした部分は、出張中でもメールのやり取りで進めていたものの、やはり織りの実物を見ると、修正点はもっと見えてきます(それでもやっていたくなります)。

 

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『唐長輪宝文/御召の試験』

 

細かな修正点は色々とあるにしても、大きなのは2つ。
1,全体を構成する輪宝部分(◯のところ)が楕円具合がきつい←筬での打ち込みが入りすぎています。
2,文の真ん中の上げ方が異なる。

とはっきりしています。←写真ではそれも見逃しそうになることも・・・。

 

後は、実際にお手本にした唐紙と試験織との間を何度も目を行ったり来たりさせて、最後の詰めを行います。

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『お手本にした唐紙/輪宝文様』

 

大きな修正点はだれでも見つけることが出来ることができますので、、それ以外の修正点に気がつくことと、仕上がった紋に対しての配色がここからの自分の仕事です。

 

来月中旬に、唐長さんの三条店で初反の発表ができれば・・・上出来です!

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2016年02月15日

三条店リニューアルオープン

 

今日は唐長さんの12代目・三条店リニューアルオープンのため、1日唐紙に囲まれるイイ一日を過ごしました。書きたいことは沢山ありますので、メルマガFacebook等に順序よく出して行きたいと思っています。

 

今日はひとつだけ。

この2月15日をリニューアルオープンの日に選んだ一つの理由が、この日が11代目女将(12代目のお母様)のお誕生日だったこと(ちなみに昨日は11代目のお誕生日!)です。

 

そのため、サプライズで女将好みの輪宝文様(一番上部はお太鼓になっています)で作って頂きました。そこにいたお客さんも含め、みんなでHappyBirthdayを歌い、ちょっと特別な1日になったと思います。

『来年も唐長文様のケーキ、作ってや。』そんな言葉も頂きましたので、今からアンテナを張っておきます。

 

『このケーキ、誰がカットするのか?』もちろん、譲り合いが起きていました(笑)。

 

この三条店の空間は特別ですので、随時今後も紹介させて頂きたいと思います。

 

 

2016年02月13日

準備。

唐長三条店での準備。

昨年の古川美術館/為三郎記念館『唐長の世界』でも同様、唐紙で囲まれたスペースの中に唐長文様を使った帯地や着物、小物を並べるのは、本当に楽しく、いつもの陳列・展示とは違う体験をすることができます。帯と唐紙との同柄があれば(例えば南蛮七宝帯の横に南蛮七宝のランプ)素晴らしいですし、光悦月の帯の近所に兎の柄があれば、月を見上げる兎の情景を頭の中に思い浮かべてしまいます。

 

ここ三条店も物凄く広いスペース、ではありませんが、何度も訪れたはずのに新しい発見がありますし、しばらく椅子に座って空気感を楽しめます。

南蛮七宝文様で製作したモノを中心に展示をおこなってきましたが、11代目の奥様とのコラボで製作中の輪宝文のモノも少しだけ並べています。

(右上には足ものぞいています。)

 

昨日UPした三条店のFacebookもありますし、このブログでも随時情報は皆さんにお知らせしていきますね。京都に来たときには三条店に寄りたくなる、そんなモノづくりをして、発信しています。

 

今週はずっとバタバタでしたので、明日はひさびさに充電できればいいな、と思っています。そして、月曜日はオープン日です。

 

2016年01月26日

輪宝文続く。

 

昨日の輪宝文に続いて・・・

 

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【輪宝文/宿題の続き】

 

唐長11代目夫妻より宿題を頂いている輪宝文の試験織。すでに何度か試験を取っていて、前回書いていたシーソーの様に揺れながら、なんとかバランスを取って、できた配色です。一色しかうまく行かなかった時は、今日出すのを止めておこうと思っていましたが、(なんと)3つともバチっと決まってくれました。一色で大変だということもあれば、こうやって一つの生地上で三色とも上手く行くことも・・・。この辺りがモノづくりの面白いところですね。

 

この時に糸を出した紬を通したモノも上がってきていますので、多少修正を掛けながら最終段階へ持って行きたいです。
『全然、進まんなぁ・・・。』と最近は手詰まり感も感じていましたが、なんとか錆びた歯車が回るようではありますが、いい方向へ進みだしています。

 

 

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2016年01月13日

昨日の輪宝文。

 

昨日、本社に唐長11代目夫妻が来られ、『輪宝文』を交えての打ち合わせを行いました。まだ、詳細は発表できませんが、後日その内容は詳しく紹介したいと思います。今回はその空気をお伝えします。

 


この『輪宝文』自体は、まだこのブログぐらいでしか紹介出来ていませんので、今のところお客様の反応は聞くことはできていません。ただ、唐長さんや社内スタッフ、極一部の方々等の周りの反応は大変良いです(裏地の文様に関しても◎です)。今年は、この輪宝文と南蛮七宝を、自分のモノづくりの柱の一つとしていきたいと思っています。

今は、11代目から頂いた二つ目の配色に取り掛かっています(現在試し織り中)。

現状、経糸の関係で文様に使う三色のバランスを取っている最中です。一色目と同じ様な流れでモノづくりができそうですが、薄い地色三色同士→濃い色が一色入りますので、濁らな様に。そこだけに集中してのモノづくりとなります。写真の試験は濃い地色に、全体が少々引っ張られていますので、そこを修正する必要あり。


南蛮七宝文様と同じ様に、持つ、結ぶ、見る、そうやって少しずつこの文様に惹かれる方を増やしていきたいと思います。通常のとなみ織物の帯とは少し違った、紹介・展開・流通となっていきますので、このブログやFacebookでちょこちょことこれからも登場予定です。

 

 

この日の目的はこちらもあり。。。

 

2015年12月28日

今日が最終の営業日

 

今日はとなみ織物2015年の営業最終日です。
今年も一年間、ありがとうございました。

会社全体としては、午前中は通常営業。午後から大掃除、そしてちょっと早めに切り上げて、忘年会となる予定です。

私は午後から唐長さんの修学院へ。来年のモノづくりの打ち合わせにお邪魔させてもらいます。また、ちょうど来年発表する、『ちりよけ』も上がってきましたので、それも一緒に持って行ってご意見を伺ってこようとおもいます。ちなみに、先日このブログでも紹介していた白生地です。染屋さんに『急ぐわ!』と言って頂き、なんと年内に上げてもらえた反物です。

 

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【輪宝文(経糸/タッサー)】

 

 

あの白生地段階ではこの素材の持つ独特の光沢や素材感、透け感はそこまで伝わってきませんでしたが、配色した染料が文様の中に入ったモノを見ると、雰囲気が出てきます。当初は、来夏で終了予定の『ちりよけ』の代用的なつもりで製作していましたが、それとは違った仕上がりになりました。

 

それはそれで困った問題ではありますが(苦笑)、イイ出来なので、もう一度完全に代用品を作り直すのか?もう一つ全然違うモノ作りをして、穴を埋めてしまうのか?その辺りは来年か、休み中に考えたいと思います。この染め上げも反物で見るのではなくて、仕立てあげて、着物の上から羽織ってどう?それもありますし、配色違いの見え方はどうだろう?等など、楽しみは沢山もって、来年に突入できそうです。

 

期待していてください!

2015年12月18日

輪宝七宝つなぎの塵よけ。白生地上がる。

 

唐長11代目の奥様好み、【輪宝紋】。帯で製作したモノは以前紹介しました。

 

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これの元となった、からかみの作品は二つの版木を使って製作されたモノです。その雰囲気を帯に活かそうと、白に近い薄い地色の上にのる2色に関しては、敢えて同じ高さに緯をいれず、ホンの僅かに立体感がつくように設計しました。

 

そして、この帯の裏地には輪宝紋の版木の一つ、『輪宝七宝つなぎ』が控えていて、袋帯として両面を結んで頂けます。

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南蛮七宝文様と同じくシンプルで力強く、文様には普遍性も感じられます。紋を作る時には、一瞬悩む所がなさそうなシンプルな意匠ではあるのですが、織った後、帯に違和感を感じない様にするためには、(二つを横に並べて比較しても全く分からない位の)僅かな修正を加えます。この作業のときは、文様とじっと対峙します。そこで何も感じない柄もありながらも、この意匠に関しては惹かれるものを感じました。おそらく、大きく開いた間の微妙な加減だとおもいます。

 

その間をさらに活かしたいと思って製織したのが、輪宝七宝つなぎの『塵よけ専用の生地』。

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意匠はこの『輪宝七宝つなぎ』。そこにタッサーシルクを使い、シャリ感のある風合いを作りました。通常の絹と違って染料の吸収具合とか変わってきますので、今のイメージでもって進めたいのと、年を跨ぐと強烈に記憶が薄れますので、今日、早速染め出ししまた。年の瀬のバタバタなこの時期に、『年内に染めた雰囲気が見れたら、うれしいな・・・。』と遠回りながら職人さんに無茶をお願いすると、何とかするわ。の返事を頂きました。感謝です。

 

今夏終了の南蛮七宝文様の塵よけ。織りも素材も違いますが、雰囲気が似ている様な気がします。とても使い勝手に優れた生地でもあり、人気も頂いていましたので、その代わりとしても、期待しています。

 

 

2015年12月04日

やっぱり本仕立ての帯はイイ。

 

袋帯は丸巻きの状態で織り上がり⇒裏無地と合わせて仮仕立て⇒帯芯を入れて本仕立、結びます。
そのため、普段わたしたちが目にする回数が多いのは、丸巻き状態の帯もしくは仮仕立ての帯です。

 

丸巻きから仮仕立てへは、反物が帯の形になるので、大幅に形状は変わります。その後の仮仕立てからの本仕立てへは、すでに帯の形をしているので、あまり変化が無いように思います。

が、やはり最終の検品を通過し、帯芯が入っていつでも結べる状態の『帯』になると、印象がガラッと変わります。『女性(男性)は、きものを着る女っぷり(男っぷり)が何割も上がる。』とたまに聞くことがありますが、この帯の仕立ても同じ。主観ですが1.5倍くらい良くなります。このことは色んな所で書いたり言ったりしています。

 

今回は、この『唐長輪宝文様』の本仕立てが上がってきました。

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先ほど、この帯を何度見られたことのある方(社内スタッフでありませんよ)が、『わぁ〜。』と感嘆の声を上げられていました。何度か見ていた帯だからこそ、仕立て前と後の変化に気が付かれたのかもしれません。ちなみに、この帯に関しては地の糸、茶とブルの糸の綴じ方を変えています。仮仕立ての前でもその差は分かるのですが、芯が入ることで内から外へ糸が押し出されるようにして、隆起がクッキリ感じらる様になりました。わぁ〜の気持ち、分かります。

 

なかなか本仕立て後の帯を展示場に陳列することは少ないので、あまりこの面での感動は感じてもらえません。個人的には、少しだけでもそうした使う直前にこれだけ帯が変わるよ。と感じて頂ける様な工夫をしたいなぁと思っています。そのためには色々とやれば面白いこと、沢山考えがありますので、ちょこちょこ実施していますね。楽しみにしていて下さい。

2015年07月24日

輪宝文様・完成しました。

 

昨日は座る暇なく、一日京都の歴史の中にいました。
聞く話、全てが100年単位の話でしたので、いかに普段歴史の中で生活と仕事を
しているのか、こういう時に気付かされます。

昨日の唐長さんでもそんな話が出ていました。
中に入ってしまい、それが日常になってしまうと、それが自然になってしまうんだなぁ
とこちらでも感じさせられました。

 

さてさて、ここしばらくは唐長モノづくりを取り上げることが多く、
それ以外はどうなっているんだ?思われるかもしれません。

でも、今日もその唐長柄の袋帯です(苦笑)。
そこまでやって、やっと一柄・・・。以前、紹介していたモノですので、
見られた方もあると思います。

からかみの色を織りで再現するとともに、織での陰影を織組織で出そうと、
意匠図段階ではもちろん、配色での糸使い含めて、改良と工夫をしました。

 

写真では少しくらいの変化にとどまるかもしれませんが、実際に見た質感は
段違いに変わりました。色の透明感にしてもホンの0.数ミリですが、糸を合わせる
ことで、随分と変わります。

でも、これは実物を見て頂かないと、判りにくいところかもしれません。

 

そんな修正を加え、完成した輪宝柄です。
 

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裏に関してもギリギリまで、白の白さと透明感を保つために、
この裏地に使う色糸同士のバランスを調整しました。

 

この二つが両面になった袋帯。

素敵なできだなぁとシミジミ、個人的に感じましたが、皆さんの反応も楽しみです。

2015年06月21日

青色。

 

今日は久々の一日休みだったこともあり散歩していました。
その時見つけた青です。

 

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となみ社内には何千色も色糸はありながら、やっぱり敵わないのが、自然の色。
元々の本物なのだから、仕方がありませんし、できる限り近づけようと努力するのも、
新しいモノづくりに繋がっていきます。

 

今、ちょうど製作しているこの輪宝文様にと思っています。

 

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2015年06月19日

ひそませる色

 

唐長文様のモノ作り。
新しい文様は帯地で順調に進んでいますが、ベースとなるのはやはり南蛮七宝。
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/06/post-2156.html(参照、輪宝文様)

一度完成させた織や技法を後に他の柄へ応用を効かせることは、
その柄特有の問題(大きさや雰囲気作り)を除けば、そんなに難しくありません。

ですので、今は良いと思うことを南蛮七宝文様で、試行錯誤、繰り返しやっています。

 

今回、目指すモノづくりは、生地に色を潜ませること。

唐長さんが良くお話され印象に残る『色』は、シックや渋く見えてもきれいな色を潜ませることで、
はんなりとさせることができる。簡単そうで深い言葉です。

糸と染めでどこまでの表現が出来るのか、わかりませんし、自分なりの勝手な解釈になることも
ありますが、まずは『あ、これか。』と自分のお腹の中に落ちるまでは試行錯誤の連続です。

じつは、昔にほぼ同じ目標でモノづくりへ取り掛かりましたが、少々中途半端に終わりました。
失敗とは言えず成功の部類に入るとはおもいますが、落ちる所まで行っていませんでした。

文字で書くとこんな感じです。
白生地には白(もしくは生成り)が潜んできます。ただ、染めて色を乗せても、
見慣れているせいか、その白は目には入ってきません。

以前の時は、敢えて生地に白色を潜ませようと、
生成りではなく、白に染めた糸を使った先染め御召を使い、白を潜ませようと染めてみました。

結果、奥行きを感じる、とても良い雰囲気を持った反物になりましたが、
狙っていた目標までのホンの僅かに届かなかった、勿体無さも感じていました。

 

失敗というよりも成功だったので、それ以上直すところも見つからず、それはそれで。
だったのですが、今回はある所からヒントをもらい、ベースに使う御召を変更。

色は、『白⇒萌黄色』です。
 ※春先に芽吹く若葉の様な明るい黄緑です。

 

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経も少し変えて、上から引く染料に馴染みきらないように、工夫もしています。

 

ちなみに、引き染めで上から引く色は『少しひねたグレー』。

最終の目指す所は、正面から見ると、ひねたグレーが、ふとした拍子に、もしくは光の加減で、
底から萌黄が浮いてきて、薄い地色の着物を着ているような透明感、きれいさを感じることが出来る。

そんなイメージです(文字は難しいですね〜(苦笑)細かい話ではなく、清々しい綺麗さを感じるけれども、
見た方はそれがどこから来ているのか不思議に感じる。そんなイメージです。)

 

 

そして、完成した染め上がりはこんな感じ。
写真でその萌黄を出そうと色々してみたので、upしておきます。

DSC05580.jpg

 

DSC05563.jpg

 

DSC05588.jpg

 

この手法ではまだ数反程度の経験しかありません。
まずは一つ目の『おっ』と思えた、成功作です。

今後は、どんな底の色に、どんな色を掛けるのが、きれいなのか?
まだまだこれから試行錯誤して、その感覚を磨いていきたいです。

 

 

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