となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「Candy」と一致するもの

2016年11月26日

CandyCircus3のお腹『作品』

明日からの『打ち合わせ中心』出張に備え、モノづくりはこの数日間、少々滞り、それ以外の仕事、撮影や会議、資料作りなどを中心に行っていました。


『撮影』はカメラ好きなので、ストレス無く、(そんなこと、しなくても良いのに 笑)敢えて課題を課しながらでも、楽しめるものの、それ以外は、特に資料作りなんかは困難に困難を極めています(苦笑)。


何か頭の中にあるものを喋って、自分の思った通りに伝えることや、メールや紙にでも、文字、絵、何でも良いので書いて、伝える。いやー、なかなか難しいですね。

帯だったら、(絶不調なとき以外であれば)頭の中にある形にするのはそう難しくないのに、う~ん・・・。と呟きながら、ちゃんとすることはした数日間です。


そんな真っ只中、届けて頂いたのが、


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CandyCircus3の『蝶々』柄、お腹部分の元になった作品。


それをしばらく見て、お腹だけでなくて、お太鼓に持ってきたいなぁ。そんな帯には、今作っている名古屋帯の織組織がイイかなぁ〜。それか紗にしようかなぁ。このまま利用して、半巾もおもしろかも??

と今ある問題をちょっと横に置いて、帯を想像しているだけで、少し気が楽になりました(笑)。
やっぱり、わたしには帯作りが向いているのかもしれませんね〜。

2日間ですが、明日から行ってきます〜。

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2016年10月29日

『CandyCircus4』 マンゴスチン

舟田潤子氏とのコラボシリーズ『CandyCircus』。
今、制作中なのは4柄目。今までも十分個性的な意匠が多い中、今回も面白い帯になりそうです。


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『CandyCircus/マンゴスチン』(試験織ver2)』

新しい試みとして、今回は紹巴織に紬糸を入れること。
それ自体は他の柄でやったことはありますが、今度は舟田さんの色を保ちながら、
紬の節も上手く利用したい、そんな試み。

柄を出すために、
糸の通す順番、場所を考え意匠図を作り、紬糸を通すと、
節が立ち色が濁るところを、糸本数でカバー、
(織物の限界はあっても)できるだけ地色を最大限『白く』したい。

意匠図(設計図)を作る際、漠然としたイメージだけ取り掛かるのではなくて、
自分がイメージすることを、ちゃんと言葉&文字にして、モノづくりに誤解が生じないよう、
気をつけること、今までやってなかったことを明確にして、取り組みました。

どっからどう見ても、何かの打ち合わせに見えて、
帯づくり、という感じは全くしない、制作現場でしたが(笑)。

紋は終わり、今は最後の詰めの配色段階ですが、困ったことに悩んでいるのは、
そもそも、『この帯を袋帯にするのか?名古屋帯にするのか?』の部分です。

先日制作した紬糸を通した紹巴織の八寸名古屋帯(『Henna』)が、
いい具合に織り上がっていますので、余計に悩むところです。
(本来、はるか手前で決めておかなくては行けない所なのですが・・・ 苦笑)

このCandyCircusシリーズ、帯だけでも、3柄(水花、舟、蝶々)の袋帯。
しぼ織(アネモネ)名古屋帯。
この後に、もう数柄名古屋帯を加えても・・・。

CandyCircus3 蝶々

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 →『Candycircus3完成

CandyCircus2 舟

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 →『Candycircus2 仕上げ最終。

CandyCircus1水花

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2016年10月28日

『作楽シリーズ/Henna』

新しい帯が出来ました。
この帯について、書くことが沢山あります。


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まず一つ目、相当久々の新作の作楽シリーズ。
しばらくは、唐長・CandyCircus、着物、小物のモノづくりにほとんどの時間を振っていました。
今回は土台仕様から作るために、多くの時間を使い、長期間試行錯誤の上、制作しました。

この帯意匠のモチーフは『Henna(ヘナ)』。
このヘナという名前はインド、中近東に数千年前も昔からある、ヘナという植物を使って肌に紋様を書く、ヘナアートから来ています。婚礼や様々な儀式に行われて、描かれる意匠には幸せや吉祥、魔除けの効果をもたらすとされています。

このHennaの帯は、ヘナアートの作家さんに一からデザイン、それを元に制作したものです。
市松を構成する一つ一つの柄に意味があり、祈りがこもっています。

そして、織組織は紹巴織+紬の『紹巴紬』。通常の紹巴織の緯糸に紬を加えて製織。
さらに通常の絹糸も合わせる本数を変え(約1.3倍増)しなやかさを残しながら厚みを持たせています。

生地の想定としては、八寸名古屋として結んでもらうこと。


デザイン、紋を最大限シンプルにして、原料、質、織りは変えることなく、(裏地も要らない分)
価格はお手頃なところまで・・・。と思っています。


個人的にはしばらく、そんなモノづくりにも力を入れていきます。


※ちなみに、帯の前にこれと同じ図案を使い、貴久樹さんとのコラボで制作した小紋もあります。
(そこから今回は帯用として、柄のサイズ・配色に修正を加えて制作したもの。)

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『小紋(タッサーシルク使用)』

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2016年10月24日

『ふわふわバッグ』の発注を考える・・・。

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ふわふわバッグ

このバッグは、帯屋泣かせです。


一つを制作するのに必要な尺は、バッグ史上最高の長さを必要とします。

また仙福屋の小物作りには暗黙のコンセプトには、

『着物のお太鼓姿をバッグにも。』があり(笑)、

帯地をタレ先から順次、必要な長さをカットして制作していく・・・。
というわけにも行きません。

バッグでも花緒でも、その帯の持つ魅力が一番伝わるところを中心に据えて裁断、
縫製をします。ということは、ほとんどの場合それはお太鼓部分の柄ですので、
裁断の際、端切れとなる帯地も一杯出てしまう、本当に贅沢な作りです(苦笑)。

さらにさらに、その柄を出す部分のこだわりも凄まじくなっていて(苦笑)、約2m。
一つのバッグを作るのに、帯地を要する場合があります。

帯の長さは、約4.40mですので、割り算して、2つ・・・。

※端から端まで使えるような柄であれば、3つギリギリ取れることもありますが、
それは、ほぼ例外・・・。


では、『それでも、なぜ作るのか?』

少し現実的な理由としては、バッグ自体、大きいものから小さいモノまで
デザインが無数にあるため、折角できた人気の型は続けていきたい。
そんなこともあります。
が・・・。

それよりも・・・


パッと通りすがりのお客様を惹きつける形。
持たれている方からの絶賛。
バッグの用途としても優れている。

とあれば、作るしか無い・・・。
本当に泣かせてくれるバッグです(苦笑)。


今回、発注を出すのは『CandyCircus』シリーズの『アネモネ』。
しぼ織をふわふわバッグに。

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『アネモネのほわほわバッグ』

バッグ元々のふわふわした形に、しぼ織のしぼ感。
当初、このバッグを作り始めたとき、この相性が一番良いと考えて、制作。

それから随分と経ちましたが、今見ても、いい組み合わせだと思います。


ちなみに、着物とは少し離れたお客さんの多い、舟田さんの個展でも、このふわふわバッグは展示して頂いていて、
そちらでもイイ評判を頂いています。


※帯地を作るのに、絹糸・金銀糸などの原料、織り手さんの工賃、紋・図案費を考えると・・・。
と割が間違いなく合わない・・・となりますので、余った経で織った生地、
もしくは織キズが出た場合、そこを外して裁断などなど出来る限りの努力を行っています。

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2016年10月17日

唐長さん尽くし。輪宝文の御召も

昨日一昨日とお客様が京都へ来られていました。
本社に来ていただくのが、メインイベントでしたが、その前は特別に、
工房見学等で色々と体験して頂きました。

その中の特別な一つに唐長さんの12代目の工房(修学院)へお邪魔させて
頂きました。さらに、今回は特別に唐紙の制作工程も目の前で見て頂き、
(しかも12代目自ら・・・)数名のお客さんにはミニ唐紙講習も・・・。


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事前にお客さんにはこの辺りのことはお伝えてしていませんでしたので、
大きなサプライズにもなり、良い感動を持って帰られたと思います。
(実際に、唐長さんの話はこの後ずっと話題にされていました。)


12代目、ありがとうございました。

一昨日昨日とそんなイベントがあり、さらに先ほど図ったかのようなタイミングで、
唐長文様『輪宝文』の御召の仕立も上がってきて、一日唐長気分に浸っています。

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『御召:仕立て上がり』

経糸はベージュの濃淡縞に、黄緑で文様を淡く織ったモノです。

また、この着尺を作る際にあった自分の中のイメージと見比べるために、
帯と合わせてみて・・・。

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また結ばれた所を紹介させてもらいますね。

そんな2日間でした。。

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2016年09月27日

となみ織物ショールーム「CandyCircus」展(舟田潤子氏も参加)。

土・日と2日間の短い期間でしたが、非常に盛況だった「CandyCircus」展。
作家の舟田潤子さんも、ずっと会場に居てくださり、ほぼ切れ目の無く来店くださった
お客様への作品説明等を行って頂きました。


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(ショールームも作品とともに展示)

帯・着物・小物・その他・試作品まで全て一箇所に集めて展示したのは初めてです。
着物を見に来られるワケではないお客様・帯着物の比率は少ない展示、その雰囲気の中、
参加した、となみスタッフも、この世界観に2日間べったり浸り倒していましたので、
おそらくこの世界に感化され、今後のモノづくり、配色面なんかは特に、
しばらく元に戻らないような気がしています(笑)。

まあ、それは新しいモノづくりができる、とポジティブに考えていますが(笑)。

となみ織物として「CandyCircus」の展開としては、しばらくは帯作り。
現在のところ、色数の少なめで個性的な意匠のモノ一つ。
もう一つは今まで以上に華やかなモノ、が進行中。

それに加えて今度はシンプルな御召。が待機中です。

「CandyCircus」の和の部分を担当する中で、今のところ、ごく一部しか作れていません。
コツコツと積み上げていって、いつか後ろを振り返ったら、
「ホント良くやってきたなぁ〜。」と自分でも思えるように、進めたいと思います。

もちろん、素敵な着姿の一部に入り込める様には、忘れずに・・・。
(たまに作り手にハマり込むと忘れてしまう・・・。笑)

2016年09月24日

今日・明日と『CandyCircus展』

今日明日の二日間限定で、

京都の本社向かいのショールームで『CandyCircus』の個展を行っています。


今まで制作してきた帯・着物・小物が全て集合するのは、初。
多くの作品と一緒に陳列するのも、初。となみ織物としても、こういう個展は、初。

と初・初尽くしで、皆さんからどんな反応を頂けるのか?


不安も結構ありますが、小さなスペースにギュッと詰め込んだ『CandyCircus』の世界観を、
とにかく見てもらおう。まずは、そんな気持ちが一杯のイベントになっています。

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(帯と作品が一同に・・・)

これからも、年に一回くらいはこうやって、作品や帯を見て頂ける機会を作れればと考えています。
そうできるように、まずはこの二日間やっていきたいです。

私は今日は一日。それと明日の午後から最後まで、スーツでカメラマンをしている予定です(笑)。
どうぞよろしくお願いいたします。

『CandyCirCus』Pintrest
 →https://goo.gl/uPyLg7


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(これから入り口には目印が入ります)

2016年09月20日

まずは、『きものサローネ』参加報告・・・。

先週末から昨日まで『きものサローネ』へ参加してきました。
となみ織物としても初。今回は2つのシリーズを中心にブースを作りました。


1つは『南蛮七宝文様
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もう一つは『CandyCircus

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100社近いメーカー、問屋、小売店が参加されていましたので、
それを見に来られた何千人というお客様の目的もさまざま。



ちょっと広い『和』に関係するという括りでは同業なのに、扱う商品、価格帯、

見せ方も異なり、大変勉強になりました。

ただ、3日間日中ずっと立っていましたので(トータル25時間ほど・・・)、
今日は足がパンパンです(苦笑)。それに加え、台風のため、会社は早仕舞い。

モノづくりは明日から再スタートです。

2016年09月12日

準備月に突入。

先週初め、今週末、来週末、来月初め、と何やかんやと、イベントごとが続いていきます。 そのため、準備のバタバタで、気だけが急いています。


先週は、京都の白沙村荘で、トークショーでした。

前日搬入、当日の商品搬入陳列、本番、そして撤収と、何か考える間もなく、あっという間に終わりました(笑)。慣れないことに気は使いましたが(苦笑)、皆さんの帯への反応が楽しかったです。

ここから始まって・・・。


そして来週が東京で『きものサローネ』。右も左も分からん状態での初出場。未だによく分かってません(苦笑)。『ちょっとも知らんの?』『イメージぐらいはあるやろ?』等々と周りの方々に何回言われたことか・・・(笑)

分からんなりに、スタッフと一緒にショールームで、練習展示してみたり・・・。と涙ぐましい努力はしています(笑)。ここで見せたいモノが本当に沢山あります。が、スペースは相当限られたものですので、いつもの様な大量の持ち込みは止めておこう・・・。でも・・・。そんな感じの準備中です。

また、ここではトークショーと同く、となみ帯については一からの説明になることが多い(ほとんど全部?)と思いますので、極力見て、触って感じてもらえるものを中心にと考えています(予定は唐長文様『南蛮七宝』と『CandyCircus』)。


この週はどうなるんでしょうね?

そして、その次の週末は本社で『CandyCircus』の発表会。展示は舟田潤子氏の作品をメインにして。これも初めての試みになります。試行錯誤しながら、できれば細々と長ーく続けてれるように。

これもどんな形になるのか(笑)?

来月はおそらく『奄美へ』。ある柄(初めてのもの)の途中を見に行きたいとおもいます。その他、諸々も予定していますし、天気だけ何とか保つ様に・・・。今まで何度も行っているので、このイベントが一番安心かな?
(と言っていて、そんなのが一番危ない・・・? 笑)


他にも、今月末までには異業種とコラボする生地の見本を完成させる期限があったり、結構今からの9月から10月までは、ギュウギュウの忙しい日々が続きます。

2016年08月26日

Candy Circus 3柄目

やっと完成しました。舟田さんとのコラボレーション『CandyCircus』。

四柄目『アネモネ』の方が先に完成し、どちらが三柄目か(苦笑)わかりまりませんが、
なんとか表地の完成です。


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気を付けたことは一つ。

一もニも三もなくて、色の発色だけ。
そこに気を付けて、すべてを向けたモノづくりです。


この紹巴織のモノづくりは、ベース部分三色の使い方が最終の出来を大きく左右します。
そこをいかに選択するのか?が、その人のモノづくりのセンスが出てくる部分です。


とどこかにも書いていましたし、まだそう思っています。
が、このCandyCircusの三柄目に関しては、その公式は当てはまらず、糸の色同士が
滲んでくすまない様に、祈る気持ちで、頭の中で色を混ぜながら、紋図を作りました。


そこに最大限意識を払いましたので、色数、色を混ぜた(染み込み)箇所、発色の面に
おいて凄く満足度の高い仕上がりになっています。


まだ裏地を作らないと、袋帯にはなりませんので、完成ではありませんが、
それを作って、袋帯にしてから、もう一度登場させたい帯です。

2016年07月20日

久々の更新/夏しぼの新作途中。

一週間ぶり、久々の更新です。
その間、ちゃんとモノづくりも進めていましたが、8月と9月にあるイベントの段取りで、ここの所あまりメーカーらしくない動きばかりです。

このブログやとなみFBページもそうですが、帯メーカーが何をしているのか?どんなモノを作っているのか?等々をを伝えること。僕の中で優先順位の高い、ほとんど永遠のテーマのようなモノです。今回やることは、随分苦手な分野ですが、頑張ってやっていきたいと思います。

なにをするのか?、というのはまたお知らせしますね〜。はぁ~(苦笑)。

さてさて、モノづくりはというと・・・。

一つ新作の『しぼ織』が上がってきました。

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『Candy Circus(アネモネノクモ)/夏しぼ』

しぼ織という織物は、普通の帯よりも一つ手間を加えて完成させる帯です。まず御召緯を使い通常よりも広い巾で製織します。その後織った丸巻き上のモノをお湯に浸け、キュと糸が縮む力を使って、帯巾を縮めることで、帯地表面にしぼを作る。そんな織りの帯です。

ちなみに、この帯地表面のしぼを作るために、御召緯の代わりにナイロンの糸を使い、それに熱を加えることで縮ませ、類似のモノを作る。そんなのもありますが、風合いが固いですし、何か違う気がします・・・。折角だったら、似たものでなくて、全く違うモノを作ったほうが良いような・・・。

この帯も基本は御召緯を使って、お湯に浸け、しぼを作ることは同じ。違うのは、全体にしぼを付けるのではなくて、花弁部分にしぼを集中させ縮めることで、ボリューム感と面白みを作るようにしました。

また、しぼ織を作るベースの考え方として、縮む御召緯の特性を、いかにコントロールして『柄や文様』を作りだすのか?が基本です。

この帯では図案の面白みを活かしたいため、敢えてコントロール部分をほとんど考えず、思い切って開放してみることをコンセプトにしています。『一体、どうなるんだろう?』ちょっと無責任の様に(笑)始まり、当然のように最初失敗しながら、次はちょっとだけコントロール⇒チェック・・・、を繰り返してここまで来ています

結んで頂いても大丈夫ですし、縮み具合や紋の具合に関しては問題ありません。後は配色、お湯に浸ける際の細かな問題を一つずつ解決してければ、帯として皆さんに見て頂けると思います。

写真の帯から箔を変え織った二本目も上がってきましたので、また実験し、チェックし、修正を繰り返していきたいです。真夏に結んでもらうには少々遅い完成になりそうですが、夏にも結べるということで、できるだけ長い季節結べる配色のものも考えていきたいです。

CandyCircus
 ⇒https://jp.pinterest.com/senpukuya5/candycircus/

2016年06月17日

巡り合わせ良く・・・。CandyCircusのきもの1

CandyCircus』、今度は着物。
と言っても、季節的にまずは、ちりよけが一反完成しました。

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まず舟田さんに怒られること覚悟して(笑 大丈夫でしたが)、作品を切りばみ状態に。実際の作品ではなくて作品の写しを切って、パズルのように、また図案として成立するように貼り直します。

その出来上がった下絵を舟田さんに数度打ち合わせをしつつ、修正を掛け図案に。そこから型を作り、反物に染め上げていきます。

この様に工程を一言で書いてしまうと、簡単に見えてしましますが、このCandyCircusシリーズはできる限り、完成したモノから、作る大変さよりも、出来上がったモノから楽しさやワクワクを感じて頂きたい、そんなモノづくりを心がけて行こうと思っていますので、大変さの部分は今回カットしておきます。それはまた帯の時に(笑)。

今回、幸運だったのはこの図に応じた白生地が抜群に良かったこと。

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普段はあまり意識が行かないかもしれない白生地ですが、今回はこの生地のお陰で意匠の陰影、奥行き感、流れや勢いまで、上手く乗せてくれました。

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非常に個性的な作品を元に作らせてもらった、塵除けです。ここまで来るまでにも、何度も着姿の確認を・・・と、書くと苦労話になるので、今回はここまで(笑)。

ホントにいい出来栄えで、安心しています。

ちなみに発表は、今まで制作した帯も含めて8月を予定しています。
どんな反応を皆さんから頂けるのか、ちょっと怖いですが、楽しみにしています。

この後は、3柄目帯のお腹部分を作り始めていますので、これもまた8月に間に合うように頑張ります〜。

2016年06月07日

第一段階通過中/Candy Circus3

完成まで遠いので、まだ全体のUPは遠慮させてもらいます(楽しみはもう少し先に・・・ 笑)。紋作り(意匠図づくり)に『もう大変やわ。』と何回言ったか分からない(苦笑)、苦労した柄です。なんとかまず形になったのが、嬉しくて一部ですがUPしてみます。

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『Candy Circus3』

織物は、自分がよく使うお馴染みの『紹巴織』。となみの中でも細密さと色の発色が綺麗。表現力も抜群。図案から帯にする際、イメージし易い。十何年ずっと毎日の様に作ってきましたので、性も合って、好きな織組織です。

(昔から)『この織物は凄い完成度やけど、もうこれ以上(新しいモノを作るのは)無理じゃない?』と言われ続けてきましたが(多分初めて、それを聞いた時から10年は経ってます 笑)、今でも毎年新しい手法・技法を作っては、既存のモノとくっつけて、新しいモノづくりにしています。

今回の意匠(後日織物で紹介しますね)を紹巴織で織った理由は、特長と同じで、発色や多様な色を作れること、緻密さ(何回も繰り返すほど、凄いレベルのことが出来ます)、本当に武器です。これらを他の織物で似せようと、と思っても、その差は大きいです。

今回はその武器に振り回されました。糸同士を混ぜ、沢山の中間色を作ろうとしたため、収集が付かなくなり、時間ばかり掛かる。元々の意匠の色数を忠実に作ろうと、頭の中でこねくり回して、紙の上で試行錯誤の繰り返しでした。

まあ、どれだけ時間を掛けて万全を期して挑んでも、第一回目の試験織を見るまでは、失敗することは大いにあります。今回は、最大限力を尽くして、それ以上はどうしようもないので、後は待つ。そういう心境でのモノづくりでした。だから、試織が上がってきて、まずはホッとしています。

さらに思ったよりも、色が濁らず、修正は必要にしても、『あ・・・。ヤバイ・・・。』ともなりませんでした。心は折れず(苦笑)、明日早速修正だ、と思えましたので、この帯の完成は意外に早いかもしれません。

とは言っても、形になり始めたのは、まずお太鼓だけですが・・・(笑)

2016年05月18日

織物の色について・・・。

 

織物は、経と緯の糸だけで柄を織り成しますが、多くの種類の織組織があり、その違いで同じ色を使っていても、発色は変わります。経が主に織物の表面に出る、または緯糸が・・・、の違いでも発色は全く異なってきます。また糸を筬で打つ密度(打ち込み)によっても、変わってきます。

自分たちが行う主たるモノづくりは、図案を見ながらの意匠図作りです。帯づくりの要素は、色・柄・組織。
その主な部分がこの意匠図づくりで、決まっていきます。ですので、この後の工程・意匠図を見ながらの『配色』段階では、多少の修正はできても、意匠図の後悔や失敗はなかなか取り戻すことは難しいです。

 

まあ大成功の部類に入るくらい上手く行っても、出来上がってから『こうしてればよかった〜。う~ん。』ということはいつもですが・・・(笑)

 

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参照:意匠図/百人一首(FB記事へ

 

たとえば、現在シリーズを作らせてもらっている『CandyCircus』の帯。
元となる作品の色はそのままを織物で出すのは、ほぼ不可能なので沢山の色を意匠図段階で混ぜに混ぜ、作り出しています。遠くで見るとそう感じなくても、近くによると、目で見える色とは少し違う色が重なり合って、一つの色を作り出していることが良くわかります。

 

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この帯を作る際には、今までやって来なかったことを試していて(輪郭にもなっている、黒緯部分)それがこの帯の特長にもなっています。この帯は8月に発表予定で、まだ実際の評判をそこまでは聞いていませんが、細部がどうのよりも全体の帯に漂う雰囲気に今まで異なる感じを受けられる方がおられます。

 

色を作ろうと考えてやったことが、全体の雰囲気も左右していく。まずの第一印象は、色に目が行くと思いますし、織組織的なモノづくりとともに、その辺りも意識して自分自身がハマっていきたいところです。
 

 

 

昨日は色について考えさせられるモノを見続けることができましたでの、今日改めて意匠図と織り上がりの帯を見ながら、後悔じゃない、前向きな反省をしています。この辺りがモノづくりの楽しいところですね。ホントに。

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2016年05月04日

CandyCircus3 お太鼓の意匠図です。

 

まずは、お太鼓の見通しのついた意匠図。
銅版画作家の舟田潤子さんとのコラボレーション、『CandyCircus』、苦戦中の三柄目(この柄よりも先に四柄目が先に完成しそうです。苦笑)

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写真は意匠図の写しです。

 

紋屋さんとの打ち合わせの際に、ここに色々と書き込んで、織り上がりのイメージをお互い擦り合わせて行きます。モノづくり若手が一番失敗し易いのは、このすぐ隣に帯や意匠図の元となる図案を置かないこと。慣れてしまうと、なんとなく意匠図の写しで図案の代わりにもなりそう(実際色も近づけて出すので)ですが、それが間違いの元。

経験を積むほど、手元には必ず図案を置いて、打ち合わせ、モノづくりに挑みます。

 

そうするのは作る人によって、いろんな理由はあると思います。自分の場合は①作り慣れたやり方にしてしまわないこと=織り易いモノにしてしまうこと、②イメージが膨らみすぎて、手を加え過ぎないこと、③出来上がりの帯に、極力作家さんの空気感を纏わせること、を意識しています。

 

今回もこの3つは、もちろん同じで、図案は横に置きながら、にらめっこしています。いつもと違うのは、何倍も時間が掛かっていること(苦笑)。となみ織物では一番緻密に織れる紹巴織ですが、それでも今回に関しては相当沢山の色を一つずつ取捨選択をしています。また糸同士を混ぜて(例えば、白と黒でグレー)作る色も、作品の中から色を抜いて、紋図の中で出来上がる色が発色的に使えるか?を検討していきます。今回は結果として、実際に通す色数は増えたのに、目に見える色は減りそうな、珍しいモノづくりになっています。これからは、修正、試し織、また検討、修正を繰り返しです。

 

 

今のところ、お太鼓の意匠図段階で、お腹、その他の部分と、完成するのが怖いような楽しみなような、面白いものづくりをさせてもらっています。

 

糸を入れる配色で修正できることも多いので、意匠図を見て、休み明け配色していくのをイメージしています。大変は大変ですが、これで良い帯になって、『この帯だったら着物を着て、ワクワクして外へ出ていけそう!』そんな風に思ってもらえるように。最後の詰め頑張ります〜。

2016年04月21日

上がりが楽しみな・・・夏しぼ。

 

今までとは流れを変えて作っている帯です。
 

織物のベースとなる織組織自体はイジっていませんが、イジった?と周りが感じるほど、糸使いや地紋に変化を付けています。そのため、今までだったら、『こんな感じでできあがるんじゃないか?』とイメージできますが、今回のモノづくりはぼんやりと霧がかかった状態です。名古屋帯にした方がイイような気もするし、裏地を上手く利用した袋帯にした方が・・・と、まだ気持ちは揺れています。

 

それでも、生地自体の完成度は試験を取る度に上がっていますし、着実に完成へ進んでいます。
(こう書いた途端、この下の目出しの後、大きく失敗しましたが・・・苦笑)

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『試験織3 CandyCircus4』

 

見切り発車に近い形で、この織物を使って3柄、新しいモノづくりを進めています。
一つは横段柄。意匠自体は今までも何度か製作していて、見慣れたといえば見慣れた柄です。現在は試験織でのチェックが終了して、配色の最終段階です。3つの柄の中では遊びは少ないものの、この織物の指標となってくれそうな帯になりそうです。

あと二柄は、ドンと思い切った意匠です。『Candy Circus』シリーズの4柄目となりますが、しぼ織全体としても、今までに見たことのない、またはやったことのない意匠・しぼの使い方の帯ができそうです(だからこの帯が一番霧がかかっています・・・。 笑)。

完成して、結んだイメージは可愛い、思いのほか着物や小物とのコーディネートし易い帯、だけれども未知な部分がめちゃくちゃ多い、そんなモノづくりを今は色々な出来事と並行しながら楽しんでいます。

 

今日は、今から出張へ行ってきます〜!

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2016年04月14日

Candy Circus 3柄目、悩み中

銅版作家舟田さんとのコラボして製作している『CandyCircus』の帯。
今のところ、①水花と②舟(名前検討中です)の2柄が完成しています。

次は、3柄目の蝶々と4柄目の夏しぼの帯を現在進めています。
夏しぼに関しては、意匠図の製作が終わり、紋を彫りも終わりそうですし、近々3柄目を先に飛び越えて、帯の形になりそうです。

3柄目の蝶々に関しては、作品の色数と雰囲気を織物でどう作っていくのか、今現在悩みのど真ん中にいます。(多すぎて不可能ですが)もし作品の色を全て拾うとすると、色が濁りすぎる。反対に少なすぎると雰囲気を作り出せない。じゃ、そのバランスを織物の限界を踏まえて、どこで取るのか?そこが一番の悩みどころです。


メーカーが一番力を出せる部分でもありますし、その自負を持ってこの二ヶ月間、一歩進んで、また戻っての繰り返しを行っています(笑 ホントに大変です。)。悩みの元を解消するキッカケがもうちょっとで見るかりそうな感じもしますので、それを見つけることがでれば、何とか来月中には、目出しくらいは取れると思います。

昼間には、一柄目の水花を南蛮七宝の御召や大島に合わせたり、

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『水花✕南蛮七宝文様/御召』

外に持って出て、太陽光に当てて、黒緯と一緒に織り込んだラメ糸の具合を確認したり。
しながら、三柄目をどうするか、悩み中です。現実逃避ではなくて(苦笑)・・・。

このシリーズは、帯としては個性のある意匠と配色です。
最初は人を選ぶかもしれませんが、見ていると人を楽しくさせる何かありますので、ゆっくりとモノづくりしながら、帯や着物、小物?のファンがじわじわと増えるようになったらと思っています。自分の周りには少しずつですが、ジワーっと広がりを感じていますので、今後たのしみな、CandyCircusです。。ぜひ、一度見て、触って、当ててもらいたいです。

 

2016年04月02日

静かな土曜日の仕事。(角花 その3)

 

となみ織物は、第二、第三土曜日は、休みを頂いています(今日は営業日)。
それ以外の土曜日も、ほとんどが比較的静かな一日です。

 

先日、『(メーカーさんって)毎日どんな仕事しているんですか?』と聞かれたので、今日だったら、返事は『溜りに溜まった事務作業と(自分の周りの)整理整頓を行ってます。』と今日だけを見ると何屋さんからわからない仕事と、言わないとダメでしょうね(笑)。普段は、帯の、新しいモノづくりを進めるか、修正するか、使い方を考えるか。だいたいは、この3つを一日中行っています。

 

たとえば、今日モノづくりといえば僅かな時間でしたが・・・。
紋屋さんとの打ち合わせをしました。

 

意匠図を作ってから、各配色ごとの試験を織って、それがちゃんとこちらのイメージ通りに織り上がるのか?
というのを、下の写真(目出し)では確認を行います。

 

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『唐長文様/角花』試験中3月6日UP

 

先月初めに上がってきた試験織を僅かに修正。その後、柄部分の素材を変えてまず一本織ってみる(一番下の色で)。
そこまで決まりました。濃い地色にするには、問題もあるので、そのあたりがこの目出しを見て検討しているところです。

 

他には、一進一退のCandyCircusの3つ目の柄。
どう色を整理するのか?上の様にまだ生地として上がってくるのは、まだもう少し先の意匠図をどう作るのか?
その打ち合わせ段階です。

今日は、本当にこれくらいモノづくりで終わっています。

 

来週は土曜日が休みで、平日は京都にいながらも会社にいない時間が多そうです。
少しずつでも進めて、メーカーの仕事は・・・と、ここに大きな顔でUPできるように(笑)、自分を良い意味で焦らすようにしていきます!

 

2016年02月29日

ゆっくりながら再始動。輪宝文様の御召/試験織1

高松から京都へ帰ってきました。花粉症と風邪で本調子ではないのですが、溜まったモノづくりを見ると、結構元気がでてきます。いくつか並行したモノづくりはどれも一斉に手を付けていきたい気持ちもありますが、それをやってしまうと、混ざってしまいます。そうならない様に、一つずつ進めていくのが安全です。

 

今、比較的に完成/ゴールに近いものは作楽の新柄。それに今まであった紋の配色を変更するモノ。織り組織に変えてリメイクするモノ等々。量で見ると、ぞっとします(笑 出張中にはそれを整理していました。)。他には図案段階のCandyCircus3柄目、メルマガに掲載していた『しぼ織』、唐長文様の帯等も優先順位を変えながら進めています。この辺り全て引っ括めて、たのしみの宝庫です。

 

今日は、その中でも一番ゴールに近そうなモノ作りの検討を行っていました。ざっくりとした部分は、出張中でもメールのやり取りで進めていたものの、やはり織りの実物を見ると、修正点はもっと見えてきます(それでもやっていたくなります)。

 

SDIM0072.jpg
『唐長輪宝文/御召の試験』

 

細かな修正点は色々とあるにしても、大きなのは2つ。
1,全体を構成する輪宝部分(◯のところ)が楕円具合がきつい←筬での打ち込みが入りすぎています。
2,文の真ん中の上げ方が異なる。

とはっきりしています。←写真ではそれも見逃しそうになることも・・・。

 

後は、実際にお手本にした唐紙と試験織との間を何度も目を行ったり来たりさせて、最後の詰めを行います。

DSC06874.jpg
『お手本にした唐紙/輪宝文様』

 

大きな修正点はだれでも見つけることが出来ることができますので、、それ以外の修正点に気がつくことと、仕上がった紋に対しての配色がここからの自分の仕事です。

 

来月中旬に、唐長さんの三条店で初反の発表ができれば・・・上出来です!

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2016年02月19日

昨日の続き。

 

スクリーンショット 2016-02-19 17.06.46.png

 

 

と昨日書いていたデザインウィークの展示準備を行いました。
西陣の企業何社か中でのブース展示となりますので、周りと似た感じにならないように、との要望も頂きました。ので、ここはやっぱり
『CandyCircus』で。今のところ帯は2柄しかありませんので、舟田さんにご協力を頂いて作品も並べさせて頂き、コラボ展示となっています。おそらく来られた方には『今の西陣織はこんなのもあるんだ。』と感じて頂けるんじゃないかな?そう思います。

 

横は2mほどのそこまで広くはありませんが、世界観が出ていて、こんな感じと写真も撮りましたが、当日のお楽しみにとして、また後日それはご紹介しますね。

 

その中で一つ、舟田さんから帯以上に絶賛頂いたのが(苦笑)、帯留め。
モレッティ、ノーススターガラスを使って、ロゴにも使われている『船』です。

L2120042.jpg

 

この帯留めの後ろには作品や帯が掛かっていて、上からはモビールと。となみらしからぬ世界が広がっています(笑)。
22〜24日まで限定展示です。

 

今後も帯や着物も作りつつ、こんな形で見て頂ける機会が作れればと思っています。

 

 

きものSalon掲載のことはブログ上で明日UP致します。
 →Facebookには今晩UP予定です。

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