となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 「作楽」と一致するもの

2016年10月28日

『作楽シリーズ/Henna』

新しい帯が出来ました。
この帯について、書くことが沢山あります。


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まず一つ目、相当久々の新作の作楽シリーズ。
しばらくは、唐長・CandyCircus、着物、小物のモノづくりにほとんどの時間を振っていました。
今回は土台仕様から作るために、多くの時間を使い、長期間試行錯誤の上、制作しました。

この帯意匠のモチーフは『Henna(ヘナ)』。
このヘナという名前はインド、中近東に数千年前も昔からある、ヘナという植物を使って肌に紋様を書く、ヘナアートから来ています。婚礼や様々な儀式に行われて、描かれる意匠には幸せや吉祥、魔除けの効果をもたらすとされています。

このHennaの帯は、ヘナアートの作家さんに一からデザイン、それを元に制作したものです。
市松を構成する一つ一つの柄に意味があり、祈りがこもっています。

そして、織組織は紹巴織+紬の『紹巴紬』。通常の紹巴織の緯糸に紬を加えて製織。
さらに通常の絹糸も合わせる本数を変え(約1.3倍増)しなやかさを残しながら厚みを持たせています。

生地の想定としては、八寸名古屋として結んでもらうこと。


デザイン、紋を最大限シンプルにして、原料、質、織りは変えることなく、(裏地も要らない分)
価格はお手頃なところまで・・・。と思っています。


個人的にはしばらく、そんなモノづくりにも力を入れていきます。


※ちなみに、帯の前にこれと同じ図案を使い、貴久樹さんとのコラボで制作した小紋もあります。
(そこから今回は帯用として、柄のサイズ・配色に修正を加えて制作したもの。)

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『小紋(タッサーシルク使用)』

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2016年10月19日

『作楽』袋帯、制作試運転中。

少しずつ『作楽』シリーズを再始動させようと、今までのモノづくりを振り返っています。
自分が関わってきたモノの柄、色、織り方はキッチリと覚えていても、モノづくりの時点で
その意匠をどう料理したのか?←一番苦労したところなんかは、不思議と・・・、特に
忘れています(苦笑)。

つい先日、じっと眺めて、着物の上にのせたり、小物を合わせたりしていたのは、
この『作楽』シリーズの袋帯。。。


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『作楽/二重織』

柄的には、なでしこをはじめとする小花をいかに白く見せて、残像の様な印象を残せるか?
そのためにフチ取りの『白』の糸使いに焦点を合わせて、制作した帯です。


それは覚えても、一番苦労したところは一番目立たない地紋部分。
これを入れないと、柄の白部分と小花全体が安っぽく唐突に柄があるように見えてしまう、
そうならないために、入れた黒・濃いグレー濃淡。ここが(気付いてもらいにくいですが)
大変でした(苦笑)。

それを思い出したのは、意匠図を見たとき。
『なんで、この柄作るとき、こんな遠回りしているやろ?』と、改めて気づくまで、
全く、この部分に一番時間を掛けて作った。そのことを忘れていました。

そんなこんなをしつつ、自分がしていたモノづくりのコダワリを再度見つけながら、
モノづくりの試運転をしています。

準備しながらも、作りつつ。
もう少しで試作の八寸名古屋の帯も上がってきます。
また紹介しますね。

2016年03月16日

梅の意匠で。

 

今年、最後になりそうな梅をちょこっと見てきました。京都生まれの京都育ちで今も京都にいるのに、全然京都のことを知らないと、最近よく指摘されてしまいます(苦笑)。そういえば、『梅も実際に見たのは何年前?』と思い返すと、『桜は見たけど・・・』と梅に関しては思い返せません。

文様としても、配色にも使うものですし、感性を磨いておくためにも、やっぱりこういう時間は意識して作ることが必要ですね〜。

 

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カメラを持って行ったので、何枚か撮りました。
どう撮ると写真として良いのか?はわからなくて、こういう時は帯として、どういう構図だったら、良い柄がお太鼓に来るだろう?そんな目で撮っています。もう一つは、色目。自然の色をそのまま糸に持ってくるのは至難の業です。ただ、雰囲気、透明感、色の方向を決めるには、とても役立っています。

 

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桜は去年も見たし、一昨年も・・・、その前も。しかも、桜文様はよく作るし、自分の帯ブランドネームも『作楽(さくら)』だし、思うと、気が付かないうちに自分の中の桜ポジションは梅の上に。。。
 

この日の梅を見ていると、こんないい花なのに、それじゃいけない。そう思いました。
モノづくりのキッカケにして、帯作りたいと思います。

 

もちろん、桜は年中行けそうな雰囲気が強いですし、梅は。。。そんなこともあるのは重々承知で何か作っていきたいです。

2016年03月03日

『要望』1200経錦

 

今回きものSalonに掲載の『1200経錦』。
モノづくりの順序としては違っている様な気もしますが、載ってから社内でモノづくり熱が急に上昇中です。結果として、作りたい。作って欲しい。と社内で声が上がるのは良いことです。

 


Pinterest

 

ただし。この織物の機は一台のみ。紋を作っても織る順番は、なかなか回ってこない(本袋と同じです)⇒メリット:じっくり図案と紋づくりができる。経糸は三色、一度決まれば、その色が経糸十数本織り上げるまで固定されてしまう。⇒配色に拘らない柄を作ればイイ(そんな柄あるかな?)。

 

等々、まだ図案検討中なので、完成までは遠いですが、前向きに、頭のなかの声と戦ったり、話し合いをしながら、進めていきたいと思っています。織りのネームは『1200経錦/作楽』です。

 

以前、この組織で製作して、注文を頂くと織るものが、この『鳴錦』。

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この辺りを意識しながら、図案検討したいです。

2016年02月29日

ゆっくりながら再始動。輪宝文様の御召/試験織1

高松から京都へ帰ってきました。花粉症と風邪で本調子ではないのですが、溜まったモノづくりを見ると、結構元気がでてきます。いくつか並行したモノづくりはどれも一斉に手を付けていきたい気持ちもありますが、それをやってしまうと、混ざってしまいます。そうならない様に、一つずつ進めていくのが安全です。

 

今、比較的に完成/ゴールに近いものは作楽の新柄。それに今まであった紋の配色を変更するモノ。織り組織に変えてリメイクするモノ等々。量で見ると、ぞっとします(笑 出張中にはそれを整理していました。)。他には図案段階のCandyCircus3柄目、メルマガに掲載していた『しぼ織』、唐長文様の帯等も優先順位を変えながら進めています。この辺り全て引っ括めて、たのしみの宝庫です。

 

今日は、その中でも一番ゴールに近そうなモノ作りの検討を行っていました。ざっくりとした部分は、出張中でもメールのやり取りで進めていたものの、やはり織りの実物を見ると、修正点はもっと見えてきます(それでもやっていたくなります)。

 

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『唐長輪宝文/御召の試験』

 

細かな修正点は色々とあるにしても、大きなのは2つ。
1,全体を構成する輪宝部分(◯のところ)が楕円具合がきつい←筬での打ち込みが入りすぎています。
2,文の真ん中の上げ方が異なる。

とはっきりしています。←写真ではそれも見逃しそうになることも・・・。

 

後は、実際にお手本にした唐紙と試験織との間を何度も目を行ったり来たりさせて、最後の詰めを行います。

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『お手本にした唐紙/輪宝文様』

 

大きな修正点はだれでも見つけることが出来ることができますので、、それ以外の修正点に気がつくことと、仕上がった紋に対しての配色がここからの自分の仕事です。

 

来月中旬に、唐長さんの三条店で初反の発表ができれば・・・上出来です!

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2016年01月20日

京都の雪はこれでも大変。

 

朝は雪も凄いし(京都にしては、です。)今日は来客はなくて、資料集めと整理。目出し(試験織)を見ながら配色チェックをかためてできる日、と出社途中、雪を見ながら心に決めて行ったら、終わって振り返ると・・・。結果なんやかんやとバタバタの日になりました。

 

防寒草履が冬には欠かせない地域の方々からすると、『これくらいは雪じゃない。』と言われると思いますが、一応こんな感じです。

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(京都で言う、よく降った雪です。)

車はノロノロ、道でコケる方、頑張って頑張って作ったと思われる、小さな雪だるま。

 

 

来週は奄美へ(もちろん仕事です。。。)行きますので、今のうちにと進めている幾つかのモノづくり。その一つが、初登場の唐長文様『角花文様』。12代目から頂いた宿題として、今意匠図を製作しています。

 

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文様を作る2色が表情に繊細な色なので、上手く撮れたとしても雰囲気が異なり・・・。さらにモニターでの色表現は難しい(ですので、白黒でとも思いましたが、せめて色の持つ雰囲気だけでも。届くかな?)。

この意匠、今のところまだ帯にするとは決めていません。ただ、地に入った雲母(きら)を織物でどこまで表現できるか?それの実験をしようと意匠図を製作中です。先日、紹介した南蛮七宝文様で使った技術を改良して使いながら、とイメージして職人と打ち合わせを繰り返しています。

 

来週の今頃までには、これで紋を掘って下さい。そう言えるように頑張ります〜。

 

 

他にも久々に作楽の新柄。ケルティックも図案を作ったり、ここでのUPは最近偏りがありますが、順調にモノづくり、進んでいます!
 

 

2015年12月07日

えらく先に見えるようですが、あっという間です。

 

来年の中盤以降に形になるかな・・・、と打ち合わせを繰り返し製作中を始めました。まだモノではなくて、こんな雰囲気の図柄、織りはこんなイメージ、色はここまでに抑える?素材は・・・、等々、意見を出し合っている状態です。となみ以外に1社と一人が加わる、計3つの出自を持ったモノづくりですので、いつもとは空気感の異なるコラボです。

ものづくりをする人がたくさん集まると、大概はまとまらない、立ち消えそうとか、上手くいかない、とマイナスな意見を言われることが多いので、そんな声に疲れないようにしながら、同じ方向を向けるように、ベース部分を作る打ち合わせには入念に時間を取り、考え方の方向性を合わせています。今回に関しては、基本的にとなみが中心となりますので、ベースの部分を議題にのせることはします。たとえば、一つの方向性として、こういう帯の感じをベースに、デザインを考え、帯を作る、着物を作る、それを意識しながら全体の調和を整えていきます。

 

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作楽

 

全員がとなみ帯の限界を知っているワケではありませんので、この帯だけで言えば、紹巴織の限界の細かさを見てもらえます。そこから、『じゃ、どこまでのデザインができるのか?』その技法をベースにデザイン、打ち合わせを繰り返し、最終一本の帯になるまで詰めていくことになります。←頭で考える理想形は・・・。

ただ、モノづくりをしている立場集まると、そう簡単に行かず『じゃ、ここまで表現をベースにやろうか。』といきなりハードルが最大限のところから話が始まって、次はもっと細かな表現がしたい。限界は既に決まっていたはずの話なのに(苦笑)、軽く超えてしまって『もっと細かく表現できるようにどうしたら良いか?』。すでにそうなりそうな気配が出ています・・・。

 

こうやって作るモノづくりですので、非常にやりがいがあります。魅力的なシリーズにするためには、他にもやることは沢山あります。ただ、作るほうが興味を持って出来るものでないと、ものにはダイレクトに響きます。多くのスタッフが関わるモノづくりですので、予定調和し過ぎず、意欲的なモノになるように、モノづくりに入って行きたいと思います。

 

2015年11月26日

独立系の帯に柄を+したいけれども・・・。

 

作って発表した時点よりも、人気のある帯があります。
大抵のモノは何であれ、『新作です。』というときが一番人気があって、徐々に下降していく、それは帯の場合も同じです。図案→意匠図→製織して帯となる、ここまでどんな帯も同じですが、それ以降は織るか、どうか?というのは、人気が出て、受注を頂くかどうかに掛かってきます。頂ければ継続して織り、なければ残念ながら、その帯はそこで止めます。

 

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この帯に関しては爆発するわけでもなく、『新作です。』の時もそこまで注目もされませんでしたが、今までずっと継続した人気を保っています。帯も着物も春はどちらかというと薄地に人気が集まり、秋冬は濃い地へ移る、そんな傾向もありますが、そんな大きな波にもほとんど左右ない、作る方としてはたまにいて欲しい、大変有難い帯の一本です。

また、冠としては『作楽』シリーズが付いていていますが、それと併記して『蛍光織』シリーズでもあります。後者は今はほとんど織らない(総紗縫の蛍や金魚と同じシリーズ)ので、ある意味他の帯とは連携しない、独立系の帯とも言えます。

 

そんなこともあって、この帯と同系統(同シリーズ)の帯を作ろうという話が出て、ただ今検討中をしています。ただ、こういうジワジワ人気が来る帯というのは、人気作を作るのと同じか、もしかしてそれ以上に難しいですので、図案の候補は挙がりつつも、モノづくりは難航気味です。まったく同じ様な帯では意味がないので、この帯と連携して、このシリーズが持つ独自性、そんなのを発揮できる、そんな帯・・・。やっぱり難しいですね(苦笑)。

 

少し前に配色をしたモノが、近日中に試験として上がってきますので、また紹介しますね。

2015年11月25日

久々に登場、きりんひょう柄

昨日2つのモノ作りに絞ると書いていましたが、風邪は停滞していることもあって、今日は整理に徹することにしました。ちょうど昨日書いていた2つに絞ったモノづくりも、今週末までは紋屋さんの手元で止まっているので、ある意味キリが良いところです。


さてさて『整理』と言っても、実際にある図案を整理もできますが、今日は風邪が悪化しそうなので、それは止めておいて、主に自分のみが触るパソコン上のデータの整理を中心に行いました。写真は6万枚弱、途中で止まっているモノづくりを1000弱とかなりボリュームのある整理になっています(まだ途中です)。

ちなみに、途中で止まっているモノづくりは、そこまでの考えた思考過程をできる限り、写真や文章にして残しています。例えば、最終帯のイメージは写真で撮ることはできないので、こんな感じ・・・と風景や絵画、建物の写真にコメントを入れて残しています。それを見ると、完全に思い出すわけではありませんが、昔の自分の軌跡を辿って、もし成長していれば、そこからさらに一歩進む。そんな対話ができますので、この作業はとても楽しいです。ただ、人に見せても全く意味不明なのがほとんどです(笑)。

 

途中のものは、いずれ完成させるつもりで焦らずに。完成したものに関しては、自分の記憶の奥に有るモノもあって、今回出てきてきたのは、作楽シリーズで裏地として作った『きりんひょう』です。

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この柄の出だしはヒョウ柄の帯を作ろうとした所からです。ただ、『ヒョウ柄の帯』を調べてみると・・・、意外に沢山世間にありました。『では、キリンはないだろ(笑)。』と製作してみたものです。キリンの柄をヒョウ柄に見立てて、多少帯らしくアレンジは加えています。今でも、お財布やバッグの小物に使ったりもする柄でしたが、写真の様に配色は作りましたので、モノづくりに関してはある程度やりきった間もあり、頭の奥の中にしまっていました。

 

ただ、今回出してきた目出しは、通常であれば柄のサイズ変更や糸の上げ方に修正を入れて作り変えますが、全く触らず行けそうなので、考えるのは配色。この意匠には①地 ②柄 ③2つをつなげる目立たない色、の3色を使っています。その変更と、もう一つ糸種(多分紬を使いそうです)に工夫をして、上げなおそうと考えています。

 

昨日、進めた2つのモノづくりが次の段階になる前に、ほぼ形にしてしまいたいです。
その前に風邪治さなければいけませんね。

2015年10月13日

昨日の続き。

 


『作楽 コスモス』袋帯を持って来て撮影しました。

 

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自然を織物にする際に、そのまま図案⇒織物として作るのではなくて、織物らしさを持たせつつ、どう表現するのか?はこういう帯を作る際はいつも悩む所です。写真と全く同じであれば、織物で織る意味があるのか?とか、イメージをどの様に消化・デフォルメ?すれば帯として成立するのか?年に何度もそういう検討をして、試行錯誤していますので、成長したのか、平行移動しているのか、判りませんが、少しずつ帯にする際の表現方法は変化していっています。

 

昨日撮れた写真ですが、このまま帯にするかは置いて、花びらの透けそうで透けず、空が映っている様な透明感は何かどこかで(できれば柄で)やってみたいです。写真の帯を作った時のメモ書きを見ていると、透明感は糸同士のミックスでどこまで透け感を作れるのか?そういうことをやっています。

 

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改めて見ると、もう一度違った方法で帯にしたくなりますね。

 

 

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『京都国立博物館』

 

夕方前まで少し時間がありましたので、京都国立博物館『琳派 京を彩る』へ。『連休中はエグかった・・・。』という話を周りから聞いていましたが、今日は招待状客のみ。光悦、宗達、光琳、抱一等々。足早ではありましたが、1時間ほど満喫してきました。。。

 

2015年09月10日

目標。

 

昨日は久々に唐長さんの両替町ギャラリーにお邪魔してきました。あっという間の2時間でしたが、少しずつ新しいコラボの話が進んでいます。最近は唐長モノづくりがここでは話題として多いですが、実際に今一番多くの時間を割き、優先順位も一番と考えています。そこから得られる感覚、具体的には配色や柄の組み合わせ、(ですが言葉にしてしまうと何かちがう?)をいつも得させて頂いています。

 

今、モノづくりとして自分のブランドの作楽もあり、銅板作家の舟田さん、(言葉にしにくいですが)新しい配色を模索、新しい織組織を検討してみたりと書き出すと、『あっこれだけ?』と自分でも思ってしまう(苦笑)のですが、どれ一つ取ってみてもある程度でも形にできたと言う為には、何年も掘り下げないとダメなモノばかりです。一つ一つを大切に、それに関わっている時は最大限絞って集中して、モノづくりを進めていきたいと思います。

 

作楽、一つ取ってもその中に小休止中のモノがあったりと、忘れてはいませんので(資料も山ほどデジタル、アナログとも溜まっていますし・・・。)あー今日は無駄な時間を過ごしてしまった。とならないようにしたいと思います。気が付くと、他の仕事も増やしてしまいがちですので・・・。

 

さてさて、唐長さんに関しては、11代目の奥さんとのコラボ(唐長-Ikuko)での新柄製作のため、今度は修学院の工房へお邪魔させて頂きます。自分の中では、今まで製作してきた南蛮七宝文様の御召と、これから製作する南蛮七宝以外の唐長文様帯とのコーディネート。さらに、そのコーディネートにはこれ。といえる帯締め、を製作する。そして、そんなコーディネートを幾つものパターンが出来た時、本当にモノづくりやっていて良かったな、と思える瞬間を味わえそうです。当面の目標です。

 

自分も楽しみですし、皆さんも楽しみにしていて下さい。
ひとつずつ進めて行きたいと思います。

2015年09月07日

緑・緑・緑・・・。

 

京都へ戻ってきました。また再びモノづくりに戻ります。関東方面へは久々だったので、また違うヒントをもらいましたので、それをどういう形にしていくか?検討を重ねます。

今回、印象に残ったのは色。今までそんなことはなかったのか、もしかして気づかなかったのか、わかりませんが、緑・グリーンを好まれる方が多かったです。赤系ほどでは無いにしても、そこまで多様せず、どちらかというと避けてしまう色の一つです。だから、となみの帯がずらっと並ぶと、麹塵染のグリーン系が目立つのか、と書きながら納得してしまいます。

 

この辺り、モノづくりに活かそうと緑・緑・緑と考え頭の中で回してみると、先日紹介した【南蛮七宝×信夫】の袋帯。その流れで染めた(これは見本)ショール。等々が思い浮かびます。

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【南蛮七宝文様×信夫×光悦蝶】

 

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【ショール色見本】上記南蛮七宝文様の地部分を参照に染めました。

 

モノづくりの大前提は、柄作り⇒配色です。それを反対にして配色ありきのモノづくり。緑っぽい柄?できるか、どうか判りませんが過去の柄帳、図案庫とを『緑・緑・緑』と唱えながら、見て行きたいと思います。今のイメージとしては、この色をそのまま使うのではなくて(これはこの帯の色にピッタリですし・・・)、どの方向に振るかは判りませんが、アレンジしながら、グリーン濃淡の帯。以前製作した『作楽/サマルカンド』の柄の様に、作れればとおもっています。

 

2015年09月03日

出張中の合間に・・・。

 

今日から日曜日まで出張に出ています。社内からは、『書類机の上に置きときますね。』(メッセージ)や『帯の裏地こんなの上がってきました。』(写メ付きメール)、社外での一緒にモノづくりしている方からも『こんなのどうでしょう?』(Facebookのメール)。と色んな形で仕事が出来るので、有難いです。

 

配色だけは色を実際に見ないとダメと、今のところ思っていますが、顔を付き合わさないければ進まなかった昔と比べ(今でもそう思っている部分はありますが)、何かと便利です。早くて昨日、遅くて明日と言われていた裏地の配色確認用の目出しが今日上がってきました。色の確認なので京都に帰ってからでないとダメですが、精神衛生上、一旦画面上でも確認できて良かったです。前に進むのは月曜日になりますが(笑)。

 

今日は思いの外、早く仕事が終わりましたので、街歩き。とはならず、大量の写真を整理しました。今日FacebookにUPした意匠図の写真をゆっくり見るのもそうですし、もう亡くなられましたが、ある職人さんの手の動きの動画とか、じっと見ているだけで、出張の醍醐味を感じます。一旦、帯にしようとして、織組織が昔のその時ではピンと来なかったもの、図案までも行っていない案だけのモノも山ほどあって、これだけで2,3年作楽シリーズ(自分のブランドです)は安泰だとか、一瞬頭をよぎる余裕がある(今日は)、それも醍醐味です。

 

特にこの辺り、今見ても相当凝って作って、大好きな帯です。ほとんど織っていないし、紹介も仕切れていないし、まだ柄ストックあるし、この帯の写真を発見した今は、しまった感で一杯です。このシリーズは着物との相性もとっても良いですので、再始動したいです。

 

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今日は一つだけ上げていますが、自分のモノづくりのチェックを定期的にしていかないと、こんな時しか見返せませんので、気を付けたいです。最近は忘れっぽいので余計に・・・(苦笑)。

2015年08月07日

着物に囲まれる一日2

 

昨日一昨日と一日中、着物姿に囲まれた幸せな一日でした。
ある程度の撤収をしてから東京⇒京都まで車で帰宅したのが、朝の4時くらいでしたので、今日は少しフラフラで、久々に立ちっ放しだったので、足もパンパンですが(笑)、となみの帯、着物、小物を使われている所を沢山見せていただけので、本当に行けてよかったです。喉風邪も喋っているうちに、いつの間にか治っていました。今は、違う意味で痛いです(笑)。

 

明日が終わるとお盆休み。最後の詰めを行いたいので、今日明日とバタバタの2日間になりそうです。6月末にUPしていた【蝶千種】の目出しも上がっていますので、お盆の長い休みに入らない今日明日中に目処を付けて、今月中くらいに一本目を完成⇒2柄目。。そんな予定です。

 

まだ大勢の方に囲まれる前の一枚。


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作楽/上品綟』

2015年07月31日

作楽上品綟を使って。

 

長いお盆休みに向けて、済ましておかなければ行けないこと、
溜まった書類処理のために、バタバタと一日はあっという間に過ぎます。

昨日も一昨日も言っていました(笑)が『モノづくりには心の余裕が必要(絶対に)。』
こんな今の時期なかなか難しいです。

 

それを作るために、僅かな時間でしたが、今日は少々心を静めるためにも、
ほんの短時間、作楽/上品綟を見ていました。

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この写真の他にも夏物に合わせてみたり、羽織生地やコート生地に合わせたり
(関係ない)風呂敷、テーブルに乗せたり、外に持っていたり(今日は相当暑い・・・。)、
していました。

 

バタバタが続くと、どうしても何かを処理しよう、効率良くしよう、ショートカットしよう、
と対目の前にあることに向かって合理的にどうしょう?という感情で一杯になります。

どちらかというと、モノづくりにはあまり要らないです。

 

そんな状態から短期間リハビリ的な事として、反物の上に帯を持ってくるだけで、
『あ。意外にもこの色が引き立てるな。』『この紬、いらん思ったけど、次も使える?』
『ついでに帯締も持ってきて、色足そ。』等々の気づきがあります。

今あるモノに何か足したい、とか次はどうするとか、
こうやってもイイんでは?そんなのは、モノづくりに絶対に必要な感情です。

 

そんな時間を一日一瞬でも取っておくと、『何かを作ろう!』と切り替えてモノづくりに
掛かる状態になるまで、そんな時間は掛からなくなりますし、良いモノを作れそうな気持ちにもなります。

 

これらの話が全く関係ない切り替えの上手い人も、もちろんいますが、
自分ではスイッチのオンオフがスムーズに動くために、こういうこと良くしています。

 

 

 

2015年07月09日

OBI?

ただ今、開催中の『煌星の会』への協力をさせて頂いています。
 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/06/post-2175.html

 

帯地は結ぶもの、と自分たちの中では当然のことを異業種の方々が
どのように使われるか?興味もありました。

 

さすがに裁断されることは無いにしても、なにがあっても良いように、
心づもりして、帯地を出品しています(5本)。

着物の展示場へ出すと、いつもは帯地がメインの陳列になりますが、
今回は他の作家さんの引き立て役としての帯地。どちらかというと、
背景に近い役割です。

 

帯としての使い方が間違っている!とお叱りを受けるかと思っていましたが、
今のところ、好評を頂いている様ですので、安心しています。
(よく考えると、帯地のテーブルセンターもありますし。。。)

 

個人的には、となみブルーを使った作楽帯のコラボレーションが好きです。
(また、これは撮影に行ってきますね。)

 

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『作楽/サマルカンド(となみブルーふんだんに使用帯)』

 

全く帯の使い方としては、正しくないですが、
作家さんの作品の横から、気がつく人にだけ、ちょっとした存在感を主張する帯。

そんなシチュエーションを想像するのも面白いので、これもまた機会があったら、
引き続き参加させて頂きたいです。

 

今月の末にまたお邪魔してきます。

 

 

2015年06月22日

続行中の本袋モノづくり

 

今まで色々と寄り道をしていました。
やっと本袋の話ができます。

いま、現在3柄を進めています。
二柄が『雪佳本袋』。一つは『作楽本袋』です。

雪佳本袋の2柄は図案にて間取ってしまい、先週に図案が出来て、
いまは意匠図を作成しています。ただ、細部にしばらく時間が掛かりそうです。

これらは進み次第、順次紹介しますね。


 

自分の本袋モノづくり、一柄目は、秘錦のこの柄のリメイクです。
 

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『秘錦』⇒『本袋作楽』へ

 

いまは紋彫り中ですので、そろそろ配色を決めて行くところです。

 

裏地もこの時の七宝柄をそのまま活かし・・・、

 

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と、今のところ順調です。

今後の自分の中での本袋モノづくりの基準となるところです。
丁寧にモノづくりしていきたいです。

 

 

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2015年06月16日

一番最初の小物作りから・・・。

 

仙福屋でも根強い人気の懐紙入れ。

 

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『作楽/懐紙入れ』

 

 

よくよく考えると懐紙入れが、一番最初の仙福屋の小物作りです。
初めはプレゼント用として、ホントのハギレを(変な表現ですが)使って製作。

良い評判を頂いて、製品として現在に至ります。

 

そんな一番最初のハギレの時からでも気を付けていたのは、
『帯』としての美しさです。

もし、ギリギリこの懐紙入れが作れる尺のハギレがあったとしても(勿体無いと思っても)
帯としての美しさが完成した時の懐紙入れから、見えないとなると、
そのハギレは懐紙作り用としては、全く使いません。

 

と、試作やプレゼント段階からして、そんな状態でしたので、
現在でも、その考えは懐紙入れ⇒バッグ、もっと帯地としては小さな面積の花緒でも
同じ考えで通しています。

 

機能面からすると、もっと優れているものは他の素材、
たとえば化繊等でそう難しくなくできると思います。

 

となみ織物が織り、仙福屋が製作するモノに関しては、
そういった部分も片目では意識はしつつも、美しさ、持った時の満足感、
そこを大事にしていきたいと思います。

 

今日、懐紙入れに使う帯地を選択しながら、そのように考えていましたので、
形になってできるのを楽しみにしていて下さい。

2015年04月18日

今日の着物。。袷モノがもう少しほしい。

 

3日間の出張が終わり、京都へ戻ってきました。

写真を撮ろう撮ろうと思っていたのに余り撮れず、仕方なしに
今日着ていた自分の着物を撮りました(折角出てきたのに残念)。

 

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羽織は御召に紬を通した南蛮七宝文様←昨日は立涌地紋の無地。
麹塵染の南蛮七宝御召。角帯は紹巴織の作楽。羽織紐は仙福屋でもお馴染みの
純銀帯留め作家さんに作って頂いたモノ。

写っていませんがお襦袢は若冲の付喪神。
そんな構成です。

 

夏や単衣モノは最近作りましたが、袷モノは何年も作っていので、
そろそろ自分用に。そんなモチベーションでモノづくりに取り組んで行きたいと
思っています。

 

今日置いていたヤヤコシイ紬の着物(もちろんうちのオリジナル。)を見て触って、
何かできそうなイメージが湧きましたので、早いことこの気持のまま、
この辺りをベースにモノづくりをしていきたいです。

 

これくらい短い出張でも、皆さんから濃いお話も聞けて、とても有意義でした。
福岡の皆さん、ありがとうござました!

2015年03月28日

お湯に浸す数時間前。

 

最近はモノは紹介しても『モノづくり』自体はあまりここには出てきません。

ではモノづくりしていないのか?

というと自分個人としては、確かに『帯』や『着物』のような形に残りそうなことは、
あまり進んでいません。

どちらかというと、今は次の核になりそうな案のモノづくりや、
他社とのコラボレーションでのモノづくりを中心にしています。
(正直、こちらも進まん。。。でも、勉強になる。)

 

となみ織物全体としては、モノづくりに関わるスタッフが増えましたので、
一日一柄?という相変わらず、もしかして、それよりもさらにパワーアップしているかもしれません。

 

おそらく出張組が帰ってきたら、社内の情報を見ていなければ
間違いなく浦島太郎状態になります(笑)。

 

 

新しい帯の目出し(試験織)

 

さてさて、そんなとなみ全体のモノづくりとは違い、今回は個人のモノづくりになります。
『しぼ織』。おそらく作楽シリーズになる予定の帯目出しが上がってきました。

3色の候補で織ったものです。

 

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『しぼ織(作楽?)/目出しNo,1-3/経糸:白、ブルーを基調とした配色。』

 

このしぼ織は今では貴重になってしまった本物の『御召緯』を使って製織。
その後、お湯にくぐらせ縮め、それを再び帯巾に広げて、しぼを作る織物です。

上の写真は、そのしぼをまだ付けていない段階の最初期段階モノ。
(これくらいの目出しであれば、来週早々にしぼを付けたものを見ることができます。)

 

 

御召緯を使った帯

 

御召緯がお湯に浸かると、その特徴から縮む。
そのため、ある程度『紋』でその縮み具合を調整し、柄に見せることも出来ます。

帯にしても評判上々。
小物にすると、大方は『えっ帯?というよりも、その前に絹?』そんな反応が返ってきます。

スクリーンショット 2015-03-28 21.08.41.jpg
 

『しぼ』の隆起が地部分のメリハリになり、この帯独特の雰囲気を作ってくれます。

 

 

新しい試み

 

今、目出しとっているのは、この隆起をさらにコントロールしてしまうこと。

DSC04853.jpg

 

しぼ織の高いところが山、低いところが谷だとしたら、谷部分は平穏にまっ平ら。
反対にその分を山に持ってこれば、帯にはさらなるメリハリと、新しい表現が手に入る、
かもしれません。

 

 

これを書いている間、この帯に関して、いい案が出てきましたので、早速週明け試してみます!!

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