となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』 > THE お召!

2007年08月29日

THE お召!

最近は、大島・琉球・牛首などの他産地のモノにも、


となみ帯を合わせることが、多くなっています。
(というよりも、今までよりも目にする機会が増えたのだと、思います。)


同産地と言えば…


御召ですね!


『御召』というのは…

と書いていたら、


たった今、

目の前を御召緯が通り過ぎて行ったので、

少し借りて写真をパシャリとってみました。

御召緯1.jpg

 ↑ お召緯です!

パッと見ても、あまり普通の糸と変わらない?

と思われるかもしれませんが…

この糸は、厳密に言うと、

日本でしか作れないそうです。


なぜなら、

その製作工程の手間に秘密があります。


かなり省略してますが ↓

①まず、生糸を下撚り
  →4本から10本の糸を、1メートル辺り200回前後回転させ、
   より合せていきます。

②その後、糸を洗いセリシンをある程度、落とします。

③そして、染色

④200回転させた糸が戻らないように、天然素材の糊で、
 止めます。糊は、米とか海藻です。

⑤その後、下撚りと反対方向に(下撚りが左なら右)、撚りを2600回転前後
 かけて、(勘と経験が重要!!)。(スピードが上がると、切れる。。)


完成です。

一本の御召緯を作るだけで、
(しかも省略バージョンで)

これだけの工程が掛かるので、

とにかく、超が付くくらい量はできません。


その他にも温度・湿気も影響しますので、

本当になかなか。できません。


糸で、これだけ書いてしまうので、

並行して柄付けや組織(織り方)を考えていくと、

…です。


さらに、そんな糸で織った織物は、

裾さばきや着易さも、もちろん素晴らしいものです。

今回は、

タイトルにあるように、THE お召!

といきたかったのですが、読み返すと、

『THE 御召緯!』

ですね。。。


当初は、

新しく作ったものを見てもらいたかったのですが…


それは、またの機会に!!

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