となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > 縞作り。『整経』

2008年04月21日

縞作り。『整経』


『縞(しま)』とは・・・
縞(しま)=島(しま)

外国から、特に唐を中心に渡来してくるモノ。

そんな異国への憧れから、『しま』
と名付けられた・・・
と由来があります。

今は、そんな縞柄を作っています。

うちで、縞を織るには、
大きく2つのパターンが考えられます。

1つ目は、横糸に何色も使い、
通常の柄として縞を織っていく。


2つ目は、
様々に染めた糸を織る前の段階で、
縞になるように一本ずつ並べていって

後は無地を織るように、織っていく。

という方法があります。

もちろん、両方ともメリットデメリットがあって、

1つ目は、横糸で織りだすと、
色が自由に変えられる、
というメリットある分、
横糸を多く使うだけ重くなりやすい。

2つ目は、経糸を染め分けるというのは、
染め分け後は、無地を織るようなもので、
軽く上がり易い、というメリット。

但し、一度染めてしまうと、
色を変えるのは、困難です。


今製作しているものは、
1+2のようなやり方です。
上の二つのいいところ取り、をしています。

織物の重量を軽く上げつつ、色目はある程度自由に。

今回はこんな柄を製作しました。
080421_1108~0002.jpg

この縞の製作段階では、
まず、通常通り、縞に使う色目をそれぞれ染めて、
経糸を『縞』
に整経(並べる)していきます。
(通常の整経工程)

その後、横糸を入れる段階で、
地色の変化が付くように紋を作成して、
糸の合わせ本数を調整して、バランスを取る。

手間はかかりますが、
奥行きのある面白いモノ作りができます。
(失敗すると横が縞々に・・・)

すべてが上手く、行って帯が上がってくる。
具体的には、
縞の太細がイメージ通り
だった時は、非常に嬉しい一瞬です。

この柄に関していうと、私的には太い縞の同士の間にある
細い縞の配色と間隔が、イメージ通りでお気に入り部分です。

皆さんはどうでしょうね?



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