2009年02月06日
考え方のモノづくり。 作楽紬(1)
私たちは、
『紋』を作る時に一番モノづくりに関わります。
新しい帯組織(織り方)を試す時などは、
特に気が入ります。
糸使いや打ち込みによって、
場合によっては織れないこともあり、
何でもそうですが、頭の中だけで行うのとは、
やっぱり違ってきます。
ですので、帯という形にしようと思うと、
それに集中して付きっきりになることも多いです。
今日紹介する帯(織り方)は、
上のような新しい組織では無いのですが、
これも新しいモノづくりです。
それは、『今までのモノ』を
『今までやったことが無い』
『かたち』で表現したモノです。
それは、
縁だったり、面だったりと
組み合わせを工夫したり、
一つで使っていたモノを他と組み合わせてみたり、
二つのモノを、バラバラにしてみたり、
偶然に出来たモノを全面に使ってみたり、etc
まだまだあるとは思いますが、
そうすることで、
『今まで自分でしたい』
と思っても、
『これ以上無理か?』と
悩んでいたことが、解消されることもあります。
新しいのは、モノづくりする『考え方』です。
今製作しているモノの中では、
金糸と絹糸で整経した経糸を織り上げ、
経糸を職人が一つずつ、
クシで揺らしていく織物です。
揺らした部分がボリュームと味になって、
結ばれた時にカジュアルさが前に出てきます。
その一手間が、味の織物です。
織り自体はとても難しく、
織れる職人さんと機も少ないものです。
そんな特徴のある織物ですが、
今回は、地に使っていた織の上げ方を、
一つの帯の中に数種類変化させてみました。
経糸がフル活用して、柄を変化させていますので、
色目を使っていないように見えても、
着物に合された時、様々な表情を見せて
くれる帯になっています。
製作には、見た目のシンプルさからは、
想像できないほど、時間がかかってます。
是非、見てもらいたい帯の一本です。
完成した後、ド~っと思いモノが、
体から出て行った気がします。
※1~6月 9~12月と約10か月間と
かなりの長期間、結んで頂けますよ。
ポイントで、面白い紬を使って、
さらに変化を出しています。
↓ こんな紬糸です。
このシリーズは、製作に時間が相当かかり、
全く完成予定が立ちませんので、
コツコツと進めています。
シリーズは、
『作楽 白黒紬』という名前を付けました。