2009年09月07日
きじじっけん。
『南蛮七宝・唐長』
普段の『モノづくり』というと、
経糸の数、糸の質、緯糸の種類等々、
様々な組み合わせを考える作業が多いです。
織り上がったモノに対しては、絹の良さを生かすため、
『そのまま仕立て』をして、納めます。
ですので、基本的に、となみ織物では
織り上がった後の加工(『後加工』)といことはしません。
例えば、どんな加工があるか?というと、
絹等で織り上げた帯地に樹脂等をかけて、
ペラペラ・柔らかすぎる生地の風合いを固くする等。
となみ織物の加工に対する考え方は、
(雨よけ等の防水・撥水等が必要なものは除いて、)
せっかくの絹が勿体ない、という認識があります。
最近では技術も良くなり、生地を傷めることはほとんど
ないので、偏見といってしまえばそれまでなのかもしれません。
ただ、いまだに織の技術を誤魔化すための、
後加工もありますので、やはりやりたくないのが現状です。
そこまで書いておきながら、今何をしているのかというと、
帯以外の『小物』についてです。
小物に関しては、一部『雨草履の花緒』など、
帯で想定された使用方法とは全く異なり、
現在でも特殊な加工をしているものもあります。
雨草履の時も様々なモノを探し、提案もしてもらい、
現在の形がありますが、その他の小物にも・・・
と考えると、さらに
検討を余地がありそう・・・です。
『絹』という天然繊維は、色が独特(発色が素晴らしい)や
光沢、しなやかさ等の特性が飛びぬけて良いので、
それを失わないようなものを考えています。
まだ、ほとんど進んでいませんが、今後小物のバリエーションを
増やすためにも相当の時間を掛けてでも見つけたいと思います。
そんなことで、となみ織物では帯に関しては、
当面は『後加工』を使うことはありませんが、
生地が変化する様子を見ていると、
『あれもしたいこれもしたい』と
可能性がいっぱい出てきて、とても期待しています。
まだまだ遠いですが、
だれもしていない価値を作っていきたい、ですね。