2009年11月27日
『木田安彦の世界』
無数にある、となみ帯の中には、
古典柄からシンプルな幾何学柄、
かなり個性的な柄等々、様々あります。
その中で、人間国宝の作品を意匠としたものなど、
帯を目的に作られていないモノ、
(図案として描かれたものでないもの)をモチーフに
製作した帯は、他とは違った存在感を持っています。
ただ、帯にするまでの段階で、相当考えます。
『そのまま使えるし、楽そう。』と言われることも
ありますが・・・、全然そんなことはないです。。。
まず構図がそのままで使えたとしても、
ピタッとくる大きさを決めるだけでも、
微調整に相当の時間がかかります。
上手くクリアしても、必ず問題になるのが、
表現の部分です。
織物ですので、普通に考えても、
色数は大きな問題です。
また、その絵の味を表現する際にも、
作者の意図・表現自体も考えて、進めないと
織物として『何となく気が抜けた』ような帯になります。
これは、完成しないと分からないこともありますし、
すぐに気が付くこともありますし、とにかく気が抜けません。
そんなこんなしながら、すべてクリアして完成した帯は、
やはり愛着がありますし、並べても個性が際立ちます。
例えば、『若冲』の亀図、蟹図、涅槃図、鸚鵡図等々
⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105057657.html
『雪佳』の金魚玉
⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/97441850.html
『詩情夢二』より、カマキリ
⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/100822713.html
となみ織物の中には、そんな柄達が相当数あります。
それらは、全部大好きな柄です。
もう一つ、
今回京都文化博物館で行われているのが、
『木田安彦の世界』
帯も、一度紹介しましたが、
とにかく圧倒的な存在感です。
⇒http://senpukuya5.seesaa.net/article/105158564.html
博物館では、木田先生の作品を見てもらいつつ、
帯も見て頂けるので、ちょっと普段できな体験ができます。
もし、京都来られることがあれば、
是非足を運んでもらえれば・・・と思います。
(帯の陳列は期間限定です。)
明日この帯を製作した時の紋屋さんと
一緒に行く予定なので、詳しくは報告をします~。