となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > ちょっとだけの例外で嬉しい時。

2010年01月26日

ちょっとだけの例外で嬉しい時。

先日書いていた記事を読み返していて
思ったことがあります。

 http://senpukuya5.seesaa.net/article/139038838.html


自分でモノ作りしていて、

『どっかで見たことあるなぁー。』

『これ、似た柄を見たことある』とか、
もし言われたら、相当ショックです。
(全くないことはないのが辛いですが)
と書いていましたが、
そう言われて大丈夫な例外がありました。

それは、何十年あった今までの紋柄を再び織るときです。

帯は、紋図を書いて、何十年後でも同じ柄を織ることが出来ます。
京都本社の敷地内には、それを保管している保管庫があります。
数が数だけに、天井まで紋図。図案。見本裂。の山々です。

そこから、作るモノづくりは、昔の柄を使うので、
織った帯はリメイクみたいなものです。

以前も書いていたかもしれませんが、ここにある何十年も前の
紋図を触れるとその時製作した人の気持ちが伝わってきます。
『ここの色を大事にしてるんだぁ・・・』とか
『こんな糸の使い方があるのかぁ』などなど。。

そんな『昔の人の思い』を活かして製作するモノづくりは、
原本があるからといって、簡単には行きません。
というよりも、反対に難しいときの方が多いです。

気持ちを汲めるだけとことん汲んで、可能な限り自分の色も出す。
というのが理想だと思います。
もしかして、家のリフォームに近いのかもしれませんね。

こんな仕事を最近してましたが、、
まさに上にような気持ちで関わっていました。

柄自体は数百年とある柄で、紋にしたのも相当昔です。

ですので、『となみ独自』とは言えませんが、
紋図をニラミながら、
この配色を大幅に手直ししました。

R0010162_2.jpg
いつも紹介している帯よりも、固い感じがすると思いますが、
どうでしょう?と皆さんに聞いて、評判をもらうのが、
これから、楽しみです。

こういうモノづくりで上手く言った時は、
『ショック』ではなくて、最高に嬉しい時です。


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