2010年06月24日
形になっていないもの。
大勢の着物着た人の中にいました。
(イベントなので、相当な迫力でした)
ある人が結んでいた帯が目に留まり、
しばらくボーっと何気なしに見ていたのですが、
それが今でも頭の中に残っています。
いつものことなのですが、柄自体は、全然覚えて無くて、
思い出そうとしても、ボヤーっとしているのですが、
印象(輪郭?)だけはクッキリと残っています。
たまに、こういうことがあるので、
それをイメージだけのモノづくりをします。
(漠然とした図案からスタート・・・)
困ったことに、イメージだけなので、
出来上がったときに、完成してもそれがこの柄だったかは、
わかりません。。
ただ、『こんな感じやったなぁ。。』と。
実際には全く違ったとしても、全然それは良し、です。
今はそういう柄を作っています。
これまでにある組織では、多分イメージに沿っては
できないので、紋づくりの発想や糸使い等は、
大幅に変えている行っています。
形のないものですので、日が経つと変わっていきます。
なので、イメージを出来る限り保ちつつ、絵に書いたり、
文字にしながら、残しています。
残すものは、こんな感じです。
(だから、自分の持っているものが入る余地が
いっぱいあるのかもしれませんね。)
『ここのボケ具合がポイントで、滲ませる。
色目は、経が勝って強い色を入れても、 柔らかい感じが残る。』
『線は、いつのまにか切れた感じになるように、
上げ方は細かく。』
『ベタの部分は、何も通さなくても、透けて
陰影がでる感じを大事にする。』
そんな調子で、メモ書きをしています。(絵入り。。)
作っている最中は読み返すことは少ないのですが、
今まで、こういうイメージでできた帯のほとんどは、
不思議と、この中に収まるようになっています。
さて、今回はどうなるでしょうね?
↑最初の見本はこんな感じです。
(まだまだ、道のりは遠そう。。)