となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > 職人技。。

2010年07月02日

職人技。。


縞を頭の中に充満させて、製作していたものが少し上がってきました。
 →http://senpukuya5.seesaa.net/article/153232546.html

IMG_0125.jpg
『imon格子、八寸』

横の縞と縦の縞を合わせた、『格子柄』です。

通常『縞』を作る際に多いのは、経を最初から縞に染めて、
先に作っておくのですが、

この帯の『縞』はすべて横糸だけで『柄』を出しています。

よく写真を見てもらうと、
すべて細かく横の糸が通っている
様子を見ることが出来ると思います。

こんな『いつもと違うこと』をしたのは、
今回の『縞づくり』を最初から最後まで、
頭の中にあるのが、
南米を中心とした南方のものが多いからです。
(透け感のあるモノが多い)

そのために、横糸の使い方を工夫して、
縦に繋がっていないようにして、直線でも柔らかくしました。

さらに、横糸のみなので、結構色目のキツいものを入れたりと、
遊ぶこともできます。

シンプルだけに、触れますので、同じ柄でも変わった配色を
見てもらえるようにしますね(次は寒色系で)。

素材/生地的に、いらないものはすべて取り除きました。
とにかく薄く上がっていて、結びやすいと思います。


他にも、これは織り手の話ですが・・・
IMG_0124.jpg

端まで、縞を作る糸(赤い糸)が通ってます。

普通は、ここの端まで糸が来ている分、
幅は広くなるのですが、
それが最小限度に収まり、
綺麗に織り上がっています。

相当昔の八寸等を見ていると、ボコボコしているものも
あるので、この綺麗さは素晴らしい技術だと思います。

紋を作っていて、端の部分には相当の気を使っていますが、
それでもこんな上がりを見るととても嬉しくなりますよ。

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