2010年07月12日
細部へ
祇園祭の鉾立てがちょっと心配になるくらいの雨です。
先週の半分は京都にいませんでしたので、
その前に作っていた紋の試験織り等、
多数上がっていました。
この出張モードから、モノづくりモードに、
パッと切り替えるのが、いつも一番大変です。
現在の所、製作しているのは、色々と書いていた通り、
まだまだ試験ものが多いのですが、
中にはもう少しで完成か、それに手が届きそう・・・、
なモノもあります。
例えば、
完成に近いものが、この柄です(そのアップ)。
琳派らしい『松』のアップですが、
最後の最後まで、悩むのは、松の葉の部分です。
中心が濃く、周りが薄く(ボカシ)なっていますが、
この上がりがとても難しい所です。
地色が薄系の色なので、その糸を上手く使って、
白地の地にスーッと溶け込んだような『松』を
目指しています。
まだ、もうちょっと頑張りたい所ですので、
てを加えたいと思いますが、
イメージとしては、良い所にいます。
同じように他にも、
渦の中を経糸、横糸で上手いこと、ボカす所で
この帯作り全体が詰まっていました。
『たたく』というような表現で、表しますが、
この『たたいて』いる時には、どこまで強くたたいて、
ボカシを強めるか、イメージしながら、紋を作っていきます。
これらの細かい所は、遠くから見てても細かすぎて分からない、
という程のモノですが、こういうところに強く強く拘ると、
それ以外の部分も立ってきて、全体の帯としてレベルが上がります。
(帯はそれの積み上げなので、当然と言えば当然ですが・・・)
見てもらえると、モノづくりの立場からすると、嬉しいです。