2010年10月06日
『いいのになぁ帯』 No.3 神坂雪佳の世界
今は京都で、モノづくりに割ける時間が多く、
少しずつですが、いい調子で全体が進んでいってます。
また、合間を見て展示場が静かな時に、
帯に囲まれる時間を作っています。
その時は、ほとんど気になる帯をじっと見ています。
毎回見るものが、一緒というわけではなく、
いつ見ても好きな帯と、最初は何とも思わなかったのに、
ドンドン印象が変わる帯。等があって、
同じ所に同じ帯があっても、イメージが変わったり、と
一人で楽しんでいます。
今日見てもらいたい帯はどちらかといえば、
そのなかでも、後者の印象が良くなるタイプの方です。
『神坂雪佳の世界より』
織的は、経糸が紬糸でザックリと織り出したものです。
横糸は紬糸、通常の絹糸、そして薄い箔を通しています。
今日はその織ではなくて、柄の部分に注目です。
この図案は自分の図案の先生が描かれたもので、
神坂雪佳の図案の意匠をモチーフに、再構成したものです。
『図案』自体には、かなり思い入れがありましたが、
紋図を経て、帯にした時は、『あれっ』と特別、
気が行くものでは、ありませんでした。
それが、今では見る度にドンドン細部に目がいって、
惚れてしまう帯になっています。
この帯は、幾つかのテーマが合わさったものなので、
皆さん、それぞれ目の行き場所が変わると思います。
私的には、金の箔が各テーマを区切っていく中、
ちょっとだけ顔をのぞかせている、
銀の雪輪がとても好きです。
最近の自分のモノづくりは、スッキリなものが好みで
どちらかと言えば、図案の好みもそのまま偏っていますが、
こういう少し重めの柄付きも見て、頭の好みを
シャッフルすることも、時々してます。
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