2011年05月25日
作楽:水仙の草履を見ていて。
今日、カッコイイ草履が上がってきたので、
しばらく見ていました。
タイトルにもあるように、
花緒は、作楽シリーズの水仙(良く出てくる柄です。)
と台は『仙福屋の草履』でも、ちょっと上のクラスのダックジュエル。
それにプラスして、花緒には『ツボ通し』という種類の
仕立て方をしています。
花緒が羽の様に立ちます。
この仕立ては、花緒単体で見ていても、良く分からないのですが、
台とくっ付けると、花緒が持ち上がり、綺麗に見えるというものです。
手が早い職人さんではないので、まだ『仙福屋』では、全部がそうでは
ないのですが、こちらも選べるようにしていきたいと思います。
と書いていて、この当たり前に言っていることも、
最近は、どんどんと当たり前ではなくなってきました。
草履に関しては、台を作る人はもちろん、最高の真綿入り台を
製作できる人は、日本に2人だけ・・・
(類似品が多いので、出来上がりを見ると別物です。)。
と、後継者が難しい状況です。
また、花緒に関しても今までのように、綺麗に作れる職人さんは
ドンドンと減ってきて、このまま行けば・・・。
帯に関しても同じで、様々な工程で使う道具類も作れなくなって、
職人さんも高齢化で・・・。
と、とても厳しい状況です。
たった草履一足、帯一本かもしれませんが、その中にも凝縮して、
拘ったモノ作りできる、こだわれる部分を一緒に職人さんと
作れるというのは、本当に幸せなことです。
作る側にいますので、もし、毎日のモノづくりが
ここまででイイやとか妥協に走って、
様々な細部に拘らなくなってしまったとしたら・・・。
ドンドンと細部が無くなって、草履でいうと、革使わなくいいや。
カカトもあるもんでイイや、多少履きにくくてもイイや、
となると・・・。
あれが出来なくなって、これも出来なくなってしまいます。
いざ、いいもんを作ろうとして、
『ここをこうしたい』『こんなモノを作りたい』
と話をしても、『昔はできたけどなぁ。。』
そんな風にならないように、毎日こだわってキッチリと
モノづくりをしていきたいです。
草履一足見ていて、そう思いました。。