となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > > 2009年から、製作してきた織物。

2012年03月07日

2009年から、製作してきた織物。

 

なかな妥協ができなくて、停止していたモノづくり。

やっと見つかりました。随分と登場が遅れましたが、完成です

(ちなみに、2009年からです)。

一度は完成と思いながら、袋帯まで3年です。

 

 

当初、袋帯にと表の意匠自体は随分と前から出来ていましたし、

目出しや見本としては織り上げた後、素材を少し変えて、なごや帯などで、

商品としていたモノです。

(今、織り上がっている柄はみなさん見られたことがある柄です。)

 

IMG_3569.jpg

『imon袋/はとば立湧』

 

袋にするため、探していたのは、裏地です。

 

いつものとなみ織物/袋帯では、たとえば紹巴織などは、表と裏は同じ織機で織り、

それを両面にして袋帯に仕立てます。

同じ機の同じ糸、同じ職人によって織り上げられるので、

兄弟姉妹のような両面袋帯になります。

 

今回の織物組織の場合、素材や組織の都合上、少々問題が生じました。

(ほとんど起きない僅かな確率なのですが、念には念を入れて。)

 

そこで、つい最近まで異なる織物をしばらく検討していました。

安易に、世間でよく見られる、よそからの仕入れ裏地ということはしたくなかったので、

織物、糸種、地紋等々から検討です。

 

糸種を変え、紬を通したりして風合いを変え、地紋を入れたりと、

様々試して、コストも時間も大幅に掛かりました。が、なかなか決定とならず。

 

最終的に、最適だったのが、身近にあった総紗縫の機で織った無地

だったのは、とても意外でした。。。

(特に自分のブログを読み返すと、すくそこに・・・。)

 

問題なのは総紗縫の製作数が増えたといっても、織上がってくるのは、

そんなに多くはないので、袋帯になるまでが、さらに時間がかかります。

ただ、その分、利点は相当出てきますので、楽しみです。

 

IMG_3565.jpg

『imon袋/千鳥に流水』

 

総紗縫の両面好きな柄を選ぶことができる。

ということは出来ませんが、その分、できない表現が織でできますので、

総紗は総紗、imonはimonというようになるのが目標です。

 

上の千鳥もそうですが、この『sekka(神坂雪佳の世界)』もそうです。

 

IMG_3567.jpg

『imon袋/sekka』

タグ: , , , ,

Instagram

tonamiorimono

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...