2012年03月07日
2009年から、製作してきた織物。
なかな妥協ができなくて、停止していたモノづくり。
やっと見つかりました。随分と登場が遅れましたが、完成です
(ちなみに、2009年からです)。
一度は完成と思いながら、袋帯まで3年です。
当初、袋帯にと表の意匠自体は随分と前から出来ていましたし、
目出しや見本としては織り上げた後、素材を少し変えて、なごや帯などで、
商品としていたモノです。
(今、織り上がっている柄はみなさん見られたことがある柄です。)
『imon袋/はとば立湧』
袋にするため、探していたのは、裏地です。
いつものとなみ織物/袋帯では、たとえば紹巴織などは、表と裏は同じ織機で織り、
それを両面にして袋帯に仕立てます。
同じ機の同じ糸、同じ職人によって織り上げられるので、
兄弟姉妹のような両面袋帯になります。
今回の織物組織の場合、素材や組織の都合上、少々問題が生じました。
(ほとんど起きない僅かな確率なのですが、念には念を入れて。)
そこで、つい最近まで異なる織物をしばらく検討していました。
安易に、世間でよく見られる、よそからの仕入れ裏地ということはしたくなかったので、
織物、糸種、地紋等々から検討です。
糸種を変え、紬を通したりして風合いを変え、地紋を入れたりと、
様々試して、コストも時間も大幅に掛かりました。が、なかなか決定とならず。
最終的に、最適だったのが、身近にあった総紗縫の機で織った無地
だったのは、とても意外でした。。。
(特に自分のブログを読み返すと、すくそこに・・・。)
問題なのは総紗縫の製作数が増えたといっても、織上がってくるのは、
そんなに多くはないので、袋帯になるまでが、さらに時間がかかります。
ただ、その分、利点は相当出てきますので、楽しみです。
『imon袋/千鳥に流水』
総紗縫の両面好きな柄を選ぶことができる。
ということは出来ませんが、その分、できない表現が織でできますので、
総紗は総紗、imonはimonというようになるのが目標です。
上の千鳥もそうですが、この『sekka(神坂雪佳の世界)』もそうです。
『imon袋/sekka』