2012年03月26日
十字十、本仕立て
2月に本仕立てした帯を結んでもらいました。
御召糸を使って、しぼを付けています。
十字柄の部分と白地の部分とは、しぼの具合を変えています。
タレ部分が一定したリズムのしぼ、十字部分はランダムに見えるような、
しぼを糸や紋、で表現しています。
そうすることで、お太鼓にした際、十字柄が浮いた筏のように見えて、
しぼの川を漂うようなイメージになったのでは?と思います。
あまりとなみ織物らしくない柄なので、『それって、どこの帯?』
と聞かれたそうですが、これからも時々はこういう帯も
作っていきたいと思います。
大島紬と反対色で合わせても、しぼが効いているせいか、
この写真以上に、馴染んでいます。
帯留めは漆を使ったもので、桜の花びらモチーフです。
これもまた、しぼの川を流れていっているような感じになっています。