2014年08月04日
8-1
1,近況
あっという間に7月終わり、となみ織物では恒例というか、例年通り、棚卸しを行い、滞り無く終了です。
(この展示場の全ての帯をPCに通していきます。)
棚卸しは本来の目的とは、別にメーカーとして全ての帯をチェックすることが出来る数少ない機会です。
目の前を沢山の色柄の帯が通り過ぎていきますので、その際、刺激を受けて、
新しいモノづくりへのアイデアが思い浮かぶこともあります。
今年入ったばかりの新入社員は、帯運びで重労働に思えるかもしれませんが、
良いチャンスでもあります。
そんなことも伝えつつ、がんばれ〜と声援を送っておきました。
帯以外にも、図案や紋図、原材料、全てチェックしていくので、本当に丸一日仕事です。
こういう図案も見ながら、今だったらどう配色する?という話もしながら・・・
今回のメルマガにも載せていますが、昔の柄は学ぶことが沢山あります。
この何年かは、糸代や染め代、今年後半からは織り手さんの織り工賃が上昇、
小物に関しては帯揚げの白生地や草履のキルク等、全てが急上昇ですので、いいモノを作りつつ、
それの価値がちゃんと伝わるように、今後もメルマガ、Facebook、ブログ等続けて行きたいと思います。
まずは、上半期ありがとうございました!
1,2日だけホッとして、下半期スタートです。
2,Facebookランキング
③7/10『あしあと帯揚げ』726
⇒Facebook『猫足帯揚げ』
『仙福屋宗介Web』⇒http://www.senpukuya.jp/products/detail.php?product_id=1190
藍よりも少し青掛かった深い色味に白でシンプルに絞りをして製作した帯揚げ。
別織りで製作したちりめん地を使い、少し光沢を抑えて可愛らしさをプラスさせました。
最近は、何でも合ってコーディネートし易さよりも、アクセントになるような小物に人気が
集まっています。この帯揚げもFacebook上でも非常に人気です。
②7/28『昔の図案』775
⇒Facebook『昔の図案』記事へ
数十年という昔の図案です。
整理していて、出て来たものですが、今描かれる図案とは、パワーが違います。
見た目通りボリュームがあり、色味も原色に近く、いかに古典柄にアレンジを加えるか、
今の洒落帯中心とはまた違った考えで作られています。
皆さんの懐かしいという反応以外にも、帯としても好意的な反応がありましたので、
今後のモノづくりももっと面白いことをしても良さそうな気になりました。
①7/19『上品綟で夏すごす』861
⇒Facebook『上品綟で夏すごす』
先月のTOPは、上品綟を使った共感のコーディネートでした。
この帯は、綟織で織っていて、総紗縫よりも目は粗いですが、様々な素材、太細の異なる緯を使うことで、
入ってくる光によって、帯の雰囲気を変えることができます。
多くの着物姿の方がおられましたが、とても目を惹いていた着姿でした。
3,アヅマ袋説明。
製作の始まりは、いつも帯地を縫って袋モノを作ってもらっている職人さんからの提案でした。
手にされていた帯地は『総紗縫』。となみ織物の中では一番か二番を争う使い勝手良い、帯のシリーズです。
この職人さんが言うには、『これだけ薄くて、シワにもなりにくく、張りがある生地はないよ。しかも縫いやすいし。』ということです。帯を作るメーカーとしては、軽さやシワというのは考えていますが、裁断後の縫い易さまでは考えないもの。早速、その職人さんに『好きなように作ってみて。』というメッセージとともに生地を数反送りました。
しばらくして、見本として上がってきたのが、烏瓜(からすうり)の帯地を使ったアヅマ袋。
それを見た瞬間、総紗縫の帯地が袋モノにピッタリな生地なんだと思いました。
このアヅマ袋で使っている帯地は全て『総紗縫』の機。
ただでさえ難しい綟織、さらに手を加えた織組織ですので、織れる職人はベテランの職人の僅か。
それでもたまに出てくるキズ物を上手く使って製作しています。
小さく折りたたんで、バッグの中に入れて置けますので、荷物が増えた時のセカンドバッグとしても、
活躍してくれると思います。
ただいまのところ、ショールームでのみ展示中です。
4,ショールーム
⇒https://www.facebook.com/senpukuya?ref_type=bookmark
とても順調に進んでいますが、小売屋さんが来られた時などに振り袖の陳列に使ったりもして、
今のところ、多目的ルーム化しています。
なぜか頂いた大瓶のビール20本も飲む機会ないまま冷蔵庫に入っていたりと、
自分の部屋よりも居心地が良くなってきそうですので、早いこと常設になるようにと思っています。
もう一つは、何年も使っていなかった、置き場所にも困っていた大きな机。
それを捨てるのは勿体無いので、帯との相性も悪くない、革の様な風に張替えました。
大きな陳列台、作業台ができることで、段々と雰囲気良くなってきました。
職人に依頼している懐紙入れやバッグ等も上がってくると思いますので、さらに形がしっかりしてきます。
この振り袖の後には、下の写真の様な感じで
南蛮七宝の利休バッグばかり並べています。
利休バッグは、他のバッグと並べると、当たり前すぎて光が当たることの少ない形ですが、
こうやって様々な色目、形態を並べると、見応えがありまし、気に入っています。
ちなみに後ろも利休バッグが並んでいて、囲まれています〜。