2014年10月25日
『総紗縫・黒』続き
総紗縫の黒を作り始めてから、少したちました。
最初は真っ黒が難しいということで、濃い濃いグレーの辺りで止まっていたものが、
今では雑誌でも紹介出来るように、真っ黒ができてしまいます。
何も無いところに作るのは非常に難しいですが、ある程度土台ができてしまえば、
その上に積み上げるのは、0を1にするよりは難しくありません。
それがメーカーの特性で、一つ完成したら、また0から何か新しいモノを作ろう!
(満足感も高いので)となってしまいがちですが、積み上げて行くのも、ここでいうと、
柄を組織の上に乗せていくということも、簡単なことではありません。
また、土台の上に乗せる方法も、ただ単に今まで積み上げてきた事の延長では面白く
ありませんので、やはりその時の自分の色や考えをモノづくりの中に入れていきます。
以前、美しいキモノで発表したものが、
写真のような3種類、テーマを変えて製作しましたが、この時は『総紗縫・黒』の
可能性を探るために、色々とやりました。
今回作ったものは、上手いこと行ったモノは踏み台に、失敗した所は再挑戦の意味も
込めて、再度モノづくりしてみました。
このようにシンプルに見えるモノの中に、今考えられる工夫をいっぱい詰めて作った
『総紗縫・黒』です。
透け感の関係で、持ち上げると輪唱の様に柄が付いてきます。
着物、小物と合わせて結ばれたところを早く見たい帯です。