2015年02月03日
ちょっと変わったモノづくりの話し合い。
今日はたまたまFacebookと被りましたが、半巾の話です。
ある3人の方から、『浴衣用の帯、作ってませんか?』
と聞かれました(皆さん、この業界ではありません。)。
自分たちが浴衣から遠ざかっているせいか、最初は『えっ』となりましたが、
さすがに帯屋として『帯が無い』とは答えたくないので、
『浴衣には勿体無いかもしれないけど・・・』と枕詞を付けながら、
『無くはないですが・・・』と答えました(頭には京小袋を思い浮かべながら)。
でも、やっぱりとなみさんやし、結構いいもんですよね?
と聞かれましたので、『ありがとうございます。』と応えて終わるのもなんですし、
じゃ、折角なので、一緒に何か作ってみましょうか?
と返事から始めたモノづくりです。
詳細は聞きましたが、一応、その時に話をしていたのが、
販売価格からのコスト面の問題。
何をどう作っていこうか?と考え始めると、ほとんど頭から消えてしまう、
言葉です。
たとえば、コストを落とすと場合、まずどんな事が考えられるか?
糸の品質を下げる。
図案から、紋からサボる。
織組織を生地の状態を考えずに、筬打ちを甘くする。
そもそも、絹を使わない。等々。
これだけ考えるだけで、コストは落とせそうですが、
正直とても手間です(笑)。
まず、糸の置き場所を変えないとだめ。原糸の段階から倉庫の中の
置き場所を変える。もしも、染めた後に、混ざって織ってしまったら、
全てキズ物に。。。
図案や紋をサボる、これはイメージすると楽しめました。
人間って上手く出来ているもので、良くないものを作ろうとする
回路は元々入っていない様な気がします。物凄く時間がかかりそう(笑)。
織の段階でも、確実にうちの職人さんたちは、絶対にそんなん織れんと、
NGがでそうです。
そもそも、織物は絹以外のノウハウも無いし。。。
と、お酒の席でもあったので、逆のモノづくりで結構盛り上がりました。
それで、結論はとにかくイイ物を作ろう、でした(笑)。
半巾として、長さも短い、裏地の紋を改良したり、経糸の取り本数(何本織るつもりか?)
等でも随分変わるので、根本としての素材、配色等の見た目、織組織としての風合いには、
全く触らず、それ以外ところで、今の言われているモノづくりをしてもいいのかな?
とも思っています。
なにごとも、モノづくりの勉強になってくれそうです。