となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > 総紗縫進む?

2015年02月06日

総紗縫進む?

 

モノづくりを進めていく上で、頂上は人それぞれ色んな形があり、
そこへ行くまでにも色んな方法があると思います。

自分の中のモノづくりでは、①細かな細かな改良点を積み上げ加えて、②繰り返し、
ある時に、③突然ジャンプするようにして、進化。

それからまた、④しばらく停滞(安定?)、⑤その間に柄を作りながら、
⑥マイナーチェンジをしつつ、⑦手探りで改良、⑧良くなりそうな方向を
見定めてから、細かな改良点を積み上げ・・・(①へ戻る)。

という様なモノづくりが、性に合っていますし、好きです。

 

自分の場合、⑦手探り部分が長く、2周目の大きなジャンプはなかなかできませんが、
今回の総紗縫の改良は、次のステップのためのベースになってくれるかもしれません。

 

この発射台をキッチリ整えないと、分けのわからない所へ飛んで行ってしまいますので、
間違えないように最大限注意しています。

今もこう書いていて、『よく飛んだけど、どこへ行ったか判らないモノ』が、
幾つか頭をよぎっていきました(笑)。。。

 

総紗縫紹巴織は、となみ織物で長い間織ってきたため、その経験から織物の完成度が高く、
織組織としてイジれる部分が少ないと思われています。言い過ぎかもしれませんが、
職人の叡智が詰まっていて、たしかに何も触らなくても、素晴らしいものはできます。

だから、余計なことをしなくても良い、ともなりますが、それはそれで置きつつ、
チャレンジすることも、結局はこの織物を伸ばすことになります。

 

そんな思いで進めていますが、今回は最初にこの織物を初めて取り掛かった、
織物の土台の辺りまで戻りました。そこまで行けば、動かしにくい総紗縫と言っても
モノづくり出来そうなネタがゴロゴロしています。

 

そこからまず一つ、緯による織物の土台の作り方を変えようと思います。

今まで2階建てだったのを、地下室を作るような感じで、緯の収納スペースを
増やし、今まで出来なかった表現が出来るようにする、そんな実験です。

 

その最初の目出しがこの裂。

IMG_4062.jpg
総紗縫の試験/8双+』

 

最初は、刺繍下にしようと思ったモノですが、試験織の意匠図が出来るにつれ、
新しい土台になりそうでしたので、急遽少し仕様を変えました。

 

これをどちらの方向へ飛ばすか、一応自分の中で決まっていますが、
社内全体に、モノづくり指令も出ていますので、若手に最後の味付けを託すのも。。。

と思いましたが、やっぱり、じぶんでしようと思います(笑)。

 

配色は変えて、このままの柄でも角帯にして、夏結ぼうかな?等など
今ある完成品の総紗縫よりも、一歩後退した段階ですので、やりようは沢山あります。

 

楽しみです。

 

 

 

※総紗縫Pintrest
  →https://www.pinterest.com/senpukuya5/総紗縫/

タグ: ,

Instagram

tonamiorimono

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...