2015年02月18日
当たり前にある帯地で魅せてみる。
となみ織物の帯と連動した着物を作るようになってから、二十数年経ちました。
よく『良くそんなところまで作ってるね。』とその分、言われ続けてきました。。
帯だけであれば、そう広がりは無かったはずですが、
着物が増え、最初の頃から考えると扱う品目は何倍にもなっています。
おそらく帯屋だけだったら、帯地を利用して作るモノもおそらく草履バッグ。
それで精一杯だったはずです(実際に初期は固い草履バッグでした。)。
どれだけ薄く織っても様々な制約から着物よりは生地が厚くなるので、加工する用途としては、
本当に限られてしまいます(やっぱり、草履バッグですね)。
ただ、総紗縫が織れるようになってからは草履やバッグはもちろんのこと、お財布やカードケース、
日傘まで製作できるようになりました。おそらく無理せず、当たり前のようにある素材の一つとして、
使えるのは、帯地ではこの総紗縫くらいのものだと思います。
少し前に生地を持って当たり前のように『この帯地で丸絎(まるぐけ)作ってもらってよいですか?』
と言って製作して頂きました。縫いにくい訳ではなくて、縫い目を極力真っ直ぐにして、綺麗に
見せたかったので、腕の良い職人に頼んでいます。
最初は帯地という意識があったのか、振り袖で使えそうなくらい太いモノでした。
おしゃれ用なので『できる限り細くして欲しい』と要望を伝え、そこから3分の2のサイズに。
あまり問題なく、それも縫って頂き完成。
そこからさらに細くして(まだ行けました。)縫製してもらって羽織紐に。
『仙福屋の羽織紐/総紗縫』
今では当たり前の様に製作して頂いています。
無理難題もこなして頂いていますので、最近は帯地と思ってはるのか少々疑問ですが(笑)、
縫製して頂いている『職人』さんと総紗縫の『織組織』とに本当に感謝です。
この羽織紐は、となみ織物の色で作りました。
帯地よりもうんと小さくなっても、同じくとなみ織物が作る着物地の色とは、
とても親和性が高く、コーデイネートに大きな良い影響を与えてくれます。
おそらくとなみ織物が着物を扱わなければ、出てこなかった小物です。
少しずつモノづくりのテリトリーを増やしていくのも、色んな相乗効果がありますので、
今後ますます重要になりそうです。