2015年02月27日
最終判断の目出し。
試験織り目出しが上がってきました。
モノによってはこの段階『えっ、なに。』となるのが少なくないので、
勝手に人のはUPできません(怒られます。。。)。自分のです。
毎日、こういう試験が新しい織組織、柄や色で何種類も上がってきます。
ときどきに、設計ミスで糸が爆発しているモノもあります。原因の分かるのはまだマシですが、
配色のせいで『気持ち悪いモノ』。織組織のせいで『触りたくないモノ』。
等々、帯の感想とは思えないものが上がってくることも。
ステップあっぷのための付き物みたいなものです。
試験織り、社内では『目出し(めだし)』と呼んでいますが、それが山になっていて、
ダンボールにすると100を優に超えます。
昔のものを掘り返すと、次の新しいことを思いつくこともあり、ある意味宝の山です。
いずれ時間が許せば、その山を解体して一つ一つ紹介していきたいです。
その発掘作業は面白くて手が止まり、おそらく相当難航するとおもいます。
さてさて、そんな目出しの一番新しいもの。
紹巴紬です。
『作楽紹巴紬/宝相華』
3色の配色を一度に織りました。
この柄は濃い糸で縁取っている糸をなにも考えずに織ってしまうと、地色も一緒に濁ってしまいます。
それが必要以上に濁らない様に、糸に工夫をし、華の中の縁側にぼかしの様なモノを入れ、
柄に奥行きを作りました。
ヘタすると紬糸の節に潰されて、汚れのように見えてしまいますが、
埋没してしまわないように、紋、糸の太さを計算しています。
それはモノづくりの細部の話になってしまいますので、今日はパスします。。。
普段の流れはこんな感じです・・・。
まず朝会社へ行き、こういった目出しが上がっています。
生地をパッと見ると似た感じのが並んでいるので、何となく、どれを選んでも、
行けそうな、そんな悪い感じはしないように見えます。
でも、行ってしまえ。とはなりません。
特に、ここまで配色の詰めが進んでいる時には、最終のイメージが決まっているので、
安易に織ってしまうと、『う~ん、やり直し』となって余計手間が掛かります。
(それは今まで何度もやってしまいました。。)
まだ頭が完全に起きていない時は、基本に戻って、目出しを配色ごとに折って、
一色ずつ自分の目でゆっくり確認していく様にしています。
こんな感じで。
こうして見ていくと、全部同時に見るよりも自分のイメージと重ねやすいです。
ここから①一色を選ぶのか、②選んでから少し修正するのか、
それともこれは③一度白紙にして、再度一からやり直すのか?
また、帯地が一本の帯として上がってきた時に紹介しますね。
確率はそんなに高くないのですが、ここで柄を織ること自体を止めてしまうことも。
(冒頭の『帯として大丈夫?』と思った時です。。)
今回は大丈夫そうでホッとしています。