2015年03月04日
キズもスジも汚れも無いB反。稀です。
タイトルの通りだと思わず、問題無さそうですが・・・。
昨日紹介した御召と一緒に上がってきました(百何十本かに一本の確率です)。
(もちろん織り手さんは気づかれ、すみませんと。)
『仙福屋の御召/麹塵染め(アウトレット)』
問題は、重量面。
この表題御召はそこで、引っ掛かりました。
モノづくりする際は帯も着物も、この『重量』には特に気をつけています。
糸を沢山使った方(重くなる)が原価的には高いので、高級。
という考え方を元に製作されているモノもあります。
特に昔は今よりも、そういう考え方が強くあって、昔の帯は総じて重いです。
ただ、お洒落着、街着である限り、生地を軽くしていくのが、着る方への負担も少ないため、
モノづくりの正しい方向だと考えています。
とは言っても、生地が軽すぎると、手持ち感がペラペラで、
シワになり易く、しかも戻らない。そうなると、絹の場合それもまた問題です。
『仙福屋御召/麹塵染め』この着尺は帯と同じ麹塵糸に通常の糸とを交互に入り、
重量面やシワ、風合いのバランスを取りながら織ります。
余談になりますが、時々反物の〜gという重量自体は軽くても、
手持ち(着心地)が全く軽さを感じない、不思議な反物があります。
織組織や糸の使い方、打ち込みの具合でそうなってしまうのですが、
こればかりは織ってみて、実際に手に持ってみる。そんなアナログさも重要です。
人間の手ってスゴイとその度に感じます。
ぜひ、沢山の反物を見られる際は、実際に反物全体(←ここが重要)を持って触って、
他と比較する、是非して頂きたいです。
話は戻りますが、丸巻き自体で見ても、これだけ違います。
『左が通常。右が今回の稀な反物』
この反物は自分用でも相当枚数を作っているので、どうしょうか検討中です。
さらに余談ですが、反物や帯を持つ時に軽ければ、その時心のなかでは『よしよし』です。
重かった場合、『重っ』とは言いますが、感覚的には『おもい』というよりも『ヘビー』に近いです。
そうすると、本当にイメージが重く、どれだけ糸の通った織物でも、せめて『重いなぁ』くらいに
戻そうと思います。感覚だけの話で、非常に伝わり難いアナログな部分ですが、これも心掛けとしては、
大事です。