となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > キズもスジも汚れも無いB反。稀です。

2015年03月04日

キズもスジも汚れも無いB反。稀です。

 

タイトルの通りだと思わず、問題無さそうですが・・・。

昨日紹介した御召と一緒に上がってきました(百何十本かに一本の確率です)。
(もちろん織り手さんは気づかれ、すみませんと。)

 

IMG_4452.jpg
『仙福屋の御召/麹塵染め(アウトレット)』

 

 

問題は、重量面。

この表題御召はそこで、引っ掛かりました。

 

モノづくりする際は帯も着物も、この『重量』には特に気をつけています。


糸を沢山使った方(重くなる)が原価的には高いので、高級。
という考え方を元に製作されているモノもあります。

特に昔は今よりも、そういう考え方が強くあって、昔の帯は総じて重いです。

 

ただ、お洒落着、街着である限り、生地を軽くしていくのが、着る方への負担も少ないため、
モノづくりの正しい方向だと考えています。

とは言っても、生地が軽すぎると、手持ち感がペラペラで、
シワになり易く、しかも戻らない。そうなると、絹の場合それもまた問題です。

 

 

 

『仙福屋御召/麹塵染め』この着尺は帯と同じ麹塵糸に通常の糸とを交互に入り、
重量面やシワ、風合いのバランスを取りながら織ります。

 

 

余談になりますが、時々反物の〜gという重量自体は軽くても、
手持ち(着心地)が全く軽さを感じない、不思議な反物があります。

織組織や糸の使い方、打ち込みの具合でそうなってしまうのですが、
こればかりは織ってみて、実際に手に持ってみる。そんなアナログさも重要です。

 

人間の手ってスゴイとその度に感じます。
ぜひ、沢山の反物を見られる際は、実際に反物全体(←ここが重要)を持って触って、
他と比較する、是非して頂きたいです。

 

話は戻りますが、丸巻き自体で見ても、これだけ違います。

IMG_4456.jpg
『左が通常。右が今回の稀な反物』

 

この反物は自分用でも相当枚数を作っているので、どうしょうか検討中です。

 

さらに余談ですが、反物や帯を持つ時に軽ければ、その時心のなかでは『よしよし』です。
重かった場合、『重っ』とは言いますが、感覚的には『おもい』というよりも『ヘビー』に近いです。

そうすると、本当にイメージが重く、どれだけ糸の通った織物でも、せめて『重いなぁ』くらいに
戻そうと思います。感覚だけの話で、非常に伝わり難いアナログな部分ですが、これも心掛けとしては、
大事です。

 

 

 

 

Instagram

tonamiorimono

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...