となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > 新しいけど見た目ほとんど変わらないもの。

2015年03月17日

新しいけど見た目ほとんど変わらないもの。

 

やっと上がってきました。『総紗縫/黒』の新しい技法。

総紗縫は・・・と始めると永遠と書いてしまいますので省略しますが、
この織物、当初想定していたから、色、織に工夫をすることで大きく表現方法が
発展しました。雑誌で紹介したものでも、ざっと変遷を追っかけて頂けます。
Pinterest『総紗縫』へ

 

もちろん、新しい表現方法が出来たからといって、今までの織り方をしないか?
というとそうではなく、電化製とは違って並列してモノづくりします。

 

モノづくりする人間はほぼ例外なく(自分も含め)新しいもの好きが多いので、
新しいモノを使って作りたくなりますが・・・、
それだけを中心に据えてしまうと、かえってその技法に縛られてしまい、
出来上がりがショボくなることが多々あります。
(この『ショボくなる』という表現がピッタリです)

 

ですので、新しいモノでも大喜びはせずに、社内アナウンスも小さくして、
紹介します。といっても今はまだ目出し段階です。

 


DSC04771.jpg
『総紗縫/黒+』

 

見た目はそんなに変わらず、透け感も総紗縫らしい透け感。
という風に見えますが、じつは画期的なことがいくつかあります(おいおい紹介しますね)。

 

DSC047802.jpg

今までの総紗縫にはできなかったことです。

ただ前述のように、使わなくて良い意匠で使っても反対に野暮ったくショボくなってしまいます。
 

 

結ぶ方からすると、気付かれない可能性もある変化ですが、今後の表現が何倍にもなる、
(何度も言いますが、全く使わなくてよい柄も沢山あります)可能性を持った技法です。

 

素材が凄い!織り方が凄い!色が変わっている!等、派手なところは全くありません。
今の流れで言うと『消費者に届かないと意味が無い。』。そんな風潮からすると、
けしからんと言われそうなモノづくりですが、自分の中ではこういうモノづくりが
かなり好きですね。

 

この後は2柄。これを進めていて、じわじわ総紗縫を内部から染めていこうと
こっそり企んでいます(笑)。

 

まだ、一本織り上がるかも分かりませんので、ここにUPしながらも内緒です。。

 





 

 

 

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