2015年03月21日
次の総紗縫できるかも・・・。
少し前の『猫/総紗縫/黒』。
『猫/総紗縫/黒』
この意匠は元々、紹巴織→それを紬→総紗縫→今回の総紗縫と4回目のリメイクです。
全て新しく設計図(紋図)を作ります。
新しいものが出来ると、前のモノは織らないか?というと、そういう時もありますが、
柄は同じでも作り始めのコンセプトが違うことが多いので、ほとんどの場合、並列して、
同じ柄の帯として存在、製作することが多いです。
(前のモノよりも少なくとも劣るわけには行かないので、
良くわからない自分の中のプレッシャーはありますが・・・。)
前のモノは『猫』を一つの上げ方で猫を織ったので、縦に方向に流れる粋な柄になっていました。
反対に写真の2バージョン目は、総紗縫の経緯の関係でそれぞれ一匹ずつ変えて織っています。
今日は次の総紗縫を・・・と思って、じっと一匹ずつの猫を見ながら、
次の帯のもとになりそうな図案を探していました。
『総紗縫』という織物は緻密さ他には無い特別な紗です。
一番シンプルな作り方、箔を柄に使うだけで充分訴求力のある帯になりますが、
モノづくりをしていると、何か次に進みたくなります。
初めてこの帯を見る方には、一番シンプルなモノを見て頂くだけで、
驚いて頂けはずです。だから、①一番シンプルなモノ→②次に改善したモノ、
③最新のモノと順次、小出しにすれば、順次購入して頂ける可能性があるはず。
ですが、となみ的には、いきなり①〜③を見せてしまいます。
会社的な売上や利益を考えると、『どう、それって?』と
異業種の方(同業もそうかも・・・)からも言われることもあります。
『それがお客様のため、と強く考えています・・・。』と断言できるとカッコイイのですが、
そういう訳ではなく(そこまで考えていないのかも?)、常に新しいモノづくりを見せる。
そうすると、飽きられないためには、常に新しいモノづくりをしなくてはいけない。
そんな危機感にさらされる、頭はモノづくり、そしてアンテナもいつも立てておく。
おそらく、これがうちの良い所と、強みです。
なんて非効率な。。とこれもよく言われますが、メーカーが新しいものが作れなくなったり、
作らず同じものばかり売ることで満足してしまったら、もうメーカーでなくなりますからね。
スランプで詰まっても、少ししか進まなくてもモノづくりは続けて行ける会社でいたいです。