2015年04月13日
これからのとなみの強み。総紗縫で言えば・・・。
毎日毎日、となみ織物では何かしらの新しい帯が上がってきます。
最近は特に若手が出張へ行き、情報を仕入れたり、何かを感じ、それらを元にモノづくり
したものが随分増えました。(段々と現となみの特長になってきました。)
モノづくり、最初は大変です。
『モノづくり新人さん』を見ていると、
何から手を付けていいのか?本当にわかりません。というのが動きでわかります(笑)。
好きなモノを作りながら、それが結ぶ方に取っても好きなモノになる。
これは簡単には行きません。また、じっと考えていても、とことん嵌って、進みません。
そのため、最初は(怖くても)目出し(試験織り)の配色から行います。
もちろん、これも安くないコストが掛かりますので、真剣の真剣に一色ずつ、
その前にベースとなる柄を入念に選び、一色ずつ配色を行います。
スタートは大体みんなそうですが、慣れてくると配色することが、塗り絵状態になってしまいます。
(もちろん、そんな簡単な訳はなくて、慣れで錯覚してしまいます。)
ここでしばらく成長が止まる人が多いですが、コツコツと自分の得意な方向の柄や、
織の表現の使い方、陰影の作り方を見つけると、配色もいい意味で人と違うことが、
できるようになります。
それで初めて柄を作ろうとする、そんな気持ちにもなってきます
(最初はそんな気持ちすらなりません)。
ここが『モノづくりの』入り口です。
入門の入り口から少し入った所から、いきなり困難です。
ここまで来るまでもかなりの努力と忍耐力が必要ですが、
昔みたいに着物の一枚に帯3本と言われたほど、なかなか帯は買って頂けません。
一本が宝物になるようなモノづくりをしないとダメなので、一つの柄を作るのに、
こちらに思い入れや作り込みが無いと、なかなか伝わらないです。
作っても評価を得ることすらできないので、この辺りで自分の成長が感じられず、
止まる人も多いです。なんとなく、どこかで見たような帯。
そういう状態になっていると思います(塗り絵)。
今までそういうスタッフを沢山見ていましたので、
自分のモノづくりの一つには、これからのさきがけになる様なモノを作る。
それを心がけています。
もちろん失敗もありますし、自分が一人でどうのこうのではなくて、
この着物業界ではない方とのモノづくりの中で、そういったモノづくりに気付かされ
試行錯誤して、形にしていきます。
その中の一つがこの総紗縫。
『総紗縫/黒+』。今までの総紗縫にできないことを入れています。
ちょこちょこ載せている、この帯シリーズ。
まだ、そんなに柄数が揃っていない『黒』に、その上から改良を加えました。
(『黒』自体まだまだ作り切っていないモノですし、新柄も待機しています。)
このモノづくりは、今すぐ帯としてどうのこうのすると言うよりも『黒+』の様なベース部分を作り、
社内全体に周知させておけば、、。今のスタッフは自分たちの中にある情報をタネにして、
なにか全く新しくて良いモノを作ってしまう様な気がします。そこへの土壌づくりです。
今は総紗縫が、となみ織物の持つ織組織の大きな一つです。
今後もその部分は継続して行きつつ、
若手が試行錯誤しながら作った、今は想像できないシリーズが大きくなっていく。
ちょうど両面選べる帯が総紗縫です。
片面は、今までの総紗縫の発想柄。もう一方は今はまだ想像できない柄。
そういうことも、これから長い目で見て、期待し楽しみにしています。