2015年04月30日
退化させてみるのも、いいかもしれない。
今の自分のモノづくりは経錦を中心に、と考えています。
ただ、出張へ出てしまい、結ばれた帯を見てしまうと、そちらへも目が行ってしまいます。
FacebookにUPしていたこの『総紗縫』の帯もそうです。
『総紗縫』
今では廃盤となっている柄です(レアです)。
まだこの織組織ができ始めた当初モノです。この柄が出来るまでも、というより総紗縫が形に
なるまで素材、打ち込み、柄を相当数、試行錯誤した空気が残っている頃の帯です。
この前にも数柄はありますが、ほぼこの辺りから始まり、今では色、緯使い、素材に工夫をして、
大幅にやれることが増え、それに連れて柄の表現力も増して、となみ織物の中でも総紗縫は、
大きなポジションを占めています。
織組織の進化としても良いのかもしれませんし、
一つの織組織がここまで認知されるのは何十のうちの一つです。
『黒』や『黒+』、『 Kilim』もまだまだ表現の余地は沢山あるので、
さらなる進化をさせていきたいです。
退化
それにプラスして。
写真の帯は、これだけ進化した『総紗縫』の中でも、印象に深く残る良い帯です。
また、結ばれた方からも周りの評判が良くて嬉しい。そんな話も聞きました。
そうなってくると、この帯の持っている何かを膨らませて、
この系統のモノづくりするのがメーカーしなくては。となります。
そういえば、この帯のベース部分『麻の葉』も未だに人気です。
『総紗縫+染め』
皆さんからの評判は上々ですので、逆行までは行きませんが、
一部退化させるモノづくり。もしかして、進化した部分も加味して、進む分、
面白い方向に行くかもしれないモノづくり、そちらも手がけていきたいです。
当初難しかったモノづくりが進化して出来るようになりましたが、
今度は反対に、かつて出来たモノが大は小を兼ねる状態で簡単にできるか?
意外にすんなりは行かないかもしれませんね。
頑張ります〜。