2015年05月12日
パレット−1。
今日のFacebookにUPしている帯話です。
【Rococo/しぼ織】
この帯は御召緯を使って織り、織り上がってから、お湯の中に通し生地を縮めて
しぼを作るシリーズです。
この『御召緯』は、非常に希少だ。
そんな話は何度か書きましたが、それよりも先に、
予想外に、この中に使用する、ある一色の『箔』がなくなってしまいました。
職人がいなくなったではなくて、原材料が無く作れない、ためです。
西陣にも出入りしていて、他の業界にも詳しい方(どの業種か判る方は分かりますね。)
が、よく言われることは、『西陣はつぶしが効く。』ということです。
西陣の会社は一社で全てをまかなうのではなく分業制です。
そのため、どこかの工程が無くなると、本来はモノづくりが止まります。
分かりやすく言うと、紋屋が無くなると、意匠図が作れなくなる。
整経屋がなくなると、経糸の手配ができなくなる。等です。
それを良い言い方では工夫、悪く言えばごまかし、ながらやってきました。
(もちろん他へしわ寄せが来ることもあります。)
今回はそこまで大変なことではないのですが、その箔が無くなると、
当たり前ですが、今まで通りには、その色が作れなくなる=『その帯』が作れなくなります。
これまでも、そういった事態は何度も起きていて、(ダメですが)ある程度慣れています。
しかも、そういう問題が起きた過程で工夫することで、新たなモノづくりのキッカケが
ポンとできることもあるので、全くダメとはいいませんが、
やはり今まで出来たことができなくなる。表現の手数が減る、
パレットの一色が無くなるような感じで、少々イヤな感じがします。
今回も今の色では少し単純になり過ぎるため、箔の上に通す緯糸を調整したりして、
元の色に近づける、もしくは全く違う色にする。ということで進める予定です。
もし、同じ帯を同じ配色で作るとなったときでも、今後はほぼ一から。
そんな状態になることが予想されますので、それなら新しい意匠を作ろうか。
そういう風にポジティブに考えていきたいです。
もうやってる、と言われそうですが、その場合にはさらに。。。