2015年06月01日
総紗縫のまとめみたいになりました。。
よく言われます。
帯ってこの柄、一本しか織らないのですか?
図案を描き、設計図(紋図)を作り、試織してとなると、一本のみでは採算が取れません。
時代を先走り過ぎてか、遅すぎたのか、そんな時代は来ないのか、わかりませんが、
頑張っても(苦笑)一本しか売れないモノもあります。
もちろんコスト面だけではなくて、一本目ではキズが多く織りなれる二本目に
安定する、という技術的なことも意匠によってはあります。
ずっと同じ柄同じ配色でそのまま織って、売り続けることもできますが、
となみ織物ではしたくない、新しいモノづくりして、多種の柄を世の中に発信したいと考えています。
そういった意味でも、総紗縫は非常に人気の織物で、売れ筋を追っかけていれば、
大変有り難いですが、同じ配色の同柄ばかりにならないように、新しいものを1柄作っては、
今までのモノを1柄廃盤としています。
遥か昔は、同じ帯が何百本も出た時代もあったそうなので、そんなの気にせず売れるものを
作って売ったらイイ、そう言われるメーカーもありますが、うちでは基本的にやりません。
(例外が出そうなのは、裏無地。同じ柄で被ってくることも、
それでも意識的に避けるようにしています。)
そんな嬉しいような困ったような織物の代表、総紗縫。
当初のモノづくりは箔のみで織るシンプルなものでした。
そこから上記の様な新しいものを。という声に押され、モノづくりして、
大幅に可能性を広げてきました。
大きく流れを書くとこんな感じです。
☆初期紗⇒緯を入れる⇒切り替え横段⇒プラチナ箔、純金箔使用⇒蛍光糸⇒併用シリーズ『彩』
☆後加工としては、『汕頭刺繍』、『相良刺繍』、『竹屋町刺繍』、『スワロ』等々
となります。
改めて書くと、『ほーっ。よーやってきなぁ。』と感慨深いです。
最近はこの『黒』も定着してきて、今は『黒+』も一緒にモノづくりを行っています。
『黒+』
はじめのはじめは、ほとんどが軽い思いつきです。
そこから作っても、ほぼ100%失敗してしまいますが、ほとんどが失敗してからの2回目で、
方向性や成功の確率が決まるので、この目出しもこれをどう持っていくか?探りたいです。
あまり体調が良くないので、治してからがんばります。
多分、最近の京都の気温ですね。