2015年06月02日
過去の難問 その3
『過去の難問 その3』
その前の『その1〜その2』とも、何年も前に図案⇒意匠図作成、目出し(試験織り)を織る所までは
手がけていたものの、最終製品の『帯』まで到達していない、『総紗縫/雪佳』です。
その1⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/05/post-2142.html
その2⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/05/post-2144.html
それらを今回の機会、再度取り組み直して、おこなっています。
この『その3』が最後の難問(であったほしい)。
『総紗縫/神坂雪佳の世界』
見るだけで総紗縫らしくない顔をしています。
(白鷺でなくて帯地の顔ですよ~。)
『織物の織り方=織組織』は図案に応じた、織組織を選択してそれを有効に活用して、
意匠を作り、帯を作るのが基本です。
総紗縫は今でこそ表現力がマシましたが、元々こういう織物は得意としない織物でしたので、
この意匠を作った時は、ほぼ工夫をせず正面から作ったモノでしたので、目出しは織れても、
これ以上は難しい。
織るのも難しいし、裏を見ると、糸がパンパンに通り過ぎていて、丸巻きから袋帯への仕立ても難しい、
そんな状態で止まっていました。
個人的には、メインの意匠では無いものの水草の発色が抜群に良く、これはお腹の柄単体でも
面白そう。そんな記憶がのこっていました(今回はそれを採用します。)。
正面からは行くと、技法が増えたと言っても、同じ様な問題に直面しそうなので、
今回に関しては、糸の処理が困るとき、最近良くする手法でそれを回避し、さらにもう少し、
柄に動きを付けて、完成させる予定をしています。
これが終われば、本袋。
そして、経錦。
帯のモノづくり、盛り沢山です。