となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > モノづくり業 > 過去の難問 その3

2015年06月02日

過去の難問 その3

 

『過去の難問 その3』

その前の『その1〜その2』とも、何年も前に図案⇒意匠図作成、目出し(試験織り)を織る所までは
手がけていたものの、最終製品の『帯』まで到達していない、『総紗縫/雪佳』です。

その1⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/05/post-2142.html
その2⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime/2015/05/post-2144.html

 

それらを今回の機会、再度取り組み直して、おこなっています。

 

この『その3』が最後の難問(であったほしい)。

 

DSC05311.jpg

『総紗縫/神坂雪佳の世界』

 

見るだけで総紗縫らしくない顔をしています。
(白鷺でなくて帯地の顔ですよ~。)

 

『織物の織り方=織組織』は図案に応じた、織組織を選択してそれを有効に活用して、
意匠を作り、帯を作るのが基本です。

 

総紗縫は今でこそ表現力がマシましたが、元々こういう織物は得意としない織物でしたので、
この意匠を作った時は、ほぼ工夫をせず正面から作ったモノでしたので、目出しは織れても、
これ以上は難しい。

 

織るのも難しいし、裏を見ると、糸がパンパンに通り過ぎていて、丸巻きから袋帯への仕立ても難しい、
そんな状態で止まっていました。

 

個人的には、メインの意匠では無いものの水草の発色が抜群に良く、これはお腹の柄単体でも
面白そう。そんな記憶がのこっていました(今回はそれを採用します。)。

 

正面からは行くと、技法が増えたと言っても、同じ様な問題に直面しそうなので、
今回に関しては、糸の処理が困るとき、最近良くする手法でそれを回避し、さらにもう少し、
柄に動きを付けて、完成させる予定をしています。

 

これが終われば、本袋。
そして、経錦。

帯のモノづくり、盛り沢山です。

タグ: , ,

Instagram

tonamiorimono

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...