2015年07月05日
試作をするのがモノづくりの基本です。
休みの前、夜遅くまで打ち合わせをしていました。
となみ帯に大きな可能性を感じて頂いる方からの熱烈な提案でしたので、
真剣に(珍しくそこからアルコールは進まず)話込み。
その話の中、申し訳無さそうに言われるのが『こんな試作ばかりで良いんですか?』
とか、『(超試作のものを見ながら)ここの始末はもう少しなんとかしないと。』
ということです。
他社も異業種もそうだと思いますが、メーカーは試行錯誤が仕事みたいなもの。
思われているよりも、数倍の試作の山の上に、製品ができています。
おそらくそれらを見せることも(もしかして見せたくない見栄かも(笑)?)、
あまり無いので、いきなり立派な完成品ができているように、思われているようです。
今回は、南蛮七宝のモノづくり、その中でも試作の特に多い、小物です。
『南蛮七宝文様/懐紙入れ』
自分たちが行わなわなければ行けないのは、数多くを試すこと。しかも出来るだけ早く、
熱いうちに修正に修正を加え、意見を聞き、また試作を作ることです。
出来たと思っても、使ってみて判ること、使い倒して分かること、自分じゃなくて、
第三者に使って分かること、それを通じて、常に試し続けることです。
帯も図案の段階は、そういうものが少なくても意匠図作りからの試験織り、配色に
掛けては試作だらけです。
当然、コストは掛かりますが、そこをケチって、まあイイっか。とやってしまうと、
メーカーとしての拘りは、薄れていきます。どれだけやっても100%とは、ならないかも
しれませんが、そこに頑張って近づける、それがモノづくりです。
それだけやっても、気が付かない、自分たちの横をすり抜けてしまう事もありますが、
まあイイや、と言わず、徹底してやり尽くしていれば、そこから沢山学ぶこともあります。
そんな訳で作る過程での、メーカーとしての立場を、モノづくりの難しさを伝えながら、
今後良いものを一緒に作って行きたい、という話でまずは解散となりました。
話の中で出ていましたが、コストを掛けないモノづくりが世の中の中心だ、ということ。
それもよく分かりますが、それをしてしまえば、となみ織物の意味がありません。
今すぐの『売上』とか『利益』という甘い言葉には気をつけていきたいです(笑)。