2015年07月07日
緯と経糸。
社内では、横糸のことを''よこいと''と呼ばず、緯(ぬき)糸または緯とだけ、呼んでいます。
織物は経と横との関係性で柄、色を作ります。
柄を作るのは、よく判りますが、色?と疑問に思われることもあります。
織物は織り方によっても異なり一概には言えませんが、経糸と緯糸が混ざった色になります。
たとえば、経;黒、緯;白で、織り上がりがグレー。というように。
意匠図を作るときは柄を織り成す以上に、気を使うのは、配色の問題。
配色がし易いのか?と、配色変更に対応できるのか?そして、イメージ通りに色が綺麗に出るのか?
この悩みは全て意匠図の段階で決まってしまいます。
(それから後は、裏ワザを使っても微修正位しかできません。)
その経と緯との関係でわずかですが配色変更した帯が上がってきました。
『南蛮七宝文様/下弦の月』
受注を頂いてから織りに入る南蛮七宝シリーズの袋帯です。
となみで使う糸は絹糸で天然繊維です。僅かな太細もあり、染めるロットによって僅かな差がでます。
その差は味として存在しますが、今回は意識的に変更しました。
撮影前先月に、唐長さんへお邪魔した際、みていた下弦の月です。
帯の中でもう少しお月さんが浮く映える色。
それを作るために、緯糸は変えずに経糸を白くしました。
写真からは僅かの違いしか出ないかもしれませんが、帯を立てた時に、
白の映え方が変わってきます。
どちらが皆さんの好みになるのか?それは実際に見てもらいたいです。
今は比較して頂けるように2本、同じ帯がありますので、じっくりと。。。