2015年07月22日
過保護にしようかな?
先日来られていたお客様に『南蛮七宝』文様を見て頂いていました。
この文様も、数多くの帯や着物に紛れ込んでしまうと、大勢の中の一柄になってしまいます。
思い入れのある方が見ると『あ~!南蛮七宝!』と掘り返して?もらえるかもしれませんが、
そうでない多くの場合は、やはり紛れてしまいます。
ただ、この日のこの時はそうならず、最初から『わたし、この柄好きです。』
『全部の柄見たわけではないけど、この中で一番好きかも・・・。』
そう言って頂けました。柄が光っていたとのことです。。
自分が唐長文様の中でも、特に拘って製作しているモノなので、すなおに嬉しいですし、
『南蛮七宝のモノづくりやっていこう。』、と初めて思った時の気持ちを思い出しました。
自分の初心に触れた気がして、改めて背筋が伸びました(笑)。
今は、次の唐長文様も考えていて・・・。という話もさせて頂きましたが、
ちょこっと進めては、止まり、また少し進めて。そんな調子です。
実際、意匠図つくりは順調で、目出しもそれぞれの配色を取り、ほぼイメージとおりに
進んでいます。このあと、直ぐに帯として織っても、まず問題ない。
そんな状態です。
ただ反面、このまま織ってしまったら、今度は南蛮七宝にやられて埋没してしまいそう。
という心配をしています。(南蛮七宝も超過保護にしていましたので、笑えませんが・・・。)
それは、それで柄を活かしきれなかった、紋、配色の責任ということですが、
やはり以前見せて頂いた、一つ一つの版木の力を感じたこともあって、
(最近、唐長柄製作以外は常に頭にあります。この版木。)
『じゃ、この柄は帯には着物には向かないな。』とは簡単に割り切れませんし。
『はい、織ろう!』とも簡単に行かないものです。
良いモノを作るのは前提ながら、敢えて目立つ配色で織って、埋もれないように・・・、
とも違いますので、さてさてどう進めましょうか?
と目出し段階で止まっている柄が2柄あります。
やっぱり、この2つも過保護になりそうですね(笑)。