2015年07月24日
輪宝文様・完成しました。
昨日は座る暇なく、一日京都の歴史の中にいました。
聞く話、全てが100年単位の話でしたので、いかに普段歴史の中で生活と仕事を
しているのか、こういう時に気付かされます。
昨日の唐長さんでもそんな話が出ていました。
中に入ってしまい、それが日常になってしまうと、それが自然になってしまうんだなぁ
とこちらでも感じさせられました。
さてさて、ここしばらくは唐長モノづくりを取り上げることが多く、
それ以外はどうなっているんだ?思われるかもしれません。
でも、今日もその唐長柄の袋帯です(苦笑)。
そこまでやって、やっと一柄・・・。以前、紹介していたモノですので、
見られた方もあると思います。
からかみの色を織りで再現するとともに、織での陰影を織組織で出そうと、
意匠図段階ではもちろん、配色での糸使い含めて、改良と工夫をしました。
写真では少しくらいの変化にとどまるかもしれませんが、実際に見た質感は
段違いに変わりました。色の透明感にしてもホンの0.数ミリですが、糸を合わせる
ことで、随分と変わります。
でも、これは実物を見て頂かないと、判りにくいところかもしれません。
そんな修正を加え、完成した輪宝柄です。
裏に関してもギリギリまで、白の白さと透明感を保つために、
この裏地に使う色糸同士のバランスを調整しました。
この二つが両面になった袋帯。
素敵なできだなぁとシミジミ、個人的に感じましたが、皆さんの反応も楽しみです。