2015年09月01日
続・南蛮七宝文様
まだ、土曜日の『唐長の世界』熱が続いています。
そのため、今日も唐長文様の帯を(南蛮七宝です)。
この帯の元となったモノは、11代目の作品です。二つの印象の異なる南蛮七宝文様を繋げたシンプルな作品。その分、世界観ができていて余計なモノは何も入れることが出来そうにありません。そんな空気を自分なりに汲んで、帯にしました。その空気感に織物としても、見た目には全く伺えない、大きなチャレンジをしています。
基本的にこの帯の織り方『紹巴織』は、緯糸(横糸)で色柄を織り成します。そのためもあって発色が他の織物よりも鮮やかで、自分のイメージ通りに作れたり、持った際の絹独特の風合いをストレートに感じられることが特長です。今回は、この帯の色のメリハリを綺麗に、濁らせずに作るため、特に色へ拘り(となみで織る他の織物でもそんなに悪くはありませんよ)、大幅な回り道を行っています。
詳細はカット致しますが、一つは本来そこには使わなくて良い緯糸1色を帯一本ずっーと通しています。全く表に出てこない箇所もあったりするので、この織組織の常識をちょっと逸脱しています。帯の完成品を前にしてしまえば、全然大したことのない、コロンブスの卵的な技法ですが、そこに至るまで悩んで悩んだ帯です。(そんなこともあって、これからずっと印象に残っていきそうな帯です。)
現在この配色の反対バージョンも進行中です。熱は冷めてから、冷静に取り組んだほうが良いのかもしれませんが、まだまだ面白いアイデアを頂いています。今後ももっともっと形にして発表していきますね。
唐長-Ikukoさんのホームページです。
http://www.karacho-sanjo.org