2015年09月25日
いま出せば間に合うタイミングで。
『いま出せば、バッグ、花緒、丸ぐけが欲しい時期に間に合う。』と今日の午後、まとめて時間を取り帯地の選別をしました。帯地を使った小物を作る場合、その都度必要に応じて製作することもありますが、ほとんどの場合、年に何回か時期を決めて、職人への依頼を行います。その際の生地も、①それ専用に織ることもあれば、②製織時のキズが直せない場合の反物を使う場合もあります。ですので、ギリギリまで織上がりと検品を待ってからの発注となります。直らないキズ物は出てほしくない気持ちで、良い柄が出てくるを待っている。書いていても不思議な感覚です(苦笑)。
さてさて、②の場合には、約4m40cmの帯地にハサミを入れることになります。『手にハサミを持って、引箔の帯を手に取り・・・。』とイメージすると、今でも身震いしてしまいそうになりますが、おそらく帯作りの事を全く知らない方もハサミを入れることは難しい、と思います。糸を染めた人、織り手、整経等々、知っているとさらに難しく慣れたはずなのに、未だに緊張します。
また職人への依頼の際は、一本ずつ帯の顔を見ますので、それを使った小物が上がってくる。それがイメージ通りかそれ以上だと、ホッと報われた気持ちになります。花緒の様に生地を使う部分が少なくても、それは同様です。
仙福屋の小物は、裁断から縫製のすべてを日本で行います。そのため、数を大量に作ってコストを下げる、というのは今のうちのモノづくりには合いません。バッグで言えば、一つ一つ帯地の織り組織と色、柄の大きさに合わせ、10種類近くある中から型を決め、革を使うのであれば、それを帯締めをコーディネートするように合わせていきます。一つ一つそうやって制作していくので、正直大変な手間が掛かる製作方法です。
沢山は作りませんが、それでも帯地を使った仙福屋のバッグは徐々に認知されてきました。その考え方は貫きつつ、そこからもう一歩チャレンジするつもりで、モノづくりを計画しています。おそらくこれから何年経っても帯地を裁断するときは緊張をしながらになるとは思いますが、そうしつつもバッグ作りに新しい風を入れていきたいと思います。
今日のFacebookにも上げていますが、もう一つの帯はこの麹塵染めシリーズ、紬を通した袋帯です。この帯も勿体無いですが、回復不可能なキズがあります。。。
この帯地を使っては、バッグと花緒を作る予定をしています。もう出しましたので、あとは祈る気持ちで。。。