2015年09月26日
南蛮七宝文様の懐紙入れ。
仙福屋で一番人気は真綿入り草履で、その次に人気なのはおそらく懐紙入れです。周りはお茶をする方が多い、また環境も堀川通を挟んで会社の向かいが裏千家会館ですので、やはり要望も多いです。南蛮七宝帯地バージョンも今まであまり紹介していませんでしたが、製作しています。
最近上がってきたものは、この古川美術館(爲三郎記念館)限定カラーです。
【懐紙入れ/南蛮七宝文様】
使う帯地には、以前五代目日記にも紹介した『南蛮七宝×信夫×光悦蝶』の地部分です。それを懐紙入れにした仕立て上げました。この懐紙入れの型は、みなさんから要望を聞き、柄のバランス、織組織を考慮に入れながら、バージョンを変え製作したもの。現在のモノは今まで一番シンプルな形で、そこに落ち着きました。
ちなみに今自分が使っているのは、上記写真の最初期のモノです(試作)。
あるお客さんから『南蛮七宝文様って、お金が貯まりそうやねー。』と言われたことをキッカケに通帳入れに使っています(文様には特にそういう意味合いは無いと思いますが・・・(笑))。また机の奥の方に入れていても、一際目立ちますし探す手も省けて、意外に重宝しています。
それでも、まだ懐紙入れが一般的か?というとお茶の世界のモノ。が現状です。小物入れでも使えますが、それよりも懐紙入れの名前の通り、懐紙入れには懐紙を入れて、それを使えるように定着させていきたいです。以前、懐紙の便利な使い方を教わったので、もう一度思い出して、まとめパージ等を作ると、お茶をしない人でも、登場シーンが増えるのかな?と思っています。
ただ、南蛮七宝文様が好きな方は、(有難いことに)この懐紙入れを購入してから使い方を考える。という方もおられますので、それはそれでどういう使い方をされるのか?今度聞いて見たいと思います。
使わなくなった帯地や裂地を裁断して懐紙入れに仕立てる、というのは昔からありました。現在では形にアレンジが加わり、または不要な部分が省かれて、シンプルな形に変化しても、帯地の使い方の一つには変わりありませんので、今後も、もう一段掘り下げてモノづくりしてみたい分野です。