2015年10月18日
もう一つ
これもちゃんと伝えていかないと、すぐにでも無くなってしまいそうな技術【引箔】。となみ織物でも織れる職人、数人。織れる機も数台と、あることはありますが、20年以上昔からすると、本当に無くなりそうな技術です。織物の表現力を上げる為には、本当に大事な技術ですが、手間とコストが掛かります。そのため、(残念ながら)似た素材と技術を使って、本物と偽物が混ざり、問屋でも分からなくなってしまい、結果的に値段が下落、メーカーと織り手にしわ寄せが来る。簡単な織物へ人も機も移ってしまい、つくり手が減る。そんな状態です。
これが引箔の織物でこれはそうでない、という話も帯を並べて比較する。そういったことも今後は行っていきたいですが、まずこの技術を使った織物は他のモノと全く異なる表現ができる。そういうモノづくりをして行きつつ、それをちゃんと説明できるスタッフを育てて、お客様には実際に見て触って頂いて、違いを感じて頂ける。伝える技術も社内で磨いていきたいと思います。
『本袋に使う引箔』
この織る前の引箔にしても、和紙を作る人、その上に漆、金箔をのせる人、それをカットする人と、多くの職人の手を通っていきます。その引箔を織る職人が無くなってしまうことも問題ですが、作る方も同じように需要とともに、本物が減ってきています。無くなると復活させるのは、継続する何倍もの労力と手間、それはまだしも、元に戻らないことも考えられます。
帯つくりをしていく上で本当に大事な根底の部分ですので、伝えれるようにこちらも頑張っていきます。