となみ織物の五代目のブログです。『帯』や『織物』を作るメーカーですので、内容はモノづくりが中心になっていると思います。自分で読み返して結構納得することもあります。

五代目日記 > 『日記』 , モノづくり業 > もう一つ

2015年10月18日

もう一つ

 

これもちゃんと伝えていかないと、すぐにでも無くなってしまいそうな技術【引箔】。となみ織物でも織れる職人、数人。織れる機も数台と、あることはありますが、20年以上昔からすると、本当に無くなりそうな技術です。織物の表現力を上げる為には、本当に大事な技術ですが、手間とコストが掛かります。そのため、(残念ながら)似た素材と技術を使って、本物と偽物が混ざり、問屋でも分からなくなってしまい、結果的に値段が下落、メーカーと織り手にしわ寄せが来る。簡単な織物へ人も機も移ってしまい、つくり手が減る。そんな状態です。

 

これが引箔の織物でこれはそうでない、という話も帯を並べて比較する。そういったことも今後は行っていきたいですが、まずこの技術を使った織物は他のモノと全く異なる表現ができる。そういうモノづくりをして行きつつ、それをちゃんと説明できるスタッフを育てて、お客様には実際に見て触って頂いて、違いを感じて頂ける。伝える技術も社内で磨いていきたいと思います。

 

DSC07210.jpg
『本袋に使う引箔』

この織る前の引箔にしても、和紙を作る人、その上に漆、金箔をのせる人、それをカットする人と、多くの職人の手を通っていきます。その引箔を織る職人が無くなってしまうことも問題ですが、作る方も同じように需要とともに、本物が減ってきています。無くなると復活させるのは、継続する何倍もの労力と手間、それはまだしも、元に戻らないことも考えられます。

 

帯つくりをしていく上で本当に大事な根底の部分ですので、伝えれるようにこちらも頑張っていきます。

Instagram

tonamiorimono

カテゴリ

バックナンバー

  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介
  • 仙福屋宗介

となみ帯

Facebook

LINE@はじめました
友だち追加

新着記事

五代目日記2冊目は、こちらです。 ⇒http://www.kyo-tonami.com/godaime2/…

今日が2016年の最終営業日でした。この一年、本当にあっという間でした。 年末のモノづくりは抑え気味と言いながら、今年も最後…

来年に力を入れていきたい、襦袢があります。さざ波の様な細かなシボが、生地全面に入った、手触り風合いの優しい白生地を使います。(生…

2ヶ月に1度位の割合で着物姿を撮影しています(前回は月心寺)。今回も本社向かい、徒歩3分圏内での撮影でした。 天候は曇り、たまに…

今年中には間に合いませんでしたが、間もなく完成の帯揚げです。 帯の意匠を使い、帯揚げらしく修正を掛けた図案の段階です。 ここから…

携帯サイトのご案内

QRコード

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...